2015/7/22 水曜日
民放連ラジオエンタメ部門(関東甲信越静岡)の審査委員で東京出張してきました。
今年の幹事は3月までお世話になっていたFMぐんまでした。なのに会場は文藝春秋のビル。知ってる人が違う場所にいるというのがなんだか変な感じでした。(自分の家に友達の親がいるような感じ?)
私は本当にラジオが大好きでリスナーも大好きなので、「ラジオでしか出来ないこと」や「サイレントリスナーへの思い」みたいなものにこだわりが強かったのですが、他の選考委員の先生方の講評は自分には欠けていた視点でとても勉強になりました。
各局の優れた番組を聴かせていただいて、またラジオに(スポットやゲストではなくレギュラーで)出たいなあと思いました。
2015/7/21 火曜日
昨日20日は高経大の実質最終講義。今年のクラスは去年とはまた違う手応えで、とても良かったし楽しかったです。来週試験。教務課の人に「あのクルマ、TVRですか?」と聞かれて、すっかりいい気分になりました(いつもの黄色いフィアット)。さては私の取説持ってるな。
北日本新聞の原稿も仕上げました。来週月曜掲載予定の最終回は砺波です。富山の皆様、一年間ほんとうにお世話になりました。10月には講演会でお邪魔します。
新潮も締切。「薄情」は最後悩んだけれど思いがけない解決法でクリア。次々回9月売りが最終回です。
最終回ばかりで今後の生活が心配ですがなんとか凌いでいかなければ。暑さには滅法弱いですが体調はいいので気分的に追い込まれたりはしてないです。
2015/7/17 金曜日
昨日、片品村から尾瀬に行ってきました。上毛新聞社からこの秋に刊行される「街道〜(タイトル少し変わるかも)」の本の、巻頭書き下ろし取材です。尾瀬はまだ二回目で、前回は鳩待峠から尾瀬ヶ原でしたが、今回は大清水から一ノ瀬までバス、三平峠から尾瀬沼というルートでした。
台風の影響で沼田インターを下りたときはワイパーが追いつかないほどの豪雨でしたが、大清水まで行ったら小降りになっていたので決行することになり、尾瀬沼に着いたときには雨も上がって別世界のような美しさでした。ニッコウキスゲも咲き始めていました。
山歩きに慣れている上毛さんについて行けるのかとても不安だったのですが、苦しかったのは最初だけであとは意外なほど楽しんで歩けました。そして無事に戻って来たときの喜びも格別でした。
尾瀬はやはり特別な場所だという感じがあります。詳しいことはもちろん本に書きます。以前からじっくりお話を聞いてみたいと思っていた片品村の千明村長へのインタビューも充実したものとなりました。
今日から新潮「薄情」と北日本新聞の連載最終回の原稿を仕上げていきます。来週末はいよいよボサノバカサノバとのライブ&トークショーです。
2015/7/13 月曜日
絶対音感が狂ったと自覚して思いだしたのが、学校で音楽の先生が「移動ド」と言い出したときに心底驚愕したことだった。周波数では明らかに「ソ(あるいはほかの音)」なのに「これがドです」というのが、まるきり納得できなかった。「ト長調」とか「イ単調」ならわかる。ソルフェージュだけはかなりやったので、和音もオクターブも問題ない。でもピアノの先生と学校の先生がなぜ違うことを言うのか、わからなくて困った。
「絶対音感」が少数派だということも知らなかった。(こんなもん別に生活上では何も役に立たないっす。私は耳動かせる能力とかの方が宴会芸のために欲しいです)
もちろん今は「移動ド」を否定するつもりなんかないです。
絶対音感も少数派ですが、それとは別に認知や感覚、行動の部分でも少数派であると自覚したのは数年前です。専門医の問診を受けた結果、私は自閉スペクトラムのどこかに位置しているということで間違いないそうです。
当時は認めるのがつらくもあったし、過去の教師からの執拗ないじめのフラッシュバックもしんどかったですが、予定変更でパニックになるのも、集団行動が苦痛でしかないのも、寂しいという気持ちを全く感じないのも、そのためと納得できました。
発達障害は個人差も大きいので扱いは難しいのですが「ニイタカヤマノボレ」を書いたきっかけはそれです。
楽器弾くライブなんて30年ぶりなんですが、そこそこベースは弾けるようになってきて一応、お墨付きもいただいてました。
だけどメールでコードのやりとりしていたら、どうも話が合わない。
まさかと思って、フルート鳴らしてみたらフルートの音が「半音高い」。
たしかに、あれっと思ったことはあったんだけど、セッションしてもライブバージョンでコード替えてるのか、自分が緊張してるのかくらいに思ってました。一時期から家電の音が変だと思ったこともあったけどそれほど気にしていなかった。
しかし私の絶対音感、半音狂ってました。(幼稚園から大学まではちゃんとあった)
原因は躁鬱の予防で飲んでいるテグレトール(カルバマゼピン)だと思われます。検索すると沢山出て来ます。絶対音感ない人にはこの副作用は気にならないそうです。
ベースはフレットあるし指なんかどーにでも動きます。
x=y ではなく、
x=y+a だっただけですが、それでも概念としては相当気持ち悪い。
東京から北の方角に富士山が見えたり、富山なのに海が南にあったり、リンゴを食べたらミカンの味だったり、上州人だったら「よ」の札が「伊香保温泉日本の名湯」だったらこれまでの人生疑うでしょう?そんな感じです。
薬はすべて減らしてきていて、眠剤も含めてゼロにする方針は決まっているのですが、服薬期間も長いからなあ。
言葉も文章もサウンドとして、意識と記憶をしてきた聴覚優位の私にとっては、かなり心もとない思いがします。
ちなみに新潮に書いてる掌編は全ての章がそういった、「そばつゆがアイスコーヒーで、次の回では麦茶になってた」みたいな設定違いでできています。(そこまでは混乱してないけどね)
2015/7/11 土曜日
「第3回FRaU文芸大賞」が発表されました。たくさんの候補作のなかから『離陸』を大賞に選んでいただき、とても嬉しく思っております。
「FRaU8月号」には瀧井朝世さんによるインタビューも掲載されています。
2015/7/5 日曜日
7月7日売りの文芸誌は新潮で「薄情12」、文藝には「小松とうさちゃん(後編)」が載ります。
最近クルマでうろうろした場所。七輿山古墳、四万温泉、野反湖、矢木沢ダムと奈良俣ダム。今はどこに行ってもとても静かで緑がきれいで、梅雨も悪くないなあと思います。
家では掌編と「薄情13」を同時進行で準備中、あとは毎日ベースの練習。昔ロトのニッケル弦が好きだったことを思いだしたので、張り替えたらますます楽しい。
夏の野菜が充実してきたので、ドライカレーやゴーヤチャンプルーやラタトゥイユを久しぶりに作りました。
まだそれほど暑い日がないので犬どもに「猛暑手当(大好物の豆腐)」は出してません。
2015/6/18 木曜日
新潮連載の「薄情」を書いています。そろそろ大詰めが近づいています。なんとか今年中に本にしたいです。
私の小説の書き方は変なので、説明しても意味不明だろうし誰の参考にもならないと思いますが、連載小説を書くときはいつも同じプロセスです。
今はエピソードや言葉がばらばらに浮遊している水槽の底に自分が沈んでいます。連載だから出来るやり方ですが、この水槽を作るのに十日やそこらかけています。その間は別の仕事と並行でやっているし、手書きのメモ以外は一切書きません。
水槽のなかが作品の環境なので、そこに入ってしまえば、あとは書くだけです。まだ水が冷たく感じて動きも悪いし、目も開けてられないし、底なので光も届きません。でもその環境のなかで何日か登場人物と一緒に暮らしていると、一日中書いているのに同じだけ削るから枚数がまったく増えない日がでてきます。泳いでいて息ができなくて苦しい感じです。登場人物はそんなに苦しそうではなく、でも一緒に泳いでいると思います。
そこを脱してやっと水面が見えてきたらいつの間にか、その回は書き終わっていて、出版社に原稿を送ったら全力でそれまでに書いたことを忘れます。覚えてると冷静にゲラが読めないからです。
あとはゲラを二回、隙間がなくなるほどいじくりまわします。リズムとかテンポを整えるのがここの作業で、感情は殆ど伴いません。分解と接合を繰り返しているこの部分だけは、仕事や趣味を通り越して変態だと自分でも思います。
なんだかんだと、こんなやり方でずっとやってます。
来月は掌編書きたいです。掌編はもっとわけわからない書き方なので今は説明できないです。そのうちそういう機会もあるかな。
大学で教えてる取材実習の方がずっとわかりやすいと思います。理論じゃなくて方法論教える授業なのですが、私が環境を整えると、あとは学生が自分でいろいろ試して発見してくれるので、こっちが嬉しくなります。
2015/6/16 火曜日
今日は、尾瀬の郷親善大使として、武尊(ほたか)山の山開きで、片品村に行ってきました。
この時期、平野部より若くて淡い緑のなかを黄色いクルマで走るのは本当に気持ちいいです。これから夏にかけては「ばかもの」にも書いたあの美味しい片品のトマトが楽しめます。
夏山リフトはスキーで乗るリフトと同じものなのに印象は全然違っていて、静かに滑空しているみたいで、もっとずっと乗っていたいと思いました。リフトを降りれば、レンゲツツジが満開でした。
帰り道で、友人の仕事場に寄って喋っていたら、別の友人のアトリエに行こうということになり、作品を見せてもらったり本を借りたり、暑いから今度の宴会はBBQより冷たいおでんにしましょうとかいう話になったりして(お互い公共交通機関がないから宴会は常に泊まりがけ、次回はウチが会場)結局夕立が来るまで喋っていました。夕立のなかをクルマまでダッシュするのがなんだか懐かしい感じでした。
なんて言ったらいいかわからないけど、友達はアナログでいいんだなと思いました。
2015/6/15 月曜日
限定20名のため、7月25日分は完売しています。すみません。
最近こんなことを企てていますというご報告です。
「イトボカ」という三人組で、前橋でライブやります。絲山とBOSSANOVA CASSANOVAのトーク&ライヴです。
群馬や静岡以外では知らない方ももしかしたらいるかもしれないので、BOSSANOVA CASSANOVA(ボサカサ)のこと。
めちゃめちゃかっこいいんです(曲が)。お洒落なんです(歌詞も)。ギターも歌もすてきなんです。
でも喋ると下ネ……いや、なんでもありません……すごく楽しいですよ。
私も小説とエッセイのギャップがありますが、そんな感じです。ラジオではいつもセットで語られていましたが、共演は初めてです。
今後は、トークやライブ、文芸イベントも積極的に行っていきたいと考えています。
都内ではなかなか出来ないことですが、読者やリスナーの方々と一緒に飲んで食べて喋って、みんなで楽しめたらいいなと思います。
また次が決まったらご案内します。そのときはぜひ遊びに来て下さい。メールでの完全予約制の受付になると思います。
以下は会場Musicafe BEE HAPPYさんのFACEBOOKより、承諾を得て引用します。ここんちは食べもんも美味しいです!
* * *
ついに禁断のパンドラの箱が開け放たれます!
いや どちらかといえば開くのは浦島太郎の木箱ですな〜!
「絲山秋子+ボサノバカサノバトーク&ライヴ〜イトボカの外になんか出しません〜」
*7/25 土曜日
*13:30 開店 14:30 開宴 (予)
*チャージ ¥5000 (フリードリンクつき)
*出演:イトボカ
メンバー
絲山秋子(ベース担当)
吉澤秀人(BOSSANOVA CASSANOVA・髭担当)
パピヨンSHO1(BOSSANOVA CASSANOVA・残尿担当)
あの芥川賞作家 絲山秋子とシティポップスの覇者 ボサノバカサノバ 異色の組み合わせによる「呑み会ライヴ」です。前半 毒舌弾丸トークショー 後半はなななんと御三方によるセッションかっ!?
絲山秋子プロフィール
「イッツオンリートーク」2003 文學新人賞
「袋小路の男」2004 川端康成文学賞
「沖で待つ」2006 芥川賞
現在 群馬県内在住にて執筆活動中
かなりのアウトドア派 ボサカサとは大の仲良し
(問・ご予約)
BEE HAPPY
beehappy.p4p@gmail.com
Tel 05055808132
〒371-0013 群馬県 前橋市前橋市西片貝町4丁目27