Diary

バナバナ

ダカールと言えばバナバナ。商品を持って市内を練り歩く行商人のことを「バナバナ」と呼ぶ。人口200万人のこの街にはデパートもなく、スーパーと市場があるだけだ。それでどうしてもバナバナに目がいく。携帯電話のプリペイドカードのような必需品から、浮き輪だのアイロンだのモップだのスカーフだの、ありとあらゆるものを持って歩いている。できることなら私も温水洗浄便座を首から下げて売りたいと思うほど。
同じものを売っているバナバナでも、笑顔のきれいな子供にはつい、負けてしまう。例えばホテルのベランダにいても、君から買うよ、とか、あとで買うから待ってて、とか、また今度ね、とか、ありがとう、とか、こっち流のジェスチュアで話ができるようになった。声をかけるには歯の間から強く「スー!」と音を出せば振り向いてくれる。

今日、私はサンルイという街から帰って来たのだが、朝からダカールは大雨で大変だったらしい。道中、水たまりもたくさんあったんだけど、そんなことよりダカールの傘売りバナバナの多さ。一体この国のどこにこれだけの傘があったのか、と呆れるくらい。一体何売りから転向したのか聞きたいくらい。

私も自分の本のフランス語訳(現状、沖で待つしか出ていない)を持って売り歩きたいなあ。


TOP