Diary

念ずれば通ず

会社というところは、どうも標語やことわざが好きらしい。私の得意先には月間の標語を達筆で書いたところが多かった。全て実話である。
「石垣」事務所に入るといきなり「石垣」である。どうにか人目を盗んで「いちご」と書きたかったが怖い目つきで佐賀弁ばりばりのオジサンが睨みを聞かせていて目標を果たせなかった。
「汗をかけ、知恵をしぼれ、やる気のない者は黙って去れ」いつも黙って去ろうとして「糸山さんこれ、どうなっとるの?」「こっちも大至急頼むでよう」とつかまってしまった。後にこの会社からはどんどん若手がいなくなった。
「棚からぼたもち」最初は笑った。でもその会社、黙って去れの会社から人材を引き抜きまくって商売繁盛したのがその翌年の話。2年後、地区で最大手の競合先がつぶれて会社ごと引き取った。棚ぼたがそんなに深い言葉だったとは。


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