2003/1/19 日曜日
つまり俺は、毎週歯医者か精神科かその両方かで実家に帰っているのである。歯医者は家のそばで、精神科は遠いからこそ車で行った方が早くて安い。車も乗ってやらんと悪くなるしだ。一度実家に顔を出すと翌日の晩の献立まで決められる。泊まらないで帰ってくるのは至難の業だ。俺としても、ちょっとここだけの話飽きてるんですがプールもあるし、練習全然してないんですがフルートもあるし、iBookさえ持っていけば2,3日はすぐ過ぎる。
しかし、蒲田の自炊生活とそれに伴う生ゴミと、毎週二重生活をするのは結構疲れる。俺はこの家に来てから食い物を腐らせたことが殆どないが、そういう主義もまた邪魔なものだ。やっぱ外食の方がいいのかね。多分近々、何もかもが面倒くさくなる時期が来る。
今日はオオゼキの10倍セール、100円で1点のポイントが100円で10点になる日だ。早い話が全品一割引である。商品は食品しか置いていないが、行ってみると戦々恐々としたオバハンでいっぱい。普段はちょっとぶつかっても「あらごめんなさいね」なんて言うのがこの辺りじゃ普通なんだが、先に「すんません」と言っても「ドケバカ光線」を返してくる。店内は安く、多く見せるレイアウトでごちゃごちゃしている、至るところで店員が商品を積み直している。
で。店員はみんな大きな声で叫んでいるのだが、これがいまいち私にはしっくりこない。「へぇーい、ご利用ご利用~、ポイント10倍でおっ買い得~」あれ、なんで「ベンキョーベンキョー!」じゃないのか、「お値打ちお値打ち!」じゃないのか。ああそうか、ここは東京なのだ。私は一人暮らしは長いけれど東京の一人暮らしはまだ二年生になったばかりなのだ。
前の会社の先輩で「子供の頃、魚屋と八百屋が怖かった」と言った人がいたが、それ、よくわかる。
ふと心に隙間が出来て見直すと、どの商品も底値よりかなり高いじゃないか。雰囲気だけじゃん、安いの。しかし店内は大変な人込み、商品を元の棚に戻すのは容易じゃない。ベルトコンベア式に買わされちゃうってわけだ。今日の予測外出費は一ノ蔵5合、煮干し、エコナ油、板チョコであった。
2003/1/18 土曜日
もうすぐ、蒲田に来て一年になる。今でも商店街を歩くのは楽しい。高校の頃は新宿を毎日歩き回って飽きなかった、予備校のお茶の水もそこそこいけてた、福岡の頃も西新の商店街を歩くのが嬉しかった。今、私は病気で貧乏だけど、愛する街に住めるのは幸せだ。逆かもしれない、不安要素を克服するために街を愛するのかもしれない。
この部屋に会えたのもよかった。天井の高い隠れ家みたいなところだ。狭さがかえって落ち着く。群馬の時もそうだったけれど、病気で辛いときでも愛する部屋で過ごせるのは幸運だ。埼玉の2DKは落ち着かなかった、西日がカンカンに入って向かいのスーパーが一日中呼び込みのテープを流していた。
蒲田の部屋
ここには最低あと1年はいられる。その後どうするかは判らない。続けて住むかもしれないし、都営住宅(手帳があれば優先権がある)を探すかもしれないし、京急沿線に進出するかもしれない、友達と部屋をシェアするって話もあった、それも悪くない、それともさっさと唐津に行ってしまうかもしれない。今は難しいが次はきっと愛するティーポと一緒に暮らす。
働くこと、はどうしても気にはなるが、今はできないのだから優先順位は低くていいのだ、愛することの方が大事なのだ。
2003/1/17 金曜日
最近、目がしょぼしょぼする。脳や体だけじゃないのである。眼鏡を作りたいが眼鏡は高いし、眼鏡屋は渋谷にある。渋谷って、思っただけで萎えるな。まあ今年は免許の更新があるから作らなきゃならんことは判っているんだが。
俺は斜視だから、どっちか都合が悪ければもう一つの目だけ使ってものを見ればいいのである、ちゃんとコントロールが効く。よく、片目では立体感がないだろうとかたーけらしーことを言われるが、俺は生まれてこの方片目でしか物を見たことがないのである。人様がどんな立体識別をしているのか体験したことがないのに不便も糞もない。目が三つなくて不便でしょうと宇宙人に言われるようなものだ。うっとおしいのは3D画像とか、二枚のものは二枚にしか見えねえんだよっつー写真を見せつけられるとき。あと、人の目を見て話を聞けと言われるとき。そんくらいだ実害は。
で、眼鏡どうしよう。俺様に似合う眼鏡はあるだろうか。それが憂鬱になる三番目の理由である。
三日連続で飲んだので胃腸はめちゃくちゃ。身体から「おまえ少しは学習しろよ」と言われている気がする。
ある方から、思いもよらぬ暖かい言葉をいただいたと新潮担当者より聞き、感激する。面識がなくても、自分のことを気にかけて下さる方がいるんだということは、とてもありがたい。でも「ありがとー、よろしくー」と伝言するんじゃなくて、お礼の気持ちは作品を書き続けることでお伝えしたい。
サイトリニューアルについて、管理人と打ち合わせ、掲示板はもう少し待って下さい。トップには「イッツ・オンリー・トーク」単行本表紙をもうすぐ載せます。藤井たつみさんの「これしかない!」という装画をお楽しみに。
2003/1/16 木曜日
ともあれ、バカ食いは今のところ止まったし、今日は運動したから体の濁りがとれたような感じはする。多少のしょぼは認めてやっていいんじゃないか。
蒲田に帰ってきて、冷えきった部屋がだんだん暖まろうとしている。パティスミスををかけている、さっき豆を挽いてコーヒーもまだ熱い、だんだんリラックスしてくる。
明日、野菜とバナナをいつもの八百屋で買おう。駅地下で魚と肉を買おう。図書館と郵便局に行こう。生活を再開する。誰のためでもない、自分だけの生活。
ロドピンを飲んで一ヶ月近い、そろそろしょぼくれてきたか。どこに行くとか何時に出かけるとか、そういうのがなかなか決まらない。午後になってやっとしょぼしょぼとプールへ。しょぼしょぼ泳ぎ、しょぼしょぼウォーキング。今日は世田谷ボロ市の最終日、夕方になってからしょぼしょぼ行った。
なんの自慢もない世田谷だが、ボロ市の歴史はたしか江戸時代、農民が冬の農閑期に編む草履の鼻緒に使うボロを物々交換ではじめたのが由来だったと思う。久しぶりに行ったが、軍服あり食器あり神棚ありカメラありと変わらぬ景色だった。変わったのはバナナのたたき売りのおっさんがいなかったことと、傷痍軍人のおっさんがいなくなったことくらいだ。(いつの話や)例年1月のボロ市は割りとすいている、今日も平日だからさびしくなる程すいていた。郵便局の出店で各地で出している記念切手というのがあって、2種類買ってしょぼしょぼ帰って来た。
2003/1/15 水曜日
朝、医者へ。バカ食いのことを包み隠さず話すと、セロクエルが血糖値と関係あるので怪しい、ということで中止になる、これでバカ食いもなくなればいいんだが。かわりにリスパダール投入。前に飲んだときは鬱状態で毒にも薬にもならなかった記憶がある。
帰ってきたら昼のニュースをやっていた。天皇が正月の歌を詠まれたので我が家はみんなつられて五七調になってしまった。「白菜の 漬物余る しょっぱくも 残りすくなし 一人分なり」とか紹介するのも恥ずかしい程の歌が昼食の準備をするテーブルを迴って繰り広げられる。「手術前 歌よむどころじゃ ないだろが それも仕事だ がんばれ天皇」
その天皇が靖国を参拝しないと言うのに小泉のアホがまた懲りずにやってくれたおかげで韓国が会談予定をすっとばした。川口君、というか日本なんだが、いい面の皮である。それをまた神崎君が「政教分離の立場から…」って、おまえには一番政教分離って言われたくなかったよ。政治って前からこんなどたばただったっけ。
貴乃花は出たり入ったりだし、やっぱテレビあってもばかばかしいだけだな。
2003/1/14 火曜日
朝たくさん食べて、昼とおやつは食べないで済ませた。晩飯はふつうに食べた。
幻聴がある。ラジオでスポーツかなにかの中継しているような音が聞こえる。実家に戻った時、ほんとにラジオがついていると思って消そうとした。今はなにも聞こえない。全くいつまでこんなことやってんのかなと思うと腹立たしい。
今日は4月の暖かさ、明日は寒さが戻る。実家にダウンを置いといてよかった。冬のtipoはクール便だからな。病院と歯医者が毎週あるので、バッグとiBookだけ持って往復するのも面倒だ、蒲田に車を置ければなあ(まだ言ってるよ)
2003/1/13 月曜日
今日はバカ食いなし、とはまだ言い切れないが、俺も少しは考えた。昼間に出歩くとスーパーの菓子売り場に駆け込みかねないから、コーヒーを飲んだり、ここのトップページをいじくったり、本を読んだりして散らしていた。欲求が募ってきたので夕飯に甘いパンを食べてごまかした。忘れよう忘れようとしてもカラダが正直でいけねえ。そういや酒やめた時も辛かった。(今は禁止されてないからたまに飲むけどね)禁酒初期のあの狂おしさと今の菓子よこせ地獄と似ているかもしれない。え? 禁煙? 俺は禁煙はしないよ。だから外国に行けねえんじゃねえか。俺の尊厳はタバコにあるんだ、何言ってるかわかんなくなってきた。