2011/4/18 月曜日
先日の日記に書いた精神科主治医の禿先生、やはり被災地に行かれたようです。福島県相馬市です。私が片品村で微力ながら関わっているのは南相馬市の方々なので、なんだか嬉しいです。私がめちゃくちゃな時期に助けてもらった先生です。診察を受けられた方々の不安や不眠、苦痛が少しでも和らぎますように。(私も診察の予約入れなくちゃ)
ガラガラ声のままで今週は講義とインタビュー3件とFM。喉に関係ない仕事としては、エッセイの締切、小説の仕上げ、そして町内の配布物と集金あと2件。
2011/4/17 日曜日
メーカーで営業してたのは(病気で休んだの除いて)10年間、小説家になってやっと8年。だから、FMで新しくなにかやろうとしたり、片品関係で動いたりすると、あっという間に作家じゃなくて営業マンモードになってしまう。物売りというんじゃなく、新規開拓で戦略考えるのが好きな営業でした。
提案ツールや企画書も必要というより、好きだから作ってしまう。いつも人と会わないのに、営業マンスイッチが入ると人と会うのが大好きになってる。んで飲み友達からは「作家やめたら、サワガニの養殖やりなよ」などとわけのわからんことを言われたりしてる。なんじゃそりゃ。
しかし、今日はモード変えて小説をむっつりむっつり仕上げていきます。
休肝日……と思ったんだけど、喉やられてて声ガラガラなので、頂き物の花梨のお酒はうすーくして飲むと思うなぁ。
2011/4/16 土曜日
昨日は集中して小説やって、そのあと大事な打ち合せしてアタマ使ったらどーにもお腹がすかなくて、最終的にコロッケ一個しか食わなかった。そんなわけで、起きるなり猛烈にホルモンが食いたいです。喉がおかしくて声が出なくて風邪も疑ったが、朝6時からホルモン食いたい風邪っぴきなんかおらんよ。
そろそろ薬の在庫もあれだし、精神科に電話してみたら数日前から17日まで休診。もし体調不良じゃなかったら、禿先生も心のケアとか医療支援とかしてるかも?(楽しい方だけど、実は偉い先生なのです)だったらこちらも嬉しくなるなあ。あくまで憶測ですが。
今日は東京から来てくれる方と同行で片品。
追記。本日の群馬県の天気。気象庁HPより「群馬県では、強風や竜巻などの激しい突風、急な強い雨、落雷、空気の乾燥による火の取り扱いに注意して下さい」そんな、さらっと竜巻なんて言うなよ、空気の乾燥と同列じゃねーだろが。おっかねーな。
2011/4/15 金曜日
今まで隠してましたが、私、ヒノキの花粉症です。なんで言わなかったか。だって私が言うと「ヒノキだと? 偉そうに!」とか「ブタクサみたいな顔して!」とか言われるからです。でも軽いので、日常生活ですごく困るってほどじゃないんです。ところがウチの外犬どもは、砂嵐みたいな春の風のなかでへらへらしてたり、日がな一日地べたでゴロゴロしてるため、朝晩の散歩のあとヨシヨシなんて撫でてやると毛皮に詰まった花粉がもうもうと舞い上がり、小一時間クシャミがとまりません。早くヒノキの季節が過ぎないかなあ。あと雨も降って欲しいよ。
花粉と関係ないけど、野宿してから猛烈に喉が痛い。犬に「おはよう」と言ったらロッドスチュワートみたいな声になってた。小説書くのに声が出なくてもなんにも困らないけど、大学とインタビューは困るな。さすがにFMの頃には治ると思います。タバコやめるとか減らすって選択肢はありえないので、メンソールでも吸ってみるかね。
今日は小説と、シネマテークたかさき打ち合わせ、情報交換。(っても、友達なんですけどね)
2011/4/14 木曜日
会った人やラジオ聞いた人は知っているけれど、私はすごく変な声をしてます。だから県内だとどこ行っても「絲山さんでしょ」とバレます。顔は全然知られてないんですが。
昨日は片品の帰りに沼田で友達と飲んでたら、そんな感じで声かけてくれた粋で素敵なご夫婦と仲良くなりました。夜は道の駅で野宿(車中泊)。冬用寝袋でよかった、明け方はかなり冷えました。
今日は本業の小説やって、夕方FMぐんま打ち合わせ。昼寝もします、この年で車中泊はやっぱりきついですもん。
2011/4/13 水曜日
週刊文春から、特別アンケート企画の依頼が来た。協力できない理由を伝え、編集部の承諾を得た上で、依頼のフォーマットの一部を転載します。
(以下引用)
東日本大震災と巨大津波、そして原発をめぐるトラブル。日本人は今、おそらく戦後最大の難局に直面しているように思います。被災者はもちろんのこと、東京や西日本に暮らす人々の心にも深い傷が残り、また、今までないがしろにしてきた様々な問題と向き合うことを余儀なくされています。それでもなお、私たちは顔を上げ、前を向いて、未来へと進んでいかなければなりません。被災地の人々もそれぞれに懸命に悲しみを乗り越えながら、一歩一歩、前に進み始めているように感じます。
スポーツ選手が、競技の前にヘッドホンで音楽を聴いている姿をよく見かけます。そうすることで「さあ、やるぞ」と心を奮い立たせているのでしょう。映画や本もしかりです。物語やそこで語られている言葉の力に背中を押されて前進することができた、そんなご経験を持つ方もいらっしゃるように思います。
気分がふさいで元気が出ない時でも、この曲を聴くと前向きになれる。
いつも手元にあるこの本のある一節を読んで、やる気を出している。
映画やドラマのこのシーンを観るといつも胸が熱くなり、体が自然と動き出す。
そのような「元気が出るとっておきの本、映画、音楽」があれば、いずれか1つで構いません。思い出話と共に小誌読者に是非とも御紹介いただきたく思っております。
(以上引用)
誰に元気になって欲しいんでしょう? 毎週悲惨なグラビアを見ていた人にさらに元気になって欲しいんでしょうか? 遺族はもちろんのこと、家族や親戚が被災地にいる人に元気になって欲しいんでしょうか? 大きな余震が続いて一旦回復したライフラインが寸断された人でしょうか? 避難先で地元の情報を探している方に元気になって欲しいんでしょうか? 過酷な現場で働いている自衛官や東電関係者、警察、消防関係の方の家族は元気になれるんでしょうか?
不特定多数が読むこと前提の雑誌のなかで、アンケートという「匿名の識者多数」からおすすめや、思い出話を押し付けられて、余計つらくなったり、疎外感を持つ人のことを考えなければいけないんじゃないのかい?
担当者は文芸にいた時代からとても親しくしていた、仕事の出来る好青年だが、「そういう雑誌なんです」と答えただけだった。「良識ってなんですか?」と聞いたけれど、答えてくれなかった。
2011/4/12 火曜日
このところ、まだ日記に書けないことも含めてかなりいろんな動きをしたり、小説の方も気合い入れていたので、どーにもなんないくらいくたびれました。明日はまた片品に行きます。
今日は、サボれることは全部サボって、だらだらうとうとしていたいです。自分のメシと犬のメシは作るけど。
夕方、山の母来訪予定。
昨日は法政大学院の初回講義。同じような時間にゴミ出しに行くことも通院することもあるのに、なにが違うのか出掛けに犬どもがピーピーピーピー鳴くのに参った。おまえらは字が読めないから大学は無理だよ。
初回ということで、ガイダンスを行いました。要はこの一年間で、こういったことをやっていくよ、ここまで力をつけてほしい、という話です。あとは、彼らが社会人になったときに(どんな職業でも)必ず役に立つことを身につけてもらいたいという部分は、私自身の目標でもあります。学生との対話で、こちらが啓発される部分も多々あると思います。学生たちが、みんな生き生きした表情で聞いてくれるのがとても新鮮でした。(ときどき笑いをとらないと安心できない自分はいかんと思いましたが)。
私が学生のときなんざ大昔ですが、大教室で川勝平太先生(現在静岡県知事)の授業を聞いていたときの、経済学の面白さ、集中して深く入って行く感じは鮮明に覚えています。もちろん素人教授ですからああはなれないですけれど。
しかし困ったことが一つ。大学/大学院の授業ってどうやって終わるんだろ。全く思い出せません。「起立とかって言わないよね?」と言ったら学生に笑われました。「また来週!」じゃラジオみたいだし、挨拶しないのは気持ち悪いので「お疲れさまでした!」と言ったけど違うと思う。学生たちはにこにこしながら「ありがとうございました」と言ってくれたけど。
講義の後、群像と打ち合わせ。今後、群像では定期的に短編を掲載していくことになります。
2011/4/10 日曜日
コブシの花が咲いた。たんぽぽもたくさん咲いた。チューリップの莟がふくらんだ。モンシロチョウとモンキチョウがたくさんいた。茶色はチョウを食べないが、牛犬はジャンプしてぱくっと食べる。味とかどうでもいいみたい。
「不愉快な本の続編」の原稿はかなりすすんだ。今朝も2時始業で会話文を直していた。細かい文章の直しはまだたくさんあるけれど、残された大きな問題は一点のみで、原稿送って編集者と相談することにした。5月10日締切は例によってかなり早めにクリアできそう。
この後、洗濯、集金、選挙(投票所が変わってまたしても場所がわからない)、午後は街に出て散髪。ついでに旨いワインでも買ってくるかな。
明日から法政が始まる。予習はほぼ完了。学部は5月からになったみたいだけど、大学院は変更なし。思わず学生のノリで「なんだよー、5月からでいーじゃん」と思ったが、よく考えたら講義が少なくなって困るのはこちら側なのだった。
2011/4/9 土曜日
班長会議、伝統的なものとして続けていくこと、各家庭の協力が必要なこと、でも強制してはいけないことなど、町の規約が本当によく考えてあることを知って納得しました。もちろん地元に生まれ育ったならまた違う感想もあるんだろうけれど、小さな単位の自治ってこういうふうに出来ているんだ、と。アパート暮らしが長かったので知らなかったことばかり。内山節さんの、共同体に関する本をまた読み直そうと思いました。(もちろんここと上野村ではかなり違いますが)
まずは区費の集金に回り、それから道普請、4月は忙しいです。
そして懇親会も楽しかった! 群馬県という大きなくくりでは少し詳しくなってきたかなと思っていたけれど、町という単位では何も知らず、歴史のこと、行事のこと、花のこと、そのほかいろんな話を地元のお父さんたちから聞けて、今年参加した飲み会のベスト3に絶対入るな、ってくらい楽しかったです。どのみち私はここに最後まで住むから、知りたいことばかりです。
そして小さいけれど嬉しいニュース。群馬のかき菜とほうれん草が出荷できるようになりました。(まあ、地元じゃいただいたりして食べてたんですが)。今年は寒かったので、4月とはいえまだ甘くて美味しいです。