Diary

早朝から「不愉快な本の続編」初校ゲラ。別紙(ゲラ上の直しでは対応しきれず原稿用紙に書き直したものとか、方言の会話文とか)が5枚もつく大工事になってしまった。今日渡せるかと思ったけどとても無理。

それと並行して法政の予習。前回は学生の発表が主だったが、今回はこちらが講演会一回分くらい喋らなければならないので配布資料の準備などもあってこれもしっかり週末までかかりそう。

ビュトール本(ミシェル・ビュトール:ア・ラ・フロンティエール・ウ・ラール・デ・パッセージ/ディジョン大学)が届いて、やっと中身を確認。御大の文章のすぐ後に、私がビュトールと対談した直後に書いた短い感想文(エッセイ)が載っていて恐縮。私の一生でこれ以上名誉なことは多分起きないと思います。巻末の私のプロフィールがどー見ても怪しい気がするのは、フランス語の読み書きができないからでしょう。どのみちそこで挙げられている2冊は翻訳されてないので影響ないとは思います。

午後、新潮社の書籍担当者来群。装幀その他いろいろ打ち合わせ。家のなかは肌寒いくらいだけど外は暑いげなので電光石火のマッハで飲み物とか買ってこなくちゃ。あとはざっと掃除もしなくちゃなんないのか。よぃじゃねーな。


そこまで強くない

月曜日に人あたりしたんだと思います。運転するときにマンボかけないと元気が保てないほどへろへろになってたんですが、昨日誰とも会わずにゲラだけやってたら体調は良くなりました。食材を見事に食べ尽くしたのでスーパー行かなくては。

数日前「こういうときに無理するとパソコンが壊れたりする」と言ったらほんとにマウスが壊れた。それ以外にもディスクドライブの不具合がちょっと前からあってFMの選曲が面倒なので、修理に出すことにした。MacBookもあるし、原稿はゲラで手作業だし、作らなきゃいけない書類は昨日終わらせたので助かりました。阪神もフィアットもアップルも似たようなもんだと思ってます。

取材や打ち合わせなどで予定が詰まってしまい、ゲラや講義の予習をする時間がとれそうになかったので、泣く泣くザスパ戦にやってくる兄の送迎と宴会を断念しました。きょうだいだから似てるんですかね、こちらが下手に出れば「これが連勝への呼び水となる」「来年は草津戦はないから」と言う兄貴。来年試合がないというのは、ザスパが昇格してFC東京が取り残されることを心配しているのかもしれませんが、ウチの弱さは本物だから来年も試合はありますよ。J2でゆっくりしていってください。義姉からは「こしあぶら、いえお会いできなくて残念です」とメールが来ました。


久々にピースライト購入。初めて天然の舞茸食べたときくらいの感激を味わう。このところクールも結構好きになってたんだけど。

くたびれたんで、今日は仕事しかしません。


東京てんこもり

昨日は朝から出かけて、まず法政の講義。作品研究の発表第一回(2名)。一人20分の発表〜学生同士の質疑応答、私の講評という流れですが、画期的なアプローチや、後期の作家研究に繋がる要素が見受けられました。説明不足な部分、異なる意見など、全員でいい議論ができたと思います。前期のこの段階では、完成度よりも取り組みの大胆さと真剣さに重点を置いているので、その意味でいい発表でした。

その後文學界打ち合せ。年末頃から(雑誌のスケジュール次第)「離陸」の連載を始めます。デビュー直後から担当者と相談してきたものなので、構想8年ってやつですか。何度かやろうとしたけれど力不足で始められなかった小説を動かして行きます。実はこの小説のプロットに関して、去年伊坂幸太郎さんにお会いしてアドバイスをいただきました。第一話はかなり具体的になってきましたが、その後が難しい。いろいろ勉強もしなくちゃいけない。

それから講談社で、群像の短編の打ち合せ。以前あった仙台を舞台とする小説の企画は安易に震災を扱いたくないため、一旦中止しました。それとは全く違うオーソドックスな短編を書いていくプランをたてています。もう長いこと女性一人称の短編なんて書いてないので(殆ど男性一人称、もしくは三人称、たまに二人称だったので)、今書いたらどうなるのか自分でも楽しみ。

最後は群像新人賞の授賞式。たくさんの人とお目にかかりました。

今日は打ち合せがあり、片品に行ってきます。


行者ニンニクの洋風レシピ

行者ニンニクというのは、見た目はスズランの葉っぱみたいだけど、味はガーリック風味。ベーコンやキノコ、ブイヨン、トマトとの相性も抜群にいいのでパスタソースの仕上げにさっと火を通す程度に入れてもいい。厚切りのチーズをマフィンにのせて焼いたやつに挟んで食べても美味しかった。エビと一緒にオムレツにしてもいいだろうなあ。自宅でピザを焼く習慣があれば、それもすごく合うと思う。こんなに使い勝手がいいなんて知らなかった。

今日は引き続きゲラが仕事の中心。ほかに新人賞授賞式の講評作成、大学院の予習、文學界連載のプロットの検討。班長仕事では、道普請の出不足金(欠席者が支払うというきまり)を割って茶菓子を買い、班内の一軒一軒にお届けするという業務もある。私の場合、忙しいときはちょこまか寝て、ちょこまか起きるのが一番効率がいいので今朝は早起きしました、一段落したらまた仮眠とります。

ダ・ヴィンチのいつもの担当者からは恐縮するほど丁寧なお詫びをいただいた。代替案も出されたがこういったとき(こちらは休み関係ないけど、GWの祝日の依頼から始まったこと自体珍しい)に無理をすると、予想もつかない、誰のせいでもないトラブル(例えばパソコンが壊れるとか、電車が運休してしまうとか、犬が腹痛起こすとか)がかなりの高確率で勃発する。非科学的な考え方だけど、社会人時代から経験的にそう。改めて本来の書籍の関係で今後ともお世話になれればありがたいと返信した。


犬取材中止のお知らせ(お詫び)

すみませんがダ・ヴィンチの犬記事、中止とさせていただきました。楽しみにして下さっていた方にお詫びいたします。来月掲載の予定だったので日記に書いてしまいましたが、取材がきちんと終わってからご報告するべきでした。この点は私のミスです。申し訳ありませんでした。

理由は、担当者の対応に問題があったこと、自宅へ招いての取材であること、犬はプライバシーに属するものであること、などです。

いつもの担当者とは違う方で、面識がありませんでした。「19日までの間に複数の日程をあげてくれ」と言われましたが、そのまま取材日が決まらずほったらかし。こちらも予定を出してしまった以上、ほかの予定が入れられず、職人だったら手待ちが発生するレベル。確認の電話をしたら、「あー」とか「うー」とか「困ります」とかでまともな話が全くできない、そんな人を自宅に招くことに危機感を感じたため、お断りしました。

ヒカシューは好きなんだけど、仕事の電話の呼び出し音にヒカシューはねえだろ、プライベートでやれよ、とも、思いました。


空飛ぶ納付書

先日、固定資産税の納付書がクルマのドアを開けたとたん強風に煽られて飛んで行ってしまい、いくら探しても一枚だけみつからない。昨日役所に行って「風に飛ばされまして」とワケを言って再発行してもらい、納税してきました。丁寧に対応してくれたけど、陰で「こーゆー、おーかバカげな奴がかなっらずいるんだだぃねー」と笑われてるんじゃないか。ああ恥ずかしい。

憧れのクルマをネットで見つけました。ピアジオのポーターってクルマです。手に入りませんので買う予定はありませんが。イタリアで生産しているダイハツ・ハイゼット、つまり左ハンドルの軽トラ。スペック見たら1700ccとかもある。顔もいかつくてかっこいいし、色なんか軽トラなのに赤とかオレンジ標準装備。決して街を走って目立ちたいわけではなく(ものすごい目立つでしょうけど)、これでキャンプとかワカサギ釣り行きたいなあって思っただけです。それほどまでにハンドルの位置気にするなら一人乗りのミゼットⅡでいいじゃんって考え方も、まだ捨ててません。

片品村某所のドライブインは、FMぐんま聞いてくださっていた縁で、二度目にしてもう常連。コーヒーを頼んだら、まずお茶と大根の漬け物とタケノコの煮物が出て来て、その後煮豆をつまみながらコーヒー飲んで店のご夫婦と気楽な話して、ハチミツ買って帰ろうとしたら、おみやげにほうれん草をいただいてしまいました。高原の農道や山道をドライブして片品に着いてからの一休みポイント。多分来週も行きます。


クロフネ来航?

雑誌「ダ・ヴィンチ」から犬の特集取材のオファーが来てしまいました。安定した封建制を築いていた我が家にクロフネ来航? しかも発売日が「不愉快な本の続編」が掲載される「新潮」の前日。誰にでも読んで欲しいタイプの小説ではないし、下克上時代が来るとも思えないが、精魂込めて書いた小説の話題がゼロで犬のことばかり人から言われたらやだなあ。これから散歩に行きますが、「おまえたちは秀吉にはなれぬぞ。一生草履取りだ。心得ておけ」と申し付けます。本当にサンダルとかを取られれば、そりゃあもう怒りますが。

今日は午前中ゲラ、午後片品。昨日と一昨日あれだけ高速が混んだら、もはや他県のクルマなんて残ってないだろうと思うけど、赤城北面を登る裏道、昭和村経由で利根川のあっちを通る裏道、いっそ沼田から高山村経由中之条に出て榛名を走破する大胆な道など検討し尽くしました。昭和村経由以外は裏道じゃなくてドライブとか山を攻めるって言うやつですね。天気がよくてヒマな日があれば、片品から水上までぐるっと回る道も走りたいです。


アイコンタクト始めました。

今年初めて冷やし中華が食べたいなと思ったけど、まだキュウリを買う気分じゃない。今は行者ニンニクを使ってあれこれ作るのが楽しいです。

犬どもの話。散歩の帰り道に気が済むと、やたら振り向いて私の顔を見ます。茶色が勝手に始めて、牛も真似するようになりました。ネットで見たら「アイコンタクトというのは大切なしつけ」らしいんですが、犬が好きで始めただけです。子供だったら「よそ見して歩くと危ないぞ」と言うかもしれないけど、放っておいたら茶色があやうく溝に落ちそうになりました。犬なんだからバカでもいいけど、そーゆーとこはちゃんとしろよ。

ツバメもぼちぼち帰って来てます。巣をかけてもかまわないけど、頼むから落ちないように施工してくれ。鳥なんだから。


図書館についての考え

後輩から質問され、以前から誤解されてるかなと思っていたこともあるので、図書館に関しての私の考えを書きます。私は文芸家協会をはじめとする団体に属していませんし、今までもこの先も、対談や選考といった仕事以外で、作家同士つるんでなんかするということには多分絶対にないので、他の人のことは知りません。これは私個人の考えです。

たまに「図書館で借りてすみません」というようなメールもいただきますが、私に関しては気にする必要は全くありません。ネット媒体についてはまた別ですよ。その話は今日はしません。まだ決まってないことが多すぎて面倒くさいから。

私自身も図書館育ちです。小学生や中学生が小遣いで買える本なんて限られていますが、あの時代の記憶力はすごいので「知る」ということだけでも価値があったと思います。「新刊を図書館で」ぜひ、どんどん借りて読んで欲しいと私は思っています。お一人様150円前後の印税で、ワタクシが損したなどとは決して思いません。(私にとっての問題は初版部数だけで、それ以外は考えているヒマがありません)。ない本については図書館相互で取り寄せが可能ですし、点字図書館についてはデビュー以来東京の方に全て寄贈していますので、各地の点字図書館とやりとりできると思います。

絶版の優れた本と新刊を同時に読み比べることができるのは、書店にはカバーできない図書館の良さだと思っています。私は欲しい絵を買ったことはないけれど、好きな展覧会があれば多くの人と同じよう見に行きたいと思っています。その一方でコンサート、ライブはキライでCDを聴く方が好きです。図書館で読んだ本を、後になって再読したい、自分の持ち物として手に入れて精読したいと思うかどうかは読者次第でもあり、作品次第でもあります。そしてストーカー行為以外の読者の自由なんて作者の知ったことじゃないのです。


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