Diary

訪問日和

実家でいろいろ用事を済ませ、カーテンだの布巾だの、群馬に持っていくものをカバンに詰め込んでから講談社へ行き、小説現代/絲的メイソウ数回分の打ち合せ。もう逆さにして振ってもネタが出ないかと思っていたが、まだまだ書けそう。群像と取材の話もできたり書籍担当者からエッセイのアドバイスを受けたり、やっぱり出版社を訪問すると大きな収穫があるなあ、と思った。


群馬のアパート

先日群馬に行ったとき、窓から山が見える角部屋を見つけた。簡単そうに聞こえるが、東京と違って南向きの物件ばかりで、南に大した山はないから、探すのは案外難しかった。かつてサラリーマンのとき、車を二台持つという生意気なことはやったことがあるが、家二軒というのはさすがに初めてで、こんなことやっちゃってほんとにいいのかよ、と内心びびってはいる。
けれども、ローン組んでマンションを買う人とかとは比べ物にならないし、生活が立ち行かなくなったら家賃の安い群馬のアパートに移ればいいと思う。現状、あくまで本拠地は東京で、月にどのくらい行けるかはわからない。
NTTとADSLの手続きを電話でして、木製のテーブル一個購入。あとは折畳み椅子と最低限の食器とかを車で持っていって、FAXとプリンタを準備すればすぐ仕事は出来る、寝るのなんて最初はグラウンドシートと寝袋で十分。それで不満なら車で寝ればいい。

今日は作品社と会う。


第一稿の恐怖

原稿は、編集者に最初に見てもらうときが一番怖い。まだラフだけれど自分ではしまい込んでいられなくなったものを編集者に見てもらうとき、全然ダメなんじゃないか、自分にしか内容がわかってないんじゃないか、箸にも棒にもかからないんじゃないかと、本当に気が気でない。もちろん直していくし、ダメなら一から書き直すか、別のものを書くしかないんだが。送ってすっぱり忘れられるほど私は腹がすわっていない。
そういうときに限って届くのは屑メールばかり。

夜は、徳大寺有恒さんとの対談。単行本「スモールトーク」巻末に載ります。


終わりのない仕事

今日、友達が帰った。すかさず合評のゲラのFAXと4月中旬の次作取材のメールをくれる講談社、手際良すぎ。まあ、友達がいる間も結構ほったらかして仕事してたけど、いざ一人になってみると案外集中力がなかったりする。手持ちの仕事が全部終わる、というのはとりあえず、ありがたいことだが不可能に近いので、集中しようがしまいがずるずるいつでも仕事をしている。


寝袋暮らし

リビングのソファの寝袋にもぐりこんで寝る生活も一週間を越え、そこそこ慣れてきた。私はどのみち眠剤を飲んでいるからどこだろうが、暑かろうが寒かろうが眠れるのだけれど、寝袋で寝るのは楽しい。たわいもないことだが内側からチャックを閉められることが嬉しいのだ。「ああこれで今日もお終い」と思いながら袋の中に自分が収納されてしまうと、瞬時に眠りに落ちる。


大好きだけど教えない。

もう朝酒はしないと言っていたのにやっぱり朝から友達とちょっとだけビールを飲んで、午後から外でゲラとか新作とかをやって帰ってきて、家でゆっくり美しい小説に酔いしれる、結構幸せな日。

この人の本を読むのはまだ3冊目なので全部好きかどうかはわからないが、ひとつの文章を何度でも頭の中で朗読してみたい思いと、先へ先へと読みすすめたくてもどかしい気分と、もう本の残りのページが少ないのが勿体ない気持ちと、読み終わった後の余韻とがいつも味わえる。唯一の不満は、ずいぶん前に出たこの素晴らしい本がなぜまだ二刷なんだ! ということ。
でも、だれかれかまわずすすめることはしない。本当に好きなものって、そんなものかもしれない。


自炊の掟

小説すばる打ち合せ。連作のテーマなど模索する。タイトルは早速決まる。でも、また後で変わるといけないので今は秘密です。

連日ちょっとご馳走を食べ過ぎたので今夜はパスタと海老のガーリック焼き。一回で使いきる材料なら自炊してもいいという掟。


おやじのこと

朝日新聞・日曜版「おやじの背中」インタビューを受ける。4月最初の方に出る予定。自分のことを話すのはいいけれど、父親のことを話すのは少し緊張する。あらかじめ記事に関する了解は取ってあるものの、こんなに話して叱られないかな、と気になってしまう。やっぱりおやじは怖いのだ。


さびしい自転車と初めての対談

自転車のことは、雨の日に限って思いだす。コーヒーが切れたりすると、あー自転車があったら買いにいけたのに、と思う。晴れた日には歩いて買いに行くのに。うちの自転車、きっとさびしい思いをしています。

午前通院。夜対談。
群像合評は対談とは少し意味が違うので、実は初対談ってことになる。対談相手である書店員さんからの指名とのことでちょっと誇らしい。掲載はきらら(小学館)5月号の予定。


3倍ラーメン

辛いものが好きだ。
家の近くに中華料理屋があって、そこに辛いラーメンがあるんだけれど、先日ふつうに頼んだら物足りない思いをした。今日ははりきって3倍にしてもらう。大汗かいてスープを飲み干してかなり満足。標準より3倍の方が美味しく感じるのは、味そのものが違うというよりも、心の準備は出来ちゃってるんだから思う存分やってくれ、という気持ち的なものも大きいのだろう。友人は5倍を頼んで善戦していたが、さすがにスープは飲みきらんやった。10倍は無理だろうなあ。辛いラーメンが、「つらいラーメン」になりそうだ。箸休めのチャーハンもしっかり平らげ、ストマック拡張は順調だ。


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