「愛なんかいらねー」のゲラを待ちわびる。私は待つのが下手だ。気になって本も読めないし、飯も食えない、何も手につかない。でも、今日はそれがゲラを受け取ってからの集中力に結びついたので結果としては良かった。即日戻しで再校を待つ。速達を出して郵便局から出てくるときは久々の爽快感を覚えたが……しまった、また待つのか。

今日唯一食ったもの。トースト。旨かったなあ。

午前中、銀行と書店二軒、花の本と資料を買う。前にも書いたと思うけれど、私は鉢植えは苦手で、切り花派である。大胆な活け方は出来なくても、見せ方の工夫や、長持ちさせる技や、活け直しのポイントなどが読みたかったのだ。花が好きとか言って、ろくに花の名前も知らない。樹の名前と花の名前はもっと覚えたい。

夕方NAVI単行本打ち合せ。webエッセイの仕事もいただく。アップしたらまた報告します。

緊張感がなくなってきたのか、最近、空腹を感じるようになった。１年ぶりに一日二食になった。でも、ここで体重が元に戻ってしまったらせっかく買い揃えた服が勿体ないので、一食はヨーグルトやサラダを中心に食べる。ドレッシングもローファットにした。近所にプールはなさそうなので、たくさん歩く。以前とは好みが変わってきて、揚物を食べたい気持ちはあまりない。

手元に残ったエッセイを出す。どこも締切は月末だったからインタビュー含めて一斉にゲラが出るに違いない。前もって時間差で出しているのに、見苦しくばたばたするのは嫌だなあ。

エッセイのゲラを直し、１時間歩き、角川の掌編で悩む。
煮詰まっていても仕方ないので髪の色を変えた、残念だが変な色じゃない。少し明るくなった程度。同居人が染めてくれた。

ついに思い立って、延び延びになっていた角川の日帰り取材に出掛けた。ノートはたくさんとったけれど、物になるかどうかは全然わからない。

帰りの新幹線は、金曜午後直退オヤジの花盛り。時計を外し、靴を脱ぎ、もうゆるゆる。弁当を開ける、ビールを飲む、思い思いのつまみを取りだす。そんな嬉しそうにチーカマをひっくりかえしたり、駅弁のおかずに小首をかしげて頷いてんじゃないよ。とどめは、楊枝とタバコと同時にくわえて満腹のポーズ。やりすぎだ君たち。

と、書いたところで急な呼びだし。出張で東京に来たオヤジに飲まされて来ます。

夕べ、寒けがして少し風邪っぽいかなと思った。好きなコーヒーも飲みたくなかったので野菜ジュースの類をやたらと摂取して早寝。今朝は早起き、気分がよくなっていたので、どかどかエッセイを書いて送った。

昼から講談社にて週刊ポスト、Tarzanインタビュー。首都高がすいていて早く着いたので、勝手知ったる社食でサラダバーとパンを購入していると、某氏が全く同じメニューを持ってやって来たので和やか（賑やか）に会食。

メーカーで、受注して商品を出荷するまでの伝票のことを「注残」と読ぶが、やっとエッセイやインタビューの注残がはけてきた。新潮のゲラが来たら専念できる環境が出来て来た。

インタビューで日経新聞社へ。
大手町の出口はドヒャーっと言いたいくらい沢山あって却って判りにくいのでさっさと地上にあがる。大手町というのはなかなか来る機会のない場所だから、歩いていてとても面白い。徹底して遊び半分の人間がいないのが特徴だ。一応スカートにヒールで来て良かった。

昔いた建築業界でも、業者が集まるとお互い顔つきで「電気顔」だの「ガス顔」だの「サッシ顔」だのと判ったものだけれど、大手町は私の知らない顔つきが多い。「新聞顔」には慣れてきたので、多分「金融顔」じゃないかと思う。そして黒塗りのハイヤーばかり走っている。私の黄色いクルマは絶対この街に似合わない。
５時半に、インタビューを終えて出ると、昼間と違うことが一つだけあった。歩いている人々の顔つきが笑顔に変わっていた。

些細なことが気になって面白くない日だった。酒飲んで寝た。

マティス展を見に行く。年末のアメ横のような人の多さだったが、学生時代ポンピドーで見て以来の絵も、はじめて見る絵もあった。見ていてとても気分がよくなった。

上野は東京の中では好きな街。衝動買いもせずにぶらぶら歩いて、それから電車に乗っていつもの店へ行く。

ここのところ調子が悪かった８９年製の掃除機がついに壊れた。就職して一人暮らしを始めて買った初代電化製品の最後の生き残りであった。ちょうどだぶっていたので同居人の８８年製掃除機に一本化する。しかし、掃除機というものはもうちょっと静かにならんかね。掃除は好きだが、あの「むおーんむーむー」という音が嫌いだ。エアコンくらいの音にならんものかといつも思う。数年前、実家で買い替えたやつも結構いい音してるけど、最近の掃除機は少しは違うんでしょうか。
新作に手をつけるには中途半端だし、ゲラが返って来るまで、掃除とエッセイばっか。頼むよ年末進行。

夜は鍋を囲む予定。