2003/1/12 日曜日
ノイズばかりの苦しい眠りから覚めると僕は全く正常だった。バカ食いの不安は去っていた。躁でも鬱でもない、ゾテピンが効いているところの正常。今ならなにかが言える、僕を乗せた馬は後肢を力強く踏み込むとゆるやかに駆足を始める。何かから逃げるような興奮したギャロップじゃない、一歩一歩を味わうような、大きな動きのキャンターだ。
まともな気分を感謝したい気持ちを、宗教を持たない僕はどこに向けたらいいのだろう。医者じゃない、薬じゃない、僕の周りに自然はない。僕は生存報告を書く。「生きることと書くこと」は僕に関して言えば変わらない。文章の、どんな小さな兆候でも見逃したくないと思っている、パソコンの前に座ったまま日は暮れ、夜は更ける。
今日は昼まではふつうだったので、ご飯を食べてから羽田空港二丁目に避難してみた。それはもう、何もないところなのだ。時代物の東急ホテルがぽーんと建っているだけ、コンビニもないし何も手に入らない。そこでぼーっとする予定だったのだ。
だが僕の内に巣くった甘党過激派はそんなことでは黙らなかった。タバコを吸っても騙されなかった。「甘いものをよこせー」彼らはシュプレヒコールを始めた。僕はもっと書き物やらなにやらそこでしたかったのだが、もう何も考えられなくなってしまった。何も、たとえば東急ホテルでトイレを借りることさえも。僕はバス停でうなだれた。
マルエツは遠いしヨーカドーには行けない、東急ストアで850円、菓子だけで850円使った。全部はさすがに喰わなかったが7割方喰った。自分が軍隊アリになったかのようだった。例の乳脂肪を固めて排出するという「アブラマジック」は飲んだけれど、だってアブラマジックだよ? 信用できすか。(できるもんか、の三河弁、吐き捨てるように言うのがポイント)(さらに畳みかけるときは)ほーだらー?
喰い終わって見ると、あんなに苦労して痩せたのに、と情けなくなる。せっかく調子よかったのに、何の誘因もないのに、こんな、過食なんかしているのが本当にばからしい。
2003/1/11 土曜日
学大でイチゴのビスケット生地ケーキを食べた。普通のガトー・フレーズよりも生地に重さがあって美味しい。イチゴのクリームもすごく美味しい。ちょうど、ベビーピンクのカーディガンを着てたので気分もそんなんだった。今日は歩いて帰るのはやめた。強行軍の時はもっとオッサンみたいな格好で黄色いニューバランスの靴の時にしよう。
お菓子を食べているときって、うっとりとエスカレーターに乗っているみたいだ。歩かなくても舞い上がっていく感じ。愉悦という言葉はこういうときに使うのかな。ああ、こんなこと俺様日記のときには書けなかっただよ。
お菓子が嫌いだったのはいつの話だろう。多分毎日お酒を飲んでいた頃だ。血糖値が高かったのだ、と自分なりには思う。お菓子を食べた後には罪悪感があるけれど、酒を飲んだ後はぐうぐう眠ってしまえばいいので楽だ。罪悪感とか言いつつ帰りにチョコレートを買って帰る。いかんいかんも好きのうち。
2003/1/10 金曜日
やばーい感じは朝からしていた。しばらく押さえつけていた反動が来た。
@tower.jp(タワーレコードの通販)でCDを3枚買った。
図書館で5冊借りた。
マルエツでマクビティのチョコビスケットを買った。
薬のカツマタで「アブラマジック」というダイエット食品と栄養補助食品とシリアルを買った。
そして買って来たものを食い散らかした。(何食った掲示板参照)まあ、いつもいい子じゃいられないってことですか。さてこれからどうなる俺様?
2003/1/9 木曜日
今朝も俺様は4時半起きだが、朝食後ずっと続いていた早朝覚醒分の不足睡眠を午前中に取り戻す。コマ切れ寝だが、ジャラ銭あつめて買い物をしたように気分がよくなった。
午後からプールに行ってまたへとへとになる。そういや昨日は4回外出(うち3回車)したんだ。最後の方は目がちかちかした、疲れてたんだ。俺は今日こそは蒲田へ帰る。どうせ火曜にはまた来なきゃならないんだ。帰る。
しかしいい匂いがしてくる。カレーだ。ときに匂いは言葉よりも雄弁だ。うーんわかった、夕飯食ったら帰る。
2003/1/8 水曜日
朝8時、車のフロントとリアウィンドが凍ってばりばりだった。お湯をかけて溶かすんだけど(いいのかな?)また凍る。ヒーターは効かない。やっぱダウンがいるわ。
病院に行くと雪がまだ残っていた。寒いわけだ。
「足元で動物が動いたり後ろから顔に見られたりする気がする」と禿先生に言うと、
「動物は見えますか、見える感じだけですか」と聞かれる。
「虫は動きますが動物は感じだけです」
我ながら変なことを言っていると思う。
アルコール中毒や薬で遊ぶ人にはままある症状だがどちらもあてはまらない。
「幻覚と錯覚の間かねえ」先生は唸ってとりあえず今週はセロクエル一錠だけ寝る前に復活させることになる、次回は来週になった。ルボックスやめたから幻覚が一発で消えるメレリルが飲めるじゃん、と後で思い出した。来週ご注進してみるか。ロドピンとの相性が悪いのかもしれないが。
「暮れの忙しい中必死になって書きました」
禿先生が手帳申請のための診断書をくれた。こんなに書類が(あとパソコンも)嫌いでよく偉くなったものだ。まあ、患者から見ればすごく偉いけどさ。
「すみませんでした」
「いや、仕事ですから」
そうだった、3150円払うのはこっちだ。
区役所に行って、手帳申請と32条更新と税金免除の申告をしてくる。手続きをしないと4月から東京の32条も5%とるようになるのだ。石原都政はろくなことしねー。
区役所に行ったらもっとむかつくことがあって日記で皆様を喜ばせられるかと若干期待したのだが案外、区役所は駐車場から健康作り課(このネーミングは理解できない)、納税課に至るまで感じよく、手際よく済んだ。そこらの銀行より接客がいい。J信用金庫にもぜひ見習ってもらいたい。世田谷区役所からの天下り大歓迎である。
2003/1/7 火曜日
新しい水着で泳いだらクロールのヒントを掴みかけたような気がした。息継ぎをする右側の腕の入れ方とタイミングだ。クロールなんかより小説のヒントならいいのにと思いながら帰って来て化粧をしてコーヒーを飲みに行く。今日こそチーズケーキを食べるのだ。
物が書けるいつもの場所で、筋トレのように自分に課した「街に関するエッセイ」を書く。過去に喋ったり書いたこととずいぶんだぶるけれど、私にとってはこれが「街・五十選」であり、5個か6個の街の入った9枚のhtml文書はいわば福袋だ。
今日は東急バスの一日乗車券を買った。500円で6回乗った。1回あたり83円、これは安いでしょう。
2003/1/6 月曜日
プールでやっている「水中ウォーキング教室」に出る。もちろん無料。水中ウォーキング自体水のなかでやる筋トレのようなものだが、それに体操のような要素を加えて下半身の筋肉を鍛える、一時間みっちり体を動かす。柔軟性とバランス…ふらふらしながら苦手だった馬場馬術を思い出した。普段いかない25mプールで窓と屋根から入ってくる日光を存分に浴びて顔が熱くなった。
午後、高島屋まで歩いて行って水着を買った。5つの海を泳いだ茶色の水着はゴムが劣化してきて垢が浮いているように見えるし、母が持っていたspeedの水着は薄手ですぐ穴があく。次はどこに穴があくものやら、ロシアンルーレットを身にまとっているようなのだ。海用の水着はいかにも派手だし、ここは一つなんとかそこを頼むよ何をナニしてソコをアレしてなのである。
高島屋にあったのは黒字にパイピングの入ったarenaの面白くもなんともない競泳用、それで¥9,900もする。まあ乗馬の道具に比べたら安いと言うべきか、競技人口の多さを思えば高いと言うべきか。
頭の方はあまり働いていないようだ。物忘れがひどいのと、自分のまわりに小動物(猫とか虫とか)がぱーっと走り出したり消えたりするように見える幻覚? がある。フローリングの木の節がゴキブリに化ける。目を上げると、顔や能面がぶらさがって見える。なんと言えばいいのだろう。
2003/1/5 日曜日
友遠方より来る四日目
友達が帰った。さらっとした奴だから四六時中一緒にいてもキリキリしなかった。来る前はぶち切れるんじゃないかと恐れていた、無事で何より。年末猛威をふるった躁はとりあえずおさまっている、ロドピンでバランスがとれている。
コーヒーがなくなったし、プールにも行きたいので実家に行くことにした。疲れたのか、甘いものが食べたい。
iBookを持っていくかどうか決まらない。ジーパンを持っていくかどうか決まらない。どのバッグを持っていくか決まらない。喫茶店に寄るかどうか決まらない。車がこっちにあればなあ。でも出かけるのだ。落ち着かなくても出かけるのだ。
そろそろ私も仕事始めだ。書けるかわからないけれど、書きたい気持ちになってきた。
・新人賞受賞
・小説を4点書く
・200メートル個人メドレー
・九州と北陸に旅行
・つまらんオトコとつきあわない(ダメ専脱却)
バタフライよりもダメ男の方が難しいかもだ。