Diary

ミウラの海

半島の先の終点で電車を降り、少し歩くとびっしりと生えそろった大根の葉が広い景色を覆っていた。大根畑の向こうには海が見えるのだが、海より前に目に入ってきたのは特大サイズの富士山である。高崎から浅間を見るような大きさだ、と言っても通じないか。(ああ、でも写真には写ってない、びっくりするほど大きかったのに)

結構長いこと歩いて、農家の密集する細い道に入る。石垣の上に竹が繁っている。このあたりの農家は敷地が広くて立派な母屋とそこらの住宅よりずっと大きな離れ、蔵や倉庫(作業場兼用か?)が庭を囲んでいる。路地裏から来た俺には別世界だ。
やがて相模湾の泥の浜に着いた。トンビが鳴いている、空が広い、暖かくてジャンパーを脱いだ。ビールは買わなかった、俺はもともとビールは好きじゃないのだ。俺は波を見たりサーファーを見たりしながら小一時間過ごした。ココロもひなたぼっこだ。だって俺はいつだって、気持ちが不安定になったら海に来ていたじゃないか。後ろにパンダがあの人のいい顔でとまっていないのが不思議な気がする。
帰り道に、三浦海岸の駅で降りてあじの干物を買った。1枚おまけしてくれた。蒲田に着くと風が冷たくなっていた。


そうだ海に行こう

暖かい朝。南風が強い。そうだ海に行こう。
海は車で行くものだと思っていたけれど京急で1時間もあれば三浦半島の先まで行ける。車を取りに実家に行くより早い。太平洋は汚くて嫌いだけれど砂浜でビールでも飲めば、この部屋で何も書けずに悶々とするよりいい。ひょっとしたらおいしい干物くらい売ってるかもしれない。
朝飯に味噌汁をやっつけたら朝刊を持って出かけよう。


意志と神経は違うけど

自分のなかに「もう躁転しちゃってもいいや」みたいな気持ちがあるんじゃないか。治りたいという気持ちが希薄なんじゃないか。やらないけど、絶対やらないけどさ、今みたいな状態のときに各種抗鬱剤取りあわせODしたらどうなるかな、なんて考えてどきどきしてしまうのだ。
小説は盲腸に入ったまま出てこない。旦那のいない主婦みたいなことをしても限界がある、安アパートじゃ換気扇の掃除をしたってすぐに終わってしまう、さびしいとかそういうのはない、そういえばオトコと別れたときもまるきり悲しみも恨みもなかった、さびしさを感じないようにしているのか? でもあの朝私は林祥一のように眩しい外に飛び出して行ったのだ。


まだいる

禿先生に電話して、抗鬱剤をやめることになった。アナフラは今日からやめてルボックスだけ2日くらい1錠に減らして、あとはすっかりやめる。残りは向精神薬と抗躁剤ということになる。だが長年飲んでいた薬をやめるのって不安なものだ。ガターンと落ち込んだらどうしよう、と思うもの。
けれどまだ躁はいる。焦っている。朝起きとたんに昼飯の支度をして昼飯の前に晩飯の買い物に行こうとせきたてる。晩飯なんてラーメンでいいのだ、と言ってもおいしい干物を探しに行かないかとか中華鍋が欲しいとかうるさくて仕方ない。多分このコーヒーを飲み終わったらまた外に出るだろう。中華鍋は買わないがシャンプーは買うかもしれない。


まだいる

禿先生に電話して、抗鬱剤をやめることになった。アナフラは今日からやめてルボックスだけ2日くらい1錠に減らして、あとはすっかりやめる。残りは向精神薬と抗躁剤ということになる。だが長年飲んでいた薬をやめるのって不安なものだ。ガターンと落ち込んだらどうしよう、と思うもの。
けれどまだ躁はいる。焦っている。朝起きとたんに昼飯の支度をして昼飯の前に晩飯の買い物に行こうとせきたてる。晩飯なんてラーメンでいいのだ、と言ってもおいしい干物を探しに行かないかとか中華鍋が欲しいとかうるさくて仕方ない。多分このコーヒーを飲み終わったらまた外に出るだろう。中華鍋は買わないがシャンプーは買うかもしれない。


キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!

この顔文字、2chをやっている人にはおなじみだけれど、躁転のイメージにすごく合ってる。
夜10時、シャワーも浴びて明日の味噌汁のだしも漬け置きして(煮干しだから前日からやっとくの)おふくろとメールもして、あとは今日最後のコーヒー飲んでトモフでも聴こうかなという時間なのだが。どきどきわくわくが納まらない、夜のアナフラを抜けばよかったのか、何もないのに楽しさが心の底から沸き上がってくる。自分の中に躁っぽいなやばいなブレーキかけなきゃ、と思っている奴とキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!! と思っている奴と両方いる。キター君はどっか行こうぜと囁く、やばいな君はもちろん眠剤を飲んで眠るつもりだ。今日怒りまくっていたのも、嫌な気分じゃなくてむしろ爽快で、スーパー3軒行っても(蒲田から池上は2駅)疲れなかった、そういう日もあるかもしれないけれど、これが続くと本当に、友達とかに迷惑をかけることになる。買い物しまくって困窮に陥ることになる。変な男をつかまえるかもしれない。何をするかわからない。キター君は「わかんないね、何するか」と笑う。
やばいな君は眠っている間に自分がどこかに行ってしまわないか心配だ。でも実はこの頃の私は出腹対策でジーンズを履いたまま寝ているのだ。今までの夢遊実績は、私の認識している限りでは、寝たのと別の部屋で起きたり廊下で寝たりしかぶったり冷蔵庫を動かしたり、そのくらいだ。しかぶるのは困るけど多分、たぶん大丈夫だ。
でも明日はどんな日になるのだろう。明日も爽快だったら抗鬱剤を減らしてクリスマスを待たずに水曜日、禿先生に会いに行こう。


オオゼキ基金の夢潰える

うちの母はいつもオオゼキのポイントを貯め込んでいて、ポイント5倍セールとか3倍セールになると小躍りしながら買い物に出かける。換金されたキャッシュに「オオゼキ基金」と名前をつけて寄付とかプレゼントとかそういうことに使っているらしい。
まさしく今日がその、5倍セールの日なのである。新聞のチラシをくまなくチェックしてから出かける。池上のオオゼキは買いムード一色、すごい熱気だ。私もカード申込をしながらわくわくする。住所と名前と電話番号を、出来のよくない申し込み用紙に書くだけだ。ところが。
「24日以降にカードを引き取りにいらしてください」
え? 今くれるんじゃないの? 今時写真だって1時間で出来る、免許だって2時間で更新だ、銀行だって即日通帳は出来て取引はできる、どこのどのカードが来週まで待たせるというのだろう。
「今日の買い物はポイントつかないんですか?」
「24日以降しかお使いになれません」
全然だめじゃん。私は最初が肝心なのだ。9日も待たされたらだめなのだ。
仕方なくドラッグストアでバカ買いをして帰った。


ポストヨーカドー

駅むこうのマルエツを視察してきた。食材はそこそこ安くて売り場は広大である。下着や化粧品(私の愛用する安安化粧品、セザンヌ)もある。ポイントカードはない。しかし駅むこうというのは、実際の距離じゃなくて気分的に遠いなあ。肉と魚だけなら駅地下で十分新鮮なものが手に入る。牛乳とか乾物とかは池上で買うか。
ヨーカドーで最後の買い物をした。近いし、ポジション的にもベストなのだが仕方がない。私は一度怒ったら根に持つからもう買わないと思う。下着と魚焼きの網とクレラップを買った。それで食料品売り場に行って620円の牛肉を買った。333ポイント使ったので、一食分だけ只になった。本当は800ポイントくらいまでためてステーキ肉を買おうという夢があったので甚だ遺憾だ。
最近はすっと通り過ぎても「やるきまんたろう」のシンガポールのお兄さんに挨拶をされてしまうので、帰りに寄らないとうまくない。呼び込みの美声の大声とは全然違うはにかむような笑顔で「オハヨゴザイマス」とか言われると、お姉さんは弱いなあ。実際安いから、寄る価値は大なのだが。
「銭湯が一件つぶれると人生が変わる」と言った人がいたが、人間というものは習慣や行動半径を変えるのが実に下手くそなのだ。


ふざけんなヨーカドー

1年間こつこつ買い物を続けたヨーカドーとの決別の日が迫っている。旧カードの使用期限が3月なのだ。しかし俺は新カードが作れない、VISAかなんかがついていて審査に通らないのだ。現金払いしかしないのに勝手にクレジットカードをつけやがってどういうつもりだ。今日俺はカードの勧誘をしていた男に「ヨーカドーは客を選ぶのか? ええ?」と毒づいてきた。まあ、しかしそういうことなのだ。品ぞろえに未練はあるけれど、俺はたまったポイントを牛肉かなんかに替えたらよそに行くよ。多分マルエツか池上の丸正かオーゼキか矢口の文化堂に行くさ。ポイントよりも怒りが溜まりそうだけどな。ふざけんなヨーカドー。つぶれちまえヨーカドー。


乱買発動

紅茶のティーバッグがピラミッド型になってずいぶんたつけれど、あの包装はいただけない。かさばるだけなら我慢もできるがジッパーがついているの、ところがそのジッパーが閉まらないの、どうしても包装の角張ったところがジッパーをひっぱって開いてしまう。非常に腹が立つ。
邪魔くさいので瓶に入れて保存しようと思った。180円で結構かっこいい瓶を見つけたところまでは良かったが、ついでにまたセールになっていたセーターを買ってしまう。なんか、冬物がぼろっちいのばっかで気になってたんだもん。こんな毎日のように買い物をしていいわけがない、というのは判るんだけど、商品を手にとった瞬間から会計が終わるまで、脳は寝ているとしか思えない。気がつくと買っている。やばい気がする。営業中にホンダ・ビートを買ってしまったことを思い出す。ほんとにもうやめよう。お金は最低限だけ持ち歩こう。飯でいくら節約したってしれている。
なんか、落ち着かない。不安感というのはないけれど、躁か鬱が来るような気がする。心がざわざわする。イライラするから人とはあまり会いたくない。


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