2009/8/25 火曜日
検査通院。術前検査(1ヶ月以内にするもの)で、心電図、採血、採尿、レントゲンで待ち時間も殆どなくスムーズに済んだ。来週PET(がん検査)を受けて検査は終わり。
日高敏隆選集がやばいくらい面白くて、北海道に行くときも羽田どころか行きの新幹線の中で「人間はどういう動物か」を読み終わってしまった。今日は「動物という文化」を待合室で読んでいて、早く呼ばれてしまうのが不満なほどだった。
内容がいいのはもちろんだが、文章が面白くて読みやすく、考察されていることがユニークなのにわかりやすく、興味を持ちやすい。「動物行動学」なんて全く触れたことがなくても、お菓子のパッケージの説明を読むのが好きな人だったらこの選集に手を出して後悔しない、と勧めたいくらい親しみやすいのに、中身はものすごく「高級」なのだ。
(もともと文学より生物学の本が好きだったので、余計そう思うのかも)
全8冊、残りは入院のお楽しみにしようと思っている。
2009/8/24 月曜日
もうすっかり秋。いい風が吹く。
そして始まりました、空砲の季節。
稲刈りシーズンの害鳥対策なんだけれど、不規則に「どん!」とやられるたびに、クーデターか! と、カギ括弧を閉じなかったり、不要な改行をしてしまう私は害獣か。
牛犬はのそのそ歩いているが、茶色を見てないな、と思って行くと、犬小屋の奥に固まってました。
散歩に連れ出しても、初めてだなー、あんなに私の後ろに隠れる茶色。牛は全然平気。
帰ってきてからは紐をめいっぱい引っ張って縁の下にもぐりこんでます。
今日は書いては消しての繰り返し、原稿は枚数的には殆どすすまなかった。
2009/8/23 日曜日
今日明日は、犬の缶詰、と書きそうになってしまった。
正しくは私が自宅カンヅメで、犬の散歩以外は外出しないということ。
気合い入れて書くぞ、となったら、まずやることは食糧、飲み物の確保。
昨日の晩、スーパーに行って大量に買い出しした。
滅多に見ない生キクラゲ(某村で採れることは知ってるんだけど)を処分品で買ったので、今日の昼食の焼きビーフンに入れていただきました。肉厚で、ぷるぷるこりこりな歯ごたえでした。
「下戸の超然」調べ物をしつつ大事なところからあちこち書いて、今日は10枚。冒頭の文章は決まらないけれどラストは書きあげた。以前に作っていた設定も、良くないところや100枚でまとまらない部分は捨てた。できればこれも入院前に何とか形を作ってしまいたい。
明日もがんばります。
群像のゲラが今日までだった。おおよそやってあるので、これから見直します。
2009/8/22 土曜日
木、金と帯広出張でした。
木曜は、NPO主催の「未来の帯広競馬場デザインコンテスト」の審査をしました。ばんえい競馬は、非常に面白くてユニークなレースでありながら開拓の歴史・文化遺産という重要な面も担っています。しかし多くの地方競馬と同じように、現在存続の危機にあります。帯広という都市の将来を真剣に考える人々の話を聞いて、得るものが多かったです。
夜はオトコマエで楽しい騎手の方々と飲んで、競馬場でテント泊(これは私の趣味)。憧れの北海道キャンプは土砂降りでやたら蒸し暑かったです。長靴持っていってよかった。朝は橇を引く馬のいななきと馬具の音で目覚めるという気持ちのいい目覚めでした。
金曜は北海道新聞のインタビューを受けた後、野性時代の対談連載「しごとのはなし」で、以前から親しくさせてもらっている調教師の谷あゆみさんに、調教師の仕事のことを伺いました。11月売りで掲載されます。
厩舎では好きな馬と会えてべたべたできて嬉しかったです。
いろんな人と会って話して、すごく充実した2日間だったので、夜の飛行機では当然寝る予定でした。しかしなぜか「下戸の超然」が動き出して、動き出したらそのときに書かないと失われてしまうのでノートにすごい勢いで書いて疲労困憊しました。
羽田着は夜10時。そこからバス。高崎駅着は午前1時。
犬の散歩がないのをいいことに、昼まで寝ました。
夕方、犬を迎えに行きます。帰るのやだ、って言うかなあ。
2009/8/19 水曜日
今日から二匹は犬の実家へお里帰り。
クルマに乗せると茶色は好奇心50%、嬉しさ30%、不安20%という感じ、牛は怖さ100%で涎だらだら。(まだキャンプは無理か)
あと200メートルくらいのところで、茶色が故郷を嗅ぎつけて、表情が変わった。窓から突き出した鼻先がちゃんと実家を向いている。
5月末に、家庭訪問を受けたときには喜んでいた母犬が、今回は唸る、怒る(攻撃はしない)。忘れちゃったのかな。茶色と牛は怒られてもお腹を出したり、這いつくばったりしてすり寄っていく。
母犬と兄犬は毛づやがよくて、触って気持ちいい。食べているのはうちと同じドッグフード。量が足りないのかな。
よしずの陰の気持ちのいい場所に繋がせてもらったら、二匹ともすっかり寛いでいた。
軽く近所を散歩して私が帰ろうとすると、茶色がご機嫌な顔で「またきてねー」と尻尾ぶんぶんで見送っていた。落ち着かなくて鳴かれるよりいいけれど、一人で帰る私はちょっと寂しかったよ。
帰ってきたらゲラが二カ所から来てました。
2009/8/18 火曜日
立川の精神科に通院。腫瘍の手術について経過と結論を報告。先生は外科手術と精神科の治療の違いについて面白く話された。片道2時間半のドライブで笑いに来たみたいだった。
肝心の診察の方は前回の減薬がうまくいったことも含め、
「今の様子だと躁うつが来そうな感じはないですよ」と太鼓判を押してくれて、ほっとした。
運転していたら「下戸の超然」の、主人公の周辺のことが降ってきたので、急いで帰って書いた。文体らしきものも見えてきた。
家の前でカブトムシのメスが家の前で死んでいた。
散歩に行って、3種類のトンボを見た。
いつも散歩で行き会う人が「夏が通り過ぎちゃったんねー」と言った。ほんとにその通りだと思う。
茶色は昨日はしゃぎすぎて「そんなんじゃ連れて行かないからね(お里帰り)」と、小学生が親に言われるのと同じことを私に言われた。牛犬は今頃になってやっと5月頃に生やした薄茶の冬毛がほぼ全部抜けてさわやかな牛カラーになった。
2009/8/17 月曜日
朝、北海道出張のテントなどを発送。
午後、北海道でお世話になる方々へのおみやげに果実農家の店へ。試食で食べたプラムがびっくりするほど美味しくて、詰め合わせを実家にも送った。
夕方、少しだけ「下戸の超然」(新潮)を書き始める。
2009/8/16 日曜日
2時に起きてだめで、3時に起きてだめで、4時に起きて漸く原稿に取りかかり、犬の散歩の他はぶっ通しでやって11時半に原稿を仕上げた。
(ちなみに締切は20日)
原稿を送ったら集中力が切れて、たまっていた疲労が一気に来た。
メシ食って、ゆっくりぬるい風呂に入って、キャンプ荷物を作っていたら編集者から連絡があり、細かい部分数カ所の指摘が入ったため改稿。明日入稿予定。
お盆だから飲み屋もやってないなと思っていたら一軒だけ開いていると情報があったので、久々に「下山」して飲むことにする。
お犬様、早いけれど散歩はいかがですか。それとも庭で大暴れあそばされますか。
2009/8/15 土曜日
病院のことでほっとして眠くて仕方がないんだが、そうも言っていられない。
「末裔」を書く。ちょうど2/3まで来たところ。
選挙葉書が来た。
群馬県では毎度のことだが、広大なこの町内で投票所がどこにあるのかわからない。小学校とかなら調べればわかるけれど、さすがに「大字」の集会所はどこにも出ていない。
市のHPを見るが、怖れていた通り地図上に「集会所」以外の文字が何もない。要は畑と住宅しかない。地形からウチの近所でないことははっきりしているが、どのあたりかはわからない。神社もないし川もない、もちろん信号など元からあるわけがない。
仕方なく選管に電話をすると「一般のお宅の角を最後に曲がるんですが、看板をどこに出すか今の時点ではわかりません」多分近所まで行けば、クルマが停まっているんだろうけれど。
以前はセミにびびっていた牛犬だが、最近は捕まえてばりばり食べてしまうようになった。力関係を不等号で表すと、
かかし>牛>セミ
となる。
この暑いのにわざわざ日なたに転がって熟睡しています。オマエは爬虫類か。
2009/8/14 金曜日
腫瘍の件。
今日の通院で、名医に診てもらえた。
禿先生ではなく、髭先生だった。
前回初診の先生からこちらの意向はしっかり引き継ぎされていて、検査結果を持って行くと、あっさりと9月下旬に手術することになった。
全身麻酔の手術なので前日に入院、約一週間のスケジュールとなる。
病名は神経鞘腫。耳じゃないやつなので、ググってもあまり出てこない。
3ヶ月間、あーでもないこーでもない、あれはできないこれもできないと言われ、あちこちほっつき歩いていたが、不安を何年も持ち続ける心配がなくなった。
後遺症は声涸れと嚥下障害が予想される。
程度については手術してみないとわからないとのこと、出ないかもしれない。
十分考えつくしたので、覚悟は出来ている。
べろを切ったときは食えなくてつらい思いをしたので、今度は入院前にしっかり飲み食いしておく。
体重も8キロ減で落ち着いているので、3キロくらい増やしてもいいでしょう。