2011/3/18 金曜日
昨日は停電の時間が長かったけれど、プリントアウトした原稿に手書きで書き足していく作業は案外捗った。読まなければならないものもたくさんあるし、PCが使えなくてもできる仕事は結構ある。
暖房はアラジンのストーブ。灯油の心配もあるけれどそのうち暖かくなるでしょう。無駄に電気を使いたくないので基本的に寝室で仕事もして(片付けたら意外に広かった)ワンルーム暮らしをしている。便座が冷たくてやだけど自分なりの節電でシャワートイレのプラグは抜きました。でも、同じことをしてくれとは言いません、それぞれ事情がありますから。
地震から一週間、一度だけ野菜と肉(とタバコ)を買いにスーパーに出かけただけであとは外出せず、誰とも会っていない。さすがに人恋しいので週末に近所の美人母子と会うことにしました。今日は山の母からお米を分けていただけるようなので、お隣にも少し持って行こうと思っています。
この時期、読者の方からも多くのメールをいただきました。ふつうの(でも慎ましい)生活をすること、自分の仕事をすること、自分を大切にしなければ他人を思いやることなどできないこと、外国の方も皆さん心配してくださっていること、そして健康に気をつけることなどなど、本当にありがとうございます。
そして犬どもは、私がずーっと家にいて思わぬ時間に散歩に行けるので大喜びしております。
2011/3/16 水曜日
晴れてるのに、空っ風で山からビシビシ雪つぶてが飛んできます。痛いです。
今日は停電。主治医が処方箋を薬局にFAXしてくださると電話を下さったのだが、さてそれをどこで受け取るか。地元の薬局数軒は休日や停電中で連絡がつかず、そもそも在庫があるかわからない。
それで立川のいつもの薬局に電話で事情を話して、近所に住む姉に取りにいってもらい、郵送を頼もうと思いついた。薬局とはスムーズに話がついたのだが、なぜか姉の電話番号が見つからない。実家に聞いた固定電話の番号にかけるとなぜか兄が出る。あれ??? よく考えたら姉の電話は登録していなかったわけではなくて、結婚していて苗字が変わっていただけでした。あちこち連絡がついたのでクリニックに電話すると、今度は留守電。FAXを送るが繋がらず、ああ今度は向こうが停電中。
厄介だけれど、なんとかなるのです。こういう時期ということもあり、薬局の人も親切で姉もすぐに引き受けてくれて、ありがたいです。それにしても、兄はなぜ家にいたのだろうか。風邪でもひいたのかしら。
2011/3/15 火曜日
たまたま地震の前に、クーペだけは満タンにしておいたのであと400キロは走れる。しかし都内に通院したら往復200キロ、足利は往復100キロ、クルマがなければ高崎駅にもFMぐんまにも行けないので、燃料と交通事情が落ち着くまでは何もできないと思い、通院は二つともキャンセルにした。
雷の多い群馬では、夏の夕方に1時間、2時間停電することなどよくあることなので慣れている。近づいてくる雷の音で予告されることは疲れないのに、第5グループを実施するのやっぱりしないのと指示されることには振り回されてくたびれてしまう。やはり、余震への不安や夜中の地震警報含めていろいろなことに過敏になっているのだと思う。
見たこともない悲惨な光景に心を痛め、見えない放射能のことを理解しなければと思い、誰もがとても疲れていると思います。そして若干感情的になりやすいかもしれません。怪我や事故に気をつけて、自分自身を大事にしなければいけない時期だと思います。(説教みたいですみません)
2011/3/14 月曜日
ほんとうに今は、小説なんかより現実の方がはるかに、驚くべきことで、悲しくつらくて、そして混乱していて、ある意味鮮やかな印象でもあって、文化は現実に対して何をできるのだろうと思います。でも、それはあらゆる時代に世界中で問われてきた迷いだと思います。
私自身の生活への支障などとるに足らないことだと思っていますし、状況を見極めるまでじっとしているしかないと思っています。直接行動できないことは本当にもどかしい、でも私は自分の仕事をするしかないと思っています。しかもその仕事は、決して読者のために書いているものでも、嫌な言葉ですが「癒される」ものでもない。でも続けていくしかありません。
うまいことは何も言えません。今この現状で不快に思われる方がいたら申し訳ありません。
2011/3/13 日曜日
おそろしくて悲しくて、ずっとラジオを聞きながら怯えて過ごしていましたが、やっと少し落ち着いてきたので仕事も始めました。
ウチの犬どもは地震の予知などいたしませんが、昨日の少し大きな余震の直前に隣のキジが一声鳴きました。夜にキジが鳴いたのなんて初めてだったので驚きました。
2011/3/11 金曜日
地震で被害に遭われた方、交通の遮断等で大変な思いをされている方に心よりお見舞い申し上げます。不安な夜、どうぞあたたかくして過ごされますように。
昨日ラジオに出たばかりだったので、こういうとき自分は生放送中に冷静になれるんだろうか、と考えさせられました。
私は幸い家にいて無事でした。一番近い家のおばあちゃん(とてもステキな方)が一人暮らしなので伺いましたが、会って話してこちらも元気になりました。
2011/3/10 木曜日
3/25発売のビッグ・コミック・スペリオールの「Like a Rolling Cassette」という音楽のコーナーにインタビューで出ます。お相手はあの湯浅学さん。取材そのものは去年12月に済んでいるのですが、ゲラを見たら茶色と牛の写真も載っておりまして、これがまあカメラマンのお兄さんにむかっていい顔をすることすること。プロの腕前ということならば、私だって美人に映ってもいいのですがそんなことは全然なくて犬だけがいつもよりずっと可愛く映っている。興味のある方はどうぞ。
夕方FM。おすすめ本は野田秀樹「21世紀を信じてみる戯曲集」。セレクションはナナ・ムスクーリ「コム・アン・ソレイユ」、エンディングはタック・アンド・パティ「ドリーム」。
2011/3/9 水曜日
色がキレイでこの時期嬉しい。タマネギをオリーブオイルで炒めて皿にとっておく。その後のフライパンで鮭を焼きながら大きめにほぐす。刻んだ春菊を入れて炒めすぎない程度でタマネギを戻す。1分短く茹でたスパゲティとゆで汁少々を入れ、さっと混ぜてできあがり。好みでマヨネーズ。
誰も知らないし、知りたくもないだろうけど、私が寝るとき一番落ち着く姿勢。横向きで膝を曲げ、肘から先を前方に伸ばして手首は下げる。これって幽霊のポーズだ、と思ったら可笑しくて起きてしまった。眠れないとき試してみてください。甕棺墓の夢が見られるかもしれません。
数年前に藤岡藤巻のお二人と対談したとき「オヤジ小説書きます」と宣言したのが『末裔』を書いたひとつのきっかけで、110ページあたりにその影響が露骨に出ています。今日はお礼かたがた本を進呈しに行ってきました。お会いしたのは久しぶりでしたが、めちゃめちゃ楽しかったです。
しかし午後7時の新橋烏森口、オヤジが多すぎて迷彩というか保護色というか藤岡さん、藤巻さんが全く見つからない。ほどなく電話があって「あ、いたいた」って言われるんだけど、すぐそばに現れるまで全く見えませんでした。
2011/3/6 日曜日
下りて来るのにはいくつか種類があって、例えば「ばかもの」や「海の仙人」のラストみたいに映像が見えるやつ、「エスケイプ」や「末裔」のように言葉だけ来るやつ(これが一番多い)、そして「逃亡くそたわけ」や「愛なんかいらねー」みたいに登場人物が突然喋り始めるやつがある。
手作り味噌、ネギ、キノコ類、白菜という頂いた品々があったので、昨夜は豚みそ鍋にした。美味しいんだけど一人鍋ってツマンネと思ってちびちび飲んでたら突然、「不愉快な本の続編」の例のヤツが喋りだして、延々それが続いて、途中で編集者に電話したり心配事を解決したり仮眠とってもまだ続いて、聞きながらメモしていたら結局A414枚分喋った。
一人鍋にしたら登場人物が喋ってくれるってジンクスがあるとしたらやだな。キャンプならまだしも、家じゃほんと退屈なんだもん。
昨日の答。1.季節は変わって来てる「わけ」なのに(筈なのに) 2.なんなん(なんなの?) 3.たんびたんび(たびたび、そのたびに)