Diary

図書館についての考え

後輩から質問され、以前から誤解されてるかなと思っていたこともあるので、図書館に関しての私の考えを書きます。私は文芸家協会をはじめとする団体に属していませんし、今までもこの先も、対談や選考といった仕事以外で、作家同士つるんでなんかするということには多分絶対にないので、他の人のことは知りません。これは私個人の考えです。

たまに「図書館で借りてすみません」というようなメールもいただきますが、私に関しては気にする必要は全くありません。ネット媒体についてはまた別ですよ。その話は今日はしません。まだ決まってないことが多すぎて面倒くさいから。

私自身も図書館育ちです。小学生や中学生が小遣いで買える本なんて限られていますが、あの時代の記憶力はすごいので「知る」ということだけでも価値があったと思います。「新刊を図書館で」ぜひ、どんどん借りて読んで欲しいと私は思っています。お一人様150円前後の印税で、ワタクシが損したなどとは決して思いません。(私にとっての問題は初版部数だけで、それ以外は考えているヒマがありません)。ない本については図書館相互で取り寄せが可能ですし、点字図書館についてはデビュー以来東京の方に全て寄贈していますので、各地の点字図書館とやりとりできると思います。

絶版の優れた本と新刊を同時に読み比べることができるのは、書店にはカバーできない図書館の良さだと思っています。私は欲しい絵を買ったことはないけれど、好きな展覧会があれば多くの人と同じよう見に行きたいと思っています。その一方でコンサート、ライブはキライでCDを聴く方が好きです。図書館で読んだ本を、後になって再読したい、自分の持ち物として手に入れて精読したいと思うかどうかは読者次第でもあり、作品次第でもあります。そしてストーカー行為以外の読者の自由なんて作者の知ったことじゃないのです。


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