Diary

バナバナ

ダカールと言えばバナバナ。商品を持って市内を練り歩く行商人のことを「バナバナ」と呼ぶ。人口200万人のこの街にはデパートもなく、スーパーと市場があるだけだ。それでどうしてもバナバナに目がいく。携帯電話のプリペイドカードのような必需品から、浮き輪だのアイロンだのモップだのスカーフだの、ありとあらゆるものを持って歩いている。できることなら私も温水洗浄便座を首から下げて売りたいと思うほど。
同じものを売っているバナバナでも、笑顔のきれいな子供にはつい、負けてしまう。例えばホテルのベランダにいても、君から買うよ、とか、あとで買うから待ってて、とか、また今度ね、とか、ありがとう、とか、こっち流のジェスチュアで話ができるようになった。声をかけるには歯の間から強く「スー!」と音を出せば振り向いてくれる。

今日、私はサンルイという街から帰って来たのだが、朝からダカールは大雨で大変だったらしい。道中、水たまりもたくさんあったんだけど、そんなことよりダカールの傘売りバナバナの多さ。一体この国のどこにこれだけの傘があったのか、と呆れるくらい。一体何売りから転向したのか聞きたいくらい。

私も自分の本のフランス語訳(現状、沖で待つしか出ていない)を持って売り歩きたいなあ。


友達できたぞ

停電、断水、携帯の不通は日常茶飯事のこの国、後から考えればネットが何日も繋がらなくたって驚くことはないんだけど、ちょっと焦ってました。日本のニュースだって知りたいし、絲サバの原稿が送れなかったらやばいし。なす術もなく待ってたら、昨日復活しました。

滞在一ヶ月を過ぎて、ぐんぐんセネガル人の友人が増えました。嬉しい毎日です。一ヶ月で帰らなくて本当によかった。前から知っている人と遠慮なしにいろいろ喋れるようになったり、初めて会った人と一瞬で打ち解けたり。フランス語もウォルフ語も殆ど上達していないのだけど、言葉にこだわらず、気持ちの表現を大事にするようにしたら、たくさん笑えるようになって、いろんなことが変わりました。

二ヶ月目は旅が多くなります。きちきちとは更新できないと思いますがご心配なく。私はしょっちゅうお腹を壊していますが、元気です。皆様も夏風邪などひかないで下さいね。


ブーブーできたよ

海はすぐ近所。白人浜は金がかかるしちっとも面白くないので、現地の若人が腕立てやヒンズースクワットで体を鍛える隣の浜辺へ。久しぶりに泳いでリラックスできました。

ブーブーというのはこっちの女性が着ているだぼっとした服のこと。私もちょっと派手な服地を買って来て仕立ててもらいました。上着の首周りには刺繍をぐるりと入れて、下はスリット入りスカートで。ちなみに服地と仕立て代で5000円弱。とてもエレガントです。偉い人と会ってももう安心です。日本で文学賞とかもらっても正装だからOK。でもアッパッパーだからすごく楽。
そしてなんと、痩せて見える!
こっちのマダムたちは10人いたら9人まで相撲取りのような体型なのですが、私なんてもう小兵も小兵、痩せっぽちにさえ見えるのです。ここだけの錯覚だとはわかってます。
もうダイエットはいらない、ブーブー最強。
これ着て日本に帰ります。


セネ飯とヘンなおじさん

昔から、海外へ行くと決まって食べたくなるものはカレーだった。ところが、ここのセネ飯というのはハヤシライスのバリエーションみたいな感じで、飯の上にどさっと魚や肉、野菜を煮たものがのっかっている。種類も多くて飽きないので毎日食べていると、とてもカレーを作る気分にならない。おいしいけれど油っこいので、毎日二時間も三時間も歩いているというのに着々と太っていく。二つ持って来たカレールーはお世話になっている邦人に献上することにした。

まだ電話でしか話してないのだけれど、このでたらめな街には名物おじさんがいる。ちゃんとしたセネガル人だけど、日本語で歌ってくれるのだ。私が名前を教えたら早速歌ってくれた。歌詞はこんなんだった。
 モウカリマッカ
 ボチボチデンナ
 アケマシテオメデトウ
 アキコ、アキ〜コ、オトモダチ
 サヨウナラ
うろうろしていれば必ず行き合えるということなので、楽しみにしている。できることならFMぐんまに出演要請をしたい。


消化器セネガル仕様

今週は疲れもあってひどく腹を壊して発熱、その後胃も壊して嘔吐、そんな感じではじまりましたが負けることなくセネ食を食い続け、後半には元気になりました。
言葉は相変わらず驚異的な語彙のなさですが、なんとかやってます。相手の言うことは半分くらいしかわからないけど、自分の言いたいことはメチャクチャな文法で100%判らせるというわがままぶり。
こちらの日本人にもよくしていただいて、おかげでホームシックにもならずに済んでます。あ、でも日本酒は飲みたいなあ。
ではまた。


近況報告

ご無沙汰してます。私は元気です。
ダカール、いいとこですよ。気温も日本より低いし、いい海風が吹いて快適です。
人は多いけれど、笑顔もたくさんあっていい感じです。
ご飯(セネ食)は旨いです。ホテルもキッチンがついていて快適。下にカフェがあるので、毎朝カフェオレを飲みに行きます。
物価は意外に高いです。輸入品が多いので。まだ金銭感覚ができてないのですが、昨日スーパーに行って青ざめました。
いろいろ書きたいことはあるんですが、書き下ろしの本に書くことがなくなっちゃうのでこれくらいで。また書きます。


それでは行ってきます。

躁でも鬱でもなく、健康な状態で行けてありがたいです。
同じくらい元気で帰ってきたいな。
見たもの聴いたもの食べたもの、本が出るのは先のことですがお楽しみに。
そして、ここを読んで下さっている皆様に楽しい夏が来ますように!


編集者は正しく、カレはありがたい

モスバーガーも食ったし荷物は完璧だし、昨日は山が美しくてちょっと泣いちゃったし、もはや激ヒマ。
先週だったか「日曜日、もしもてあましてるようでしたら遊びに行きましょうか」と一番長いつき合いの編集者に言われたときには、「さすがに前日はバタバタしてるかと思いますので」と断ったけど、編集者は正しかった。直前にバタバタすることなんてありゃしない。

イタ車というのはほったらかすとバッテリーはあがるし調子も悪くなる。不在中はカレがクルマを動かしてくれる。運転のうまいカレとはいえ、いきなりキー渡して済むクルマじゃないんで、午後から引き継ぎ。もちろんそのままだらだら飲むことになるでしょう。


心残りのモスバーガー

ただでさえ太って着るものがないのに、その僅かなポロシャツやなんかをトランクに詰めてしまったので恥ずかしいくらい同じ服ばかり洗濯して着回している。冷蔵庫にはハムとチーズと牛乳だけ。きれいになくなりました。
食べるの忘れてたもの、思い出した。モスバーガー。温泉のついでに寄ろう。
もうやるべきことも買うべきものも殆どないので、今日明日はゆたーとするつもり。
メールたくさんいただきましてありがとうございます。たまーに日記も更新しようと思います。


こっちはもうスカスカ

榛名が美しかったので出かけて行って市役所の21階に登った。しみじみと赤城や武尊や妙義や荒船を見た。
帰りに焼きそばを食べて豚汁を飲んだ。
なんだかまわりの編集者がみんな慌てている。大丈夫なのに。
今日はマガジンハウス引き継ぎ。これはやむを得ない事情によるものなので、日程に余裕があってよかった。


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