2003/7/3 木曜日
講談社へ。入るのに電話番号まで書かされる。社屋のデカさにびびりつつも2時間半喋って来た。今すぐに仕事をできるわけではないが、今後よろしくお願いしますという感じである。しかし家計はそんな「のんびりした感じー」なんて言っていられる状況ではないのだ。先月も今月もロッテンマイヤーしか収入はない。
そのロッテンマイヤー、本日は日本の地名当てクイズと世界の国の首都当てクイズ。あとはドリトル先生をやってから船の絵を描く(ドリトル先生はまさに航海中)。途中で毎度のことながら007のゲームで殺戮を働く。
2003/7/2 水曜日
新しい小説についての資料を借りる。それからル・クレジオの木の国への旅、という絵本をいただいてとても嬉しかった。クレジオの文体というのは、フランス人に言わせると平易でとてもいい文章らしい。(日本語訳でも特徴のある文章である)ボルドーで習ったとき、初級フランス語のクラスの教材にも短い、海についての文章が出てきた。私は原書を4冊持っているが、それは「巨人たち」のコラージュと「調書」の挿し絵を見て楽しむほかは、ただ持っているというだけのことかもしれない。でも、わからないなりに音読したりするとぞくぞくしてくるんだよね。絵本を読んでまた原書を見てみようかな、と思った。3分で挫折するけれど。
海の仙人の加筆部分と新しい小説の登場人物、設定を考える。取材がいくつか必要だけれど面白くなるかもしれない。
2003/7/1 火曜日
夕べは新横浜でお酒をご馳走になった。お友達のTさんは忙しくて来られなかった、また別の機会もあるでしょう。都心に出ていくより、横浜に出ていく方がはるかに楽だ。久しぶりに酔った。大森までプチ乗り越しをした。よかったよ大宮とかじゃなくて。
今日は両親が欧州から帰ってくるので実家へ。土産話でいちばん笑ったのが母が見るフランス語の夢。それはもう相手の言ってることが全てわかるのだそうだ。
2003/6/30 月曜日
あっぱっぱーの季節がやって来た。名古屋(三河?)じゃふつうに空間や物が開きっぱなしになった状態のことをあっぱっぱーと言う。建築で下がり壁や間仕切りのない状態を「ここはあっぱっぱーでいいんですか」などと言う。便利な言葉だが、今日はその話じゃなくて着るもんのあっぱっぱー。聞くからに涼しげ。
ユニクロで売っていたあっぱっぱーは「タンクドレス」と名前がついてた、要はタンクトップの長いやつ。長いといっても短い。色っぽい。いや、人による。これを着始めてしまうともう、Tシャツとか短パンとかは用無しである。風呂上がりのあっぱっぱーなんかもう、たまんない。シーブリーズのボディシャンプーでシャワーを浴びて、ドライのきいた部屋に戻ってくると「ひょぉぉぉー」と叫びたくなる。そのままごろごろしても一人暮らしはパンツが見える心配もしなくていいし、上からスカートはいてしまえばふつうのタンクトップになる。さすがに駅まで行くのは気が引ける。街の風紀は乱さない。いや、元々乱れてる街だった。
2003/6/29 日曜日
せっかく名古屋にいるから東京で出来ないことをしようと思って、日曜日のデパートにお買い物に行った。(東京だとまず新宿まで行くのが一苦労で、その後試着室の長蛇の列を見ただけで死にそうになってしまう。)適度に空いていてついでにセールでお値打ちになっていた。夏物のスカートとカットソーを買う。友達と一緒に買い物するなんていつぶりだろう、楽しい。
楽しかったけどやっぱり途中でへたばってしまい、新幹線で座れなかったらどうしようと心配したがあっさり名古屋始発で通路側の席に座れた。よく眠った。
2003/6/28 土曜日
名古屋に来た。元いた会社の名古屋支店の連中が祝賀会をしてくれるというのでのこのこやって来た。営業だけじゃなく、部長たちや女の子たちも来てくれて嬉しかった。名古屋にいた頃は自分が発狂したり小説を書いたりするなんて考えたこともなかったから、驚かれるのもよくわかる。
3次会は部長がスナックへ連れていってくれた。元々知っている人だがママさんが小説を読んでとても気に入ってくれたとかで、はじめてサインというものをした。
帰り道、タクシーのなかで、確かに自分はここにいたんだと思った。
2003/6/27 金曜日
今度の話のプロデューサーと監督の作品の試写会があるというので見に行った。音楽も良かったし映像もきれいだった。原作より好きだ。いいんじゃないでしょうか。文學界の担当者に五島の話のメモを渡す、そろそろこれも始めないとまずいかも。
家に帰るとメールが来ていて新潮9月号(8/7発売)に載せるエッセイが一発でOKになっていた。慌てて直しを入れたものを再送する。さあこれで小説に専念するぞ。ほんとか、私。
夕方家にいるのは久しぶりな気がする。明日は名古屋。
2003/6/26 木曜日
前回思いきりだらけたので、今日のロッテンマイヤーは漢字の練習。海とか船とか知るとか思うとか、ドリトル先生に出てきた漢字12種類を10回ずつ書かす。とにかくここのぼんは漢字に弱い。絶対自分から書かない主義でもある。習ってませんとか生意気抜かすが聞く耳もたない。やれといったらやれである。その予定である。
しかし、ロッテンマイヤーきつくなってきたなあ。なんかかんかと毎日予定がある。普通の人なら出来るのか判らないけど、私は長年の無職ですっかり身体がなまっているからしんどいのだ。去年までは週に一度予定があれば良いほうだったのだ。理由にならないか。とりあえず日曜日、名古屋から帰ってきてからっていうのはやめようかな。
2003/6/25 水曜日
夕べ親しい人と電話で話していて、「海の仙人」の突破口が見えた。新潮に再提出する小説だ。一旦書いたものを、プリンを食べる時のようにぐすぐす崩しながら直していく。思っちゃいけないんだけど、躁状態になって小説を書き続けたい。いや、ほんと怖いしいけないんですけど。
直すと言えば、五千円、二万円、六万円、八万五千円。安い順に前歯の値段。車も入院させてるし八月まで収入ないのにんな高い歯つけてられっか。ブラジャーの試着室もそうだけど、歯医者の椅子でも高いもの勧められるとかなり圧迫感を感じる。いきなり劣勢って感じ、買うから勘弁してくださいって感じで。とりあえず即答できんと言ってきた。
学大に寄ってアナログ(手書き)で小説の直し部分を書いてから蒲田へ帰る。
2003/6/24 火曜日
文芸春秋にて映画の打ち合わせ。まだ最終決定ではないけれど、悪くないと思う。決まったとして、撮影はずっと先だけど蒲田ロケのときはこっそり見に行きたい。金曜日に別の映画の試写をやるというので見せていただくことにした。原作を買って帰る。
「第七障害」は来週以降ゲラが出て打ち合わせ、校正に入る。8月7日発売の文學界9月号に掲載予定。
先日OKが出たエッセイ(父への手紙)は「オール読物」の8月号か9月号に載る予定、確定したらまたここで書きます。
仕事の話ばっかりだな。えーと、明日歯医者なので実家に戻りました。少しはG4に慣れるかな、ホタテみたいに好きになれるかな。