Diary

今年の振り返りなど

あまり日記を更新できずすみませんでした。
 
夏までは体調が悪かったのですが、秋になって復調しました。
経済的に厳しいため外飲みを減らし、晩酌も殆どしなくなりました。友人たちが家に来てバーベキューや鍋をやったり、出かけていって一緒に飲んだりするのは楽しくて、こんな感じでいいのかもと思っています。
  
今年、やり甲斐を感じた新しい仕事は、高崎経済大学の授業でした。準備は大変だったけれど毎週学生たちに学ぶものも多くて楽しみでした。来年も半期の非常勤ですが担当します。
夏からは富山の北日本新聞でコラムの連載が始まり、取材を通して富山のあたたかく真面目な方々と知り合うことができました。富山はすばらしく魅力的な場所ですが、帰ってきて赤城や榛名を見るとなんとも言えない嬉しさ、愛着を改めて感じます。
FMぐんまではビタミンカフェ(隔週水曜)が9年目になりました。田中アナが二度目の産休に入り、新しく佐藤理香さんとのコンビが始まりました。
 
本業の小説ですが、新潮の「薄情」と、不定期掌編(「別所さん」や「コノドント展」など)を連載しつつ、文藝の中編をすすめています。同時に、ずっと先に書くべきものの検討もすすめなくてはと思っています。
茶色と牛は、冬になってますます元気で、よくふざけます。
 
今年もお世話になりました。どうぞ良いお年をお迎えください。


第11回絲山賞

今年読んだなかで一番すばらしいと思った本が、
宮部みゆきさんの「荒神」(朝日新聞出版)でした。
第十一回絲山賞をさしあげたいと思います。
 
宮部さんの時代小説は以前から大好きで出るたびに楽しみにしてきたのですが、江戸時代の二つの藩と「怪物」というダイナミックなテーマを扱いながら、これまで以上に魅力的な人物たちが細やかに、生き生きと描かれていました。登場人物のひとりひとりを友達に紹介したいくらいです。
物語は終わっても、こんなにも丁寧につくられた作品が自分の手元にあることが嬉しい、と心から思いました。
お正月の読書に、ぜひ!


「離陸」のパブリシティが一段落してからは、近距離の取材をいくつかすすめていました。
11月売りの「薄情」の風景描写のために嬬恋に行き、昨日は来年の文藝に一挙掲載する小説の取材で昔住んでいた西小山から武蔵小山界隈を見てきました。舞台となる場所でその人物のものの見方や考えの癖を追っていくことで、構成と内容が大きくすすみました。
 
12月売りの新潮新年号は、「薄情」をお休みする代わりに、不定期ですすめているシリーズの掌編を掲載します。大間々の「コノドント館」を再訪してひとつモチーフをいただいたので、「コノドント展」というタイトルとしました。掌編の舞台は大間々や県内ではなく架空の場所です。
「薄情」は1月売りより再開します。


高崎東高校に行ってきました

開校記念式典の後、1時間半ほど話をしてきました。
準備のメモは見ますが、私はプリントやパワポは使いません。自分も相手も気が散ってしまうからです。(大学ではたくさん板書をします)
今日は一人一人に話しかけるつもりで、たくさんの質問やイメージを使い、意見を聞く代わりに挙手をしてもらいました。約500人の生徒さんがどのように受けとめてくれたかはもちろんわかりませんが、いろんなことを一緒に考えてもらえたように思います。真剣なまなざしがたくさんこちらに向いていることを感じました。説明が足りなかった部分への勇気ある質問にも、生徒会長からの謝辞があらかじめ用意したものではなくて私の話を聞いて考えてくれたものだったことにも感激しましたし、帰りにすれ違った生徒さんが皆、明るく挨拶をしてくれたのもとても嬉しかったです。
 
これまで年上の方や同年配の人から群馬のことや暮らしのことをたくさん教えてもらってきましたが、地域への感謝の気持ちは、こういったかたちで若いひとたちに自分なりにお返ししていくこともできるのかもしれないと思いました。また機会があれば高校生の考えや意見を聞いてみたいです。いい印象をいっぱいいただいて、家に帰りました。ありがとうございました。


東京堂書店 トークイベント御礼

東京堂書店での安藤礼司さんとのトークイベント&サイン会にお越し下さった方にお礼申し上げます。聞いて下さる方々の表情に励まされたり、メモを取って下さる方の多さや質問の的確さに「すごい人たちに読んでいただいているんだな」と感心したり、私にはとても充実した時間でした。ありがとうございました。
 
今回は新聞・雑誌取材や台風の心配もあったので、犬連れで前日に来て実家に泊まりました。犬どもは実家では散歩以外「借りてきた犬」のように大人しくしておりましたが、散歩中に騎馬警官を見たときには「ぎょえっ!」となっていました。仔牛や山羊に会ったことはあるけれど、犬から見た初めての馬というのは、怪物みたいなものかもしれない。
 
帰ってきて明日は、高崎東高校での講演があります。「それぞれの社会観」というタイトルです。価値観と社会観の違い、それらの尊重とはなにかを具体的な質問で生徒さんたちに挙手してもらいながら話し、そのあと「なんで大人は若者に読書をすすめるのか、本ってなんだろう」ということについて、考える時間にしたいと思います。私はこんな仕事をしていても人に「本を読め」とは言いたくないタイプなのですが、あれこれ考え、わかりやすく話せるかどうか悩みながら準備をすすめました。


富山取材

10月、11月掲載の北日本新聞「I×TOYAMA サイコロの旅」の取材で、富山に行ってきました。お会いした方々はとても親切で、いろいろなことを丁寧に教えてくださいました。皆様、ありがとうございました。
 
高崎市から富山市まではおよそ350キロ、距離的には東京ー名古屋とほぼ同じ。上信越道から北陸道というルートで行きますが、慣れてくればそんなに大変とは感じません。初日は早めに着いたので、ナビなし地図なしで市内をうろつき、地元人から「鍋田のびっくりガード」と呼ばれるコアな場所に出会ったりしました。富山は、太陽のほかに、立山、国道8号と41号があるので少々迷っても安心です。家に帰ってから地図帳を見て答合わせをするのが楽しみなのです。次回はまだ車で行けるかな。雪の季節は越後湯沢からほくほく線になります。春の北陸新幹線の開通も楽しみです。


前橋のサイン会、ありがとうございました

昨日の、紀伊國屋書店前橋店さんでのサイン会に来て下さった読者の方々にお礼申し上げます。「地元」でのサイン会はとても和やかな雰囲気でした。ラジオのリスナーさんが多かったのですが、同じ時間を過ごしている方々(そして私のアホところや変な音楽の趣味も知られている)と会えてよかったです。
県外の方も何人かいらっしゃいました。群馬に来てくださって嬉しかったです。
ほんの少しの時間でしたが一人一人とお話をして、食べ物や車、仕事のことなど、さまざまに共有しているものがあることを教えていただきました。いただいたメッセージも大切に読みました。
そういえば、犬のことも聞かれました。茶色も牛もとても元気です。
 
書いているときは自分一人だと思いがちですが、本を通してすてきな方々と繋がっていると思えるとてもいい機会でした。本当にありがとうございました。


トークショー、サイン会のお知らせ(東京)

新刊「離陸」に関しまして、東京・神田の東京堂書店さんでのイベントが決まりましたのでお知らせします。
「時空を超える小説世界」というタイトルで、文藝評論家の安藤礼二さんとトークショーを行います。
安藤さんとお話すると思ってもみないような深い文学の話になりますが、ご一緒していてとても楽しいので、きっといいイベントになると思います。
概要、お申し込み方法は下記となります。どうぞよろしくお願いいたします。
 
 
開催日時:2014年10月6日(月) 19時~(開場18時30分)
開催場所:東京堂書店神田神保町店6階 東京堂ホール
参加方法:参加費800円(要予約・ドリンク付き)
店頭または電話・メール(shoten@tokyodo-web.co.jp)にて、「絲山さん安藤さんイベント参加希望」とお申し出いただき、名前・電話番号・参加人数をお知らせ下さい。
電話 03-3291-5181


サイン会(群馬)のお知らせ

11日発売の「離陸」(文藝春秋刊)のサイン会のお知らせです。
9月23日(火・祝)14時〜 紀伊國屋書店前橋店さんにて行います。
地図等はこちらです。
県内では久しぶりのサイン会です。いつもラジオや新聞などでお世話になり、本当によくして下さる皆様と直接お目にかかるのを楽しみにしています。
 
都内では10月に東京堂さんでイベントをさせていただくことになり、予定を調整しているところです。こちらも決まり次第お伝えします。


更新が遅れて申し訳ありませんでした。体調を崩しておりましたがやっと少し回復が感じられるようになってきました。
 
お知らせをいくつか。
・長編小説「離陸」(文藝春秋)単行本が9月11日発売となります。サイン会につきましては、改めてお知らせします。
・北日本新聞(富山県)で「I×TOYAMA サイコロの旅」の連載が始まります。富山県にお邪魔して、エリア×テーマの組み合わせで取材をします。掲載は月一度、一年間の予定です。初回は8月25日(月)です。
・9月7日売りの新潮の「薄情」は休載とさせていただきます。
・9月より、群馬県文化審議会委員を務めることになりました。


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