Diary

「末裔」は連載だったから、直しが効かないのを前提に危うい伏線とかを突っ込んで積み上げて行くスリルがあったけれど、今書いている「不愉快な本の続編」は一挙掲載なのでジグソーパズルみたいな書き方。最初と最後は半年前から決まっていて独立したエピソードが取材を通してつるつる出て来たんだけど関係性がわからなくて、下りてきた部分部分をはぎ合わせていくうちに謎が解ける。

やっと昨日の夜、通して読めるものになった。まだ欠落しているピースはいくつもあるけれど全体が見えた。これからの作業は時間をかけて直しまくり、磨きまくることになると思います。

書いた分量と同じくらい削るという、短編の書き方をしているのでこれはどう頑張っても150枚か160枚でしょう。半年で3カ所5回取材旅行に行って150枚って短いし商売になってないんだけど(吟醸酒なのに一杯300円みたいな)、それでもほかの小説と一緒にできないので、新潮に掲載した後、薄い本になると思います。『沖で待つ』の単行本くらいの量だと思います。続編というくらいだから今のところ、自分で嫌いではないです。

今朝も2時起きでプリントアウトに加筆、直しを入れた。夜は停電だから明るいうちに打ち込んでおきます。そうは言っても2時からやってたら夜は酒飲んで寝ちゃうんだろうけどね。


家でできる仕事だしガリガリ書けてるし、メシは自炊だし、ガソリンは買えないから不要不急の外出を避けてたら、FMからFMまで2週間、町内から一歩も出ないことになってしまった。個人的には山とか峠とかぶぁーっと走りたくてたまんないんですが我慢してます。

片品村の福島県からの被災者受け入れに関して、私如きで出来そうなことをメールでご提案したところ、きちんとした返事をいただき、登録しました。売名行為? 県外の人は誰も私のことなんか知りませんよ。ガソリンはこのために使います。まだ少し先のことかもしれませんが、嬉しいドライブになると思います。

電気のこと、物資や交通のことなど、意識していなかった生活のことが一変して、疲れやストレスがたまってきやすい時期かと思います。好きな音楽をゆっくり聴いてくださいね。犬ストレッチもオススメです。もちろん犬なしでも、外でストレッチすると気持ちいいですよ。


昨日は3月24日(木)のエフエムの選曲を一からやり直した。それがきっかけでやっと音楽が聴けるようになった。このところ、起きてから寝るまでずっとニュースを聴いていないと心配だったのだ。

早寝して、朝2時に起きたら自然に仕事がしたくなった。変な時間帯だけど、これが集中して書けるときのペースだった。手をつけてなかったメモ状態の部分を文章に組み直した。散歩して朝飯食べて食休みしたんで、これからまた頑張ります。

どの小説でも同じだけど、この段階はいくらたくさん書いても同じくらい削ってしまうので枚数は全然変わらない。手応えはあるんだけど、いけるかな5月締切。


三人寄れば

昨日は近所の美人母娘をお招きしました。会って話したり、人の話を聞くことって大事だと思いました。それぞれ仕事も違うし母娘は上州女性らしくしっかり者なので、お互いに考えのバランス調整もできるし、小さなストレスの芽もどこかへ行ってしまいました。

群馬は食べるものには困らないけれど、ガソリンを手に入れるのは本当に大変です。私には若さも美貌もないけれど、ガソリンと時間があるからパシリはできます。身の回りで困っている人、動きがとりにくい人の買い物とか送迎とか、そういうことも大切なことだと思っています。この時期の特別なことではなく、ゆるい繋がりのなかでお互い苦にならない範囲で動くということは、ずっと続けたいと思います。

今はまだ全然早いけれどもう少し後になったら、自分の得意分野を生かして被災して県内に来られた方のお役に立ちたいとも考えている、そんな計画も母娘にお話しました。


ケツが冷たくてもなんのその

昨日は停電の時間が長かったけれど、プリントアウトした原稿に手書きで書き足していく作業は案外捗った。読まなければならないものもたくさんあるし、PCが使えなくてもできる仕事は結構ある。

暖房はアラジンのストーブ。灯油の心配もあるけれどそのうち暖かくなるでしょう。無駄に電気を使いたくないので基本的に寝室で仕事もして(片付けたら意外に広かった)ワンルーム暮らしをしている。便座が冷たくてやだけど自分なりの節電でシャワートイレのプラグは抜きました。でも、同じことをしてくれとは言いません、それぞれ事情がありますから。

地震から一週間、一度だけ野菜と肉(とタバコ)を買いにスーパーに出かけただけであとは外出せず、誰とも会っていない。さすがに人恋しいので週末に近所の美人母子と会うことにしました。今日は山の母からお米を分けていただけるようなので、お隣にも少し持って行こうと思っています。

この時期、読者の方からも多くのメールをいただきました。ふつうの(でも慎ましい)生活をすること、自分の仕事をすること、自分を大切にしなければ他人を思いやることなどできないこと、外国の方も皆さん心配してくださっていること、そして健康に気をつけることなどなど、本当にありがとうございます。

そして犬どもは、私がずーっと家にいて思わぬ時間に散歩に行けるので大喜びしております。


こっちも停電、あっちも停電

晴れてるのに、空っ風で山からビシビシ雪つぶてが飛んできます。痛いです。

今日は停電。主治医が処方箋を薬局にFAXしてくださると電話を下さったのだが、さてそれをどこで受け取るか。地元の薬局数軒は休日や停電中で連絡がつかず、そもそも在庫があるかわからない。

それで立川のいつもの薬局に電話で事情を話して、近所に住む姉に取りにいってもらい、郵送を頼もうと思いついた。薬局とはスムーズに話がついたのだが、なぜか姉の電話番号が見つからない。実家に聞いた固定電話の番号にかけるとなぜか兄が出る。あれ??? よく考えたら姉の電話は登録していなかったわけではなくて、結婚していて苗字が変わっていただけでした。あちこち連絡がついたのでクリニックに電話すると、今度は留守電。FAXを送るが繋がらず、ああ今度は向こうが停電中。

厄介だけれど、なんとかなるのです。こういう時期ということもあり、薬局の人も親切で姉もすぐに引き受けてくれて、ありがたいです。それにしても、兄はなぜ家にいたのだろうか。風邪でもひいたのかしら。


たまたま地震の前に、クーペだけは満タンにしておいたのであと400キロは走れる。しかし都内に通院したら往復200キロ、足利は往復100キロ、クルマがなければ高崎駅にもFMぐんまにも行けないので、燃料と交通事情が落ち着くまでは何もできないと思い、通院は二つともキャンセルにした。

雷の多い群馬では、夏の夕方に1時間、2時間停電することなどよくあることなので慣れている。近づいてくる雷の音で予告されることは疲れないのに、第5グループを実施するのやっぱりしないのと指示されることには振り回されてくたびれてしまう。やはり、余震への不安や夜中の地震警報含めていろいろなことに過敏になっているのだと思う。

見たこともない悲惨な光景に心を痛め、見えない放射能のことを理解しなければと思い、誰もがとても疲れていると思います。そして若干感情的になりやすいかもしれません。怪我や事故に気をつけて、自分自身を大事にしなければいけない時期だと思います。(説教みたいですみません)


ほんとうに今は、小説なんかより現実の方がはるかに、驚くべきことで、悲しくつらくて、そして混乱していて、ある意味鮮やかな印象でもあって、文化は現実に対して何をできるのだろうと思います。でも、それはあらゆる時代に世界中で問われてきた迷いだと思います。

私自身の生活への支障などとるに足らないことだと思っていますし、状況を見極めるまでじっとしているしかないと思っています。直接行動できないことは本当にもどかしい、でも私は自分の仕事をするしかないと思っています。しかもその仕事は、決して読者のために書いているものでも、嫌な言葉ですが「癒される」ものでもない。でも続けていくしかありません。

うまいことは何も言えません。今この現状で不快に思われる方がいたら申し訳ありません。


おそろしくて悲しくて、ずっとラジオを聞きながら怯えて過ごしていましたが、やっと少し落ち着いてきたので仕事も始めました。

ウチの犬どもは地震の予知などいたしませんが、昨日の少し大きな余震の直前に隣のキジが一声鳴きました。夜にキジが鳴いたのなんて初めてだったので驚きました。


地震で被害に遭われた方、交通の遮断等で大変な思いをされている方に心よりお見舞い申し上げます。不安な夜、どうぞあたたかくして過ごされますように。

昨日ラジオに出たばかりだったので、こういうとき自分は生放送中に冷静になれるんだろうか、と考えさせられました。

私は幸い家にいて無事でした。一番近い家のおばあちゃん(とてもステキな方)が一人暮らしなので伺いましたが、会って話してこちらも元気になりました。


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