2015/4/11 土曜日
犬の散歩でよく行き合う近所のおじさんに「絲山さん、群テレやめて失業しちゃったねえ」と言われました。いろいろ間違ってるんですがちゃんと伝わるし、リスナーの方々から気にかけていただいて感謝してます。
一応ですが、まだ失業はしてません。発売中の文芸誌では新潮が「薄情」、文藝が「小松とうさちゃん(前編)」、5月売りの新潮では掌編シリーズ(各回の設定が必ず矛盾するめんどくさい造りの連作)で今回「寺院船」というのを書きました。明後日から高経大の授業が始まり、翌日から富山出張です。
この春は、友人知人の仕事関係でとてもいいこと次々あって、一緒に喜んでいます。私は特にいいことないですが、1年続けたネトゲをやめました。
2015/4/2 木曜日
ガラケーがついに壊れて仕方なくスマホ買いました。個人的にはいつまでもパカパカしてたかったんだけど、小説の登場人物が老いも若きも皆ガラケーを使い続けてLINEなにそれ?という状態では原稿に支障があるので泣く泣く切り替えました。
初日は昔のiBookかってくらい設定に手間取り、電話ごときが生意気なと腹を立てて利根川に投げ捨てたくなりましたが、一応慣れました。スマホに替えたところで使わないし、むやみに人と繋がろうとしないのは変わらないんですけどね。
昨日は河出書房新社で「小松とうさちゃん」後編の打ち合わせ。打ち合わせはとても充実して良かったんだけど、すぐそばの神宮球場から六甲おろしが聞こえてきて、試合見に飛んでいきたくなりました。
2015/3/19 木曜日
FMGリスナーの皆様
昨日のビタミンの最終回、聴いて下さってありがとうございました。クオリティの高いネタもありがとうございました。だいたいいつも2時間で150通くらいはメールいただいてるんですが、昨日はその2〜3倍くらいあったんじゃないかな。群馬からいなくなるわけでもないのに、こんなに惜しまれて番組を終われる私は幸せ者です。あと泣いたり湿っぽくならずに終われて、よかった。8年半、ほんとうにありがとうございました。
ビタミンカフェは終わりますが、いつかまた何かで出ることもあるかもしれないのでそのときは遠慮なくいじってやってください。
昨日の「諸国漫遊」で発表した、絲山が選ぶ群馬50選をこちらに貼っておきます。あくまで個人的な好みですが、県外の方にも断然おすすめしたいことばかりです。
そして、すごく大事な項目を忘れてました。尾瀬です。尾瀬と山中千尋さんは別格です。
以下、ずらずら貼ります。
1.FMGリスナーと群馬人の性格
2.山々 上毛三山と谷川武尊白根、岩櫃ほかたくさん
3.温泉 四万、しゃくなげの湯、その他たくさん
4.野反湖VS吹割の滝
5.旬の取れたて野菜 産直VS自家菜園、
6.矢木沢・奈良俣ダム
7.甘楽町の楽山園と街並み、雄川堰
8.片品のトマト、下仁田ネギ、倉渕の生きくらげ、手作りこんにゃく
9.オール群馬産食材で作るすき焼きとかサンドウィッチとか
10.渡良瀬渓谷鉄道
11.里山の風景
12.神社 榛名、貫先、倉賀野
13.水 湧水も水道水も
14.峠 二度上げ、地蔵、碓氷旧道などなど
15.高崎オランダコロッケ、高橋の若鶏、板倉のなまずたたきあげ
16.高校野球の盛り上がり
17.桐生の骨董市
18.定食屋さん 中之条すずらん飯店、高崎一二三食堂、前橋松葉屋
19.嬬恋〜草津パノラマラインVS昭和〜沼田〜水上望郷ライン
20.上野村いのぶた、上州牛、群馬産の豚肉
21.赤岩の渡し(千代田町)VS島村の渡し(伊勢崎)
22.南牧村のとらおのパン&しそみそVS安中まなぺこ
23.どこに行っても駐車場が広い!無料が多い!
24.神津牧場 場所もすばらしくジャージー牛が可愛く、乳製品、肉製品なども最高
25.道祖神祭のやぐらがかっこいい!
26.リンゴのぐんま名月VSプラムの太陽
27.交通の要所、アクセスの良さ
28.酒 ふくろかん、水芭蕉、誉国光、船尾瀧その他たくさん
29.赤城北面・南面道路
30.ワカサギ釣り
31.山口薫さんと池田政治先生
32.古墳 保渡田古墳群その他たくさん
33.こだわりの車がけっこう走ってる&信頼できる腕のいい整備屋さんが多い
34.キノコ、山菜VSジビエの数々(いのしし、鹿、熊)
35.産直で聞く群馬弁
36.花火大会多すぎなところ!
37.沢田の漬け物VS手作りたくわん
38.車の運転をめんどくさがらない!
39.片品天王桜 県内移動する桜前線
40.スバル車
41.おっきりこみ、焼き饅頭、伊勢崎もんじゃ、太田のやきそば
42.スキー場が近くてたくさん
43.三大梅林
44.華蔵寺公園の観覧車VS桐ヶ丘動物園
45.ひするまキャンプ場
46.富岡製糸場と絹遺産群
47.昼寝の名所(安中榛名駅、岩室公園、新幹線ガード下)
48.うどんを打てるひとが多い
49.スーパーまるおか
50.交通情報センター古谷さんVSぐんまちゃん
時間の都合で100選まで出来ませんでした。あとの50は、皆様のお好みで入れ替え、埋め尽くしていって下さい。
「群馬を好きになってくれてありがとう」と、はじめて会ったひとからもよく言われます。私もこの十年間で、他県から群馬に来て下さる人に心から「来てくれてありがとう」と思えるようになりました。
2015/3/14 土曜日
北日本新聞の担当記者が家に遊びに来る夢を見ました。
「私、今日は帰りません」と言われて目が覚めたら、締切が迫っていました(半分くらいは書いてあったんですが)。
今までたくさんの編集者に担当してもらいましたが、夢でやんわりと催促されたのは初めてです。
お陰で今月も期日3日前に書き終わり、少しだけ余裕ができました。
新潮は4月がGW進行のため、4月売り5月号は「薄情」を、5月売り6月号は連作の掌編を掲載します。
先日の打ち合わせで、どちらもいい手応えを得たところです。
2015/3/4 水曜日
解禁になったので。
FMぐんまのビタミンカフェは、開局30周年の番組改編により3月までで終わりになります。私が出るのは今日と18日。
自由にいろんな企画もやらせてもらえたし、選曲も好き放題だったし、生放送だったし、リスナーは最高だったし、幸せな8年半でした。そんなわけで今日はtheピーズ特集、18日もフルで好きな曲かけます。
ラジオは大好きなので、今後もどこかで機会があればぜひ出てみたいと思っています。毎回在来線で都内まで来いとか、ギャラが手ぬぐい2枚とかでなければ。(実際にあるんですよ、そんな局)
2015/3/2 月曜日
2014ツイッター文学賞で「離陸」が5位に選ばれたと、読者の方が教えてくださいました。
とても嬉しく誇らしく思います。ありがとうございました。
4月7日発売の文藝で、「小松とうちゃん」という小説の前編を掲載します。後編は7月7日売りです。さっき原稿仕上げたところ。「小松」と「うさちゃん」は、以前の文藝の掌編「飛車と騾馬」で書いたおっさん二人組です。これと「薄情」が今年の単行本になるんじゃないかと思います。文庫は「不愉快な本の続編」の予定がありますが、まだ少し先です。
※アップしたとき発売日間違えてましたので訂正します。4月7日が前編、7月7日が後編です。
2014/12/28 日曜日
あまり日記を更新できずすみませんでした。
夏までは体調が悪かったのですが、秋になって復調しました。
経済的に厳しいため外飲みを減らし、晩酌も殆どしなくなりました。友人たちが家に来てバーベキューや鍋をやったり、出かけていって一緒に飲んだりするのは楽しくて、こんな感じでいいのかもと思っています。
今年、やり甲斐を感じた新しい仕事は、高崎経済大学の授業でした。準備は大変だったけれど毎週学生たちに学ぶものも多くて楽しみでした。来年も半期の非常勤ですが担当します。
夏からは富山の北日本新聞でコラムの連載が始まり、取材を通して富山のあたたかく真面目な方々と知り合うことができました。富山はすばらしく魅力的な場所ですが、帰ってきて赤城や榛名を見るとなんとも言えない嬉しさ、愛着を改めて感じます。
FMぐんまではビタミンカフェ(隔週水曜)が9年目になりました。田中アナが二度目の産休に入り、新しく佐藤理香さんとのコンビが始まりました。
本業の小説ですが、新潮の「薄情」と、不定期掌編(「別所さん」や「コノドント展」など)を連載しつつ、文藝の中編をすすめています。同時に、ずっと先に書くべきものの検討もすすめなくてはと思っています。
茶色と牛は、冬になってますます元気で、よくふざけます。
今年もお世話になりました。どうぞ良いお年をお迎えください。
2014/12/23 火曜日
今年読んだなかで一番すばらしいと思った本が、
宮部みゆきさんの「荒神」(朝日新聞出版)でした。
第十一回絲山賞をさしあげたいと思います。
宮部さんの時代小説は以前から大好きで出るたびに楽しみにしてきたのですが、江戸時代の二つの藩と「怪物」というダイナミックなテーマを扱いながら、これまで以上に魅力的な人物たちが細やかに、生き生きと描かれていました。登場人物のひとりひとりを友達に紹介したいくらいです。
物語は終わっても、こんなにも丁寧につくられた作品が自分の手元にあることが嬉しい、と心から思いました。
お正月の読書に、ぜひ!
2014/11/1 土曜日
「離陸」のパブリシティが一段落してからは、近距離の取材をいくつかすすめていました。
11月売りの「薄情」の風景描写のために嬬恋に行き、昨日は来年の文藝に一挙掲載する小説の取材で昔住んでいた西小山から武蔵小山界隈を見てきました。舞台となる場所でその人物のものの見方や考えの癖を追っていくことで、構成と内容が大きくすすみました。
12月売りの新潮新年号は、「薄情」をお休みする代わりに、不定期ですすめているシリーズの掌編を掲載します。大間々の「コノドント館」を再訪してひとつモチーフをいただいたので、「コノドント展」というタイトルとしました。掌編の舞台は大間々や県内ではなく架空の場所です。
「薄情」は1月売りより再開します。
2014/10/10 金曜日
開校記念式典の後、1時間半ほど話をしてきました。
準備のメモは見ますが、私はプリントやパワポは使いません。自分も相手も気が散ってしまうからです。(大学ではたくさん板書をします)
今日は一人一人に話しかけるつもりで、たくさんの質問やイメージを使い、意見を聞く代わりに挙手をしてもらいました。約500人の生徒さんがどのように受けとめてくれたかはもちろんわかりませんが、いろんなことを一緒に考えてもらえたように思います。真剣なまなざしがたくさんこちらに向いていることを感じました。説明が足りなかった部分への勇気ある質問にも、生徒会長からの謝辞があらかじめ用意したものではなくて私の話を聞いて考えてくれたものだったことにも感激しましたし、帰りにすれ違った生徒さんが皆、明るく挨拶をしてくれたのもとても嬉しかったです。
これまで年上の方や同年配の人から群馬のことや暮らしのことをたくさん教えてもらってきましたが、地域への感謝の気持ちは、こういったかたちで若いひとたちに自分なりにお返ししていくこともできるのかもしれないと思いました。また機会があれば高校生の考えや意見を聞いてみたいです。いい印象をいっぱいいただいて、家に帰りました。ありがとうございました。