Diary

ミウラの海

半島の先の終点で電車を降り、少し歩くとびっしりと生えそろった大根の葉が広い景色を覆っていた。大根畑の向こうには海が見えるのだが、海より前に目に入ってきたのは特大サイズの富士山である。高崎から浅間を見るような大きさだ、と言っても通じないか。(ああ、でも写真には写ってない、びっくりするほど大きかったのに)

結構長いこと歩いて、農家の密集する細い道に入る。石垣の上に竹が繁っている。このあたりの農家は敷地が広くて立派な母屋とそこらの住宅よりずっと大きな離れ、蔵や倉庫(作業場兼用か?)が庭を囲んでいる。路地裏から来た俺には別世界だ。
やがて相模湾の泥の浜に着いた。トンビが鳴いている、空が広い、暖かくてジャンパーを脱いだ。ビールは買わなかった、俺はもともとビールは好きじゃないのだ。俺は波を見たりサーファーを見たりしながら小一時間過ごした。ココロもひなたぼっこだ。だって俺はいつだって、気持ちが不安定になったら海に来ていたじゃないか。後ろにパンダがあの人のいい顔でとまっていないのが不思議な気がする。
帰り道に、三浦海岸の駅で降りてあじの干物を買った。1枚おまけしてくれた。蒲田に着くと風が冷たくなっていた。


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