Diary

牡蠣で当たったときに一晩中便器とお友達になるみたいに、今の私はパソコンとお友達である。今日は集中できた。海の仙人は詩なんだということが判ってきた。とにかくあるもの全部書かないと気持ちが悪い。2月中には骨格があがると思う。そこからまた切った貼ったするんだろうけどさ。
兎に角、これが仕上がるまでは鬱に来てもらっては困るのである。まあ、来るときゃ来るんだけどさ。


念ずれば通ず

会社というところは、どうも標語やことわざが好きらしい。私の得意先には月間の標語を達筆で書いたところが多かった。全て実話である。
「石垣」事務所に入るといきなり「石垣」である。どうにか人目を盗んで「いちご」と書きたかったが怖い目つきで佐賀弁ばりばりのオジサンが睨みを聞かせていて目標を果たせなかった。
「汗をかけ、知恵をしぼれ、やる気のない者は黙って去れ」いつも黙って去ろうとして「糸山さんこれ、どうなっとるの?」「こっちも大至急頼むでよう」とつかまってしまった。後にこの会社からはどんどん若手がいなくなった。
「棚からぼたもち」最初は笑った。でもその会社、黙って去れの会社から人材を引き抜きまくって商売繁盛したのがその翌年の話。2年後、地区で最大手の競合先がつぶれて会社ごと引き取った。棚ぼたがそんなに深い言葉だったとは。


だからバカ車が増えるんだ

「嫁さんが左ハンドル運転できないんで」とか「マニュアル運転できないんで」とか言うバカについて。できないくせして、車選びの指南役はその嫁さん、デザインがどうの、メーカーがどうのと小賢しい、そういうことを一々他人に報告するバカ旦那がいやらしい。これが、一人でトイレに行けないとか洋服が着られないとかだったらまじめに聞くが、左のマニュアルなんざ三日も練習すりゃ慣れるんだよ。怖がってるとか、技術が劣ってるとかを逆手にとって可愛いという図式はもうやめないか、フェミニズムのつもりの女性蔑視か。まあ、一言で言えば見苦しい。
え? 男のオートマ免許? すまんそれ個人的に論外。


いやほんの寝巻きですよ

いつからか、睡眠の不安定な頃だったかもっと前かは忘れたが、ジーパンで寝ている。友達でも一人そういう奴がいて妙ちきりんな男だと思ったが、試してみるとこれが便利。起きてすぐにパンを買いに行ける、寝る前でも煙草を買いにいける、地震があってもさっさと避難できるだろう。それだけではない、下半身のでぶ防止になるのである。痩せはしないが、現状維持が出来る。上半身は普通にフリース、この時期はノーブラとか気にしなくていいかららくちんである。いや、パンツは履いてますよさすがに。
今日は雨だった、乗馬用のコートは鞍も濡らさないようにするとか、機能も満載なのだが、馬に乗ってないときにはあまり関係ない。どうでもいいんだけどこれが紫色、傘がカーキ緑、雨靴が赤…だんだんなんかに似てきたぞと思ったらちびくろサンボでした。ホットケーキを百五十八枚食べたくなりました。(正しくは169枚でした)


限定

食う量や眠る量と一緒で、人間が一日乃至一週間に書ける量というのは、決まっているんじゃないかと思う。俺は前に物を書く(ちゃんとした文章じゃない)アルバイトをしたことがあるが、一日8時間から10時間やってると、何も書こうという気にならなかった。日記は無理やり書いていたがすごく苦しかった。小説は一行も書けなかった。今は毎日朝から晩まで小説を書く。すると日記がお粗末になる、こんな具合だ。


問答無用のバレンタイン

一日中、小説を書いたり直したりしてた。疲れるけれど楽しい。まだやるべきことがたくさんある。まだ全然足りてない。まだ物が書ける。
できることなら、誰か友達と話がしたい。小説の中と外の話がしたい。どっかでゆったりして話したい。だけど私には友達がすごく少なくて、みんな忙しそうだ、それにまだ外は寒い。昨日はアメリカから葉書が来て、今日は精神病院からメールが来た。私はどんどん喋るのが下手になっていく。
バレンタイン? とっくに手は打ったよ。クリスマスは嫌いなくせにバレンタインはいいのかって? いいじゃん細かいこと言うなよ。


番茶も出殻

うちの母には「冷やかし」という悪い癖がある。例えばスカートはいてるだけで「あらスカートなんかはいて誰と会うのかしら」と来る。化粧もそう、冷やかされると腹が立つし恥ずかしい。どかすかと部屋に戻って化粧を落とし、一番男っぽい格好に変えて出て行く、それが家にいた時の自分だった。だんだん癖になって、一人暮らしでもそうなってしまった。だから当然と言えば当然、男に間違えられた。
最近はちょっとそこまででも化粧する、アイラインもチークもつけるし、胸をわざわざ潰すようなブラジャーの仕方もやめたし、スカートだって履く。こんな年になってやっと出来るようになった。色気づいたわけじゃない、鬼の三六 番茶も出殻である。旦那もガキもいないんだから、せめて「おねえさん」と呼ばれたいお年頃なのだ。おかげさまで電話の声とかは今でも間違えられるけれど、トイレでキャーとか言われるのはなくなった。


見合いの相手

車で小平に通院。車の中は寒いけどやっぱり電車よりずっと楽。
禿先生は、私に抗鬱剤を使わずに躁鬱をコントロールしようと考えているらしい。抗鬱剤だと躁転しやすく効き目が不安定だからということだ。かわりに抗精神薬や安定剤の類を使う。その候補がセロクエルであり、リスパダールであったが、両者ともさんざんだった。片っ端から見合いの相手と喧嘩してしまうお嬢さんみたいだ。現在リスパダール1日一錠にしているがこれなら問題ない。今は調子がいい。久しぶりに気分が落ち着いている。躁の芽がまだあるような一抹の不安があるが、なにせロドピンを山ほど飲んでいるんだ、多分大丈夫。でも内心では、退屈しのぎに新しい薬でも飲みたいなと思っている。


小説の書き方

風邪が治った、雨もやんだ、白蓮の花はまだ咲かない。俺は部屋で小説を書いている。
小説を書くというのはずいぶん変な行為だと思う。ありもしない話のことで悩む、つじつまが合わない出来事を削除する、ページ一枚で登場人物は年をとる。もう海の仙人の登場人物のことは顔から歩き方まで手にとるように判っている。毎日会う友達みたいに知っている。俺は主人公の話を注意深く聴く。機嫌が悪くて喋ってくれない日もある。背景の日本海は2年前に見たままだろう。
インターネットも不思議だ。会ったことのない人が俺の日記を読んでいる。俺がその人のことを知らなくても、その人が俺の名前や顔を知らなくても、俺のことを半分知っている。


無題

日記を休んだのはいつぶりだろう。日記が書けなくて小説には手がのびる、それはそれでいいことか。1時間くらい寝るはずが眠剤なしで10時間以上寝て、起きてシャワー浴びようと思ったら頭が痛い、なんか調子悪いぞ。鬱じゃないと思うけど、風邪かな。


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