Diary

子供の頃は猿でした

今日は「不愉快な本の続編」(新潮/中編)の原稿にわりにすんなり入って行けた。富山取材のメモを文章にして書きこんでいる。

なんでコブシの樹が好きかというと、子供の頃いつも登っていたからだ。樹の上でバナナを食べるのが好きだった。ええ猿でしたとも。あと蝸牛や蓑虫を集めるのも好きで、たくさん蓑虫を入れた紙袋を玄関にほったらかしたら全部天井に上がってしまい、母からものすごく叱られた。
今、ウチのコブシの樹には蓑虫が一つついている。空っ風で離れないなんてすごいと思う。あれじゃ天井からはがすのも大変だった筈だ。


利き手ナシ

年に何度か出て来る「利き手どっちなんだ疑惑」。ワカサギ釣りの竿は左手、エサつけるとき針持つのも左手、ハサミは右手。タバコは左、コーヒーも左、モノ投げるのと包丁と鉛筆は右。でもおそろしく不器用だからどっちも利き手じゃないって可能性も高い。散歩は茶色が左で牛が右。脳みそは多分左右ぐっちゃぐちゃ。

今日はワカサギ釣りの道具を物置に片付けて、ほったらかしの原稿に少し手をつけた。


ひっそりサイン本

合計6回榛名湖に通って、釣りはうまくなんなかったけどいろいろ覚えたり、思い出したりした。夜明け前の雪道を走ることとか、一人で外遊びに出て行く楽しみとか。冬が終わっちゃうのは悲しい(それに榛名は来年も必ず凍るとは限らない)けれど、春になったらキャンプに行くかなあ。

今日はお見舞い。本が読みたいとのリクエストがあったので、「親鸞」とか、「アフリカにょろり旅」とか、宮部みゆきさんの「ぼんくら」とか筒井さんの「ダンシング・ヴァニティ」とかにそうっと「末裔」も混ぜておきました。返さなくていいと言ってきましたが、「末裔」だけ返って来たらやだなあ。


どっしり腰を据えていた冬が旅立つ季節になって、春が攻めて来ている。春は不安定でいやだなあ。この家は3年目を迎え、コブシの木にはたくさん莟がついた。ぼやっと見上げていると犬どもが「膝カックン」をくらわせる。

今日は立川通院。帰りに、ハンガリー人翻訳者に『末裔』を献本。短い時間だったけれど、お茶を飲んでごはんを食べながらいろいろ喋ってほっとした。


昨日は講談社が17日発売の『末裔』著者見本を届けてくれた。オヤジが主人公の長編ということで今までと違うイメージをお願いしていたら、品が良くて面白みも感じられる装丁に仕上げていただけました。

昨夜はかなりの勢いで雪が降ったので、今朝の犬どもは雪の中からボールを掘り出すという遊びに熱中、私は毎日履いている長靴に穴が空いていたことに気がついた。午後にはすっかり溶けました。


ウリツカヤさんと津島さん

犬連れで実家に行きました。両親と兄夫婦にワカサギを食べてもらいました。雪の日は縁の下にもぐってこんこんと眠っていた犬どもも、今日は日なたにだらーっと寝そべって肉球まで乾かしておりました。濡れた犬(と犬毛布)はどんなに悪気がなくてもたいへん臭うので、クルマに乗せる私としては今日のお天気は助かりました。

実家ではリュドミラ・ウリツカヤさんの『通訳ダニエル・シュタイン』を読んでいました。津島祐子さんの最新刊『葦船、飛んだ』の直後に読んだのは全くの偶然ですが、二人のすばらしい女性作家によって書かれた、過去と現在を結ぶ大きな物語には共通する点も多く、また自分自身ずっとあたためてきた『離陸』で目指している方向とも繋がっているように思いました。もちろん、私はあの二人と比べようもなく、出来ることははるかに小さいと思うのですが。


夕方FM。おすすめ本は津島祐子著『葦船、飛んだ』、セレクションは和田アキ子「リズム&ブルースの女王」「Dynamite a go go!!!」、エンディングはウィルソン・ピケット「ヘイ・ジュード」


犬どもとの新しい遊び

歩道のある道なんて滅多にないので、散歩のときに必ずやらせているのは「クルマが来たら端へ寄って通り過ぎるまで待て」ということ。ニオイは嗅いでもかまわない。信号なんてないので、通りを渡るときはなにがあっても「止まれ」。自発的に座ったら大褒めする。

私が止まれば犬も止まるけれど、今日始めた遊びは「だるまさんがころんだ」。ぴたりと止まって先にこっちを見た方を褒める。遊びだからすぐ覚えて、嬉しそうだ。

「だるまさんがころんだ」は、私が子供だった頃、地元で変形バージョンで「インディアンのふんどし」(インディアンじゃなくてお父さんでいいじゃん)ってのがありました。京都人から「坊さん(ぼんさん)が屁をこいた/においだら臭かった」ってのも聞いたことがあります。もっと変なのありますか?


近況ご報告

体調はよくなってきています。人と会うのも苦にならないし自炊も再開しましたが、仕事はまだ休んでいます。こんなに休むのは2005年(ロビン・ヒッチコックが来日したとき)以来です。休むということ自体に罪悪感があるのですが友人たちから「いいことだ」「インターバルは必要」と言われて少しほっとしました。

一人で榛名行って釣りばっかりしています。釣りに行かない日は本読んでいます。まだしばらく、毎日の更新は無理かもしれません、すみませんがもう少しお待ちください。


犬刑事ドラマ 犬陽に吠えろ

ブラインド越しに外の景色を窺うボス。それを見てシッポを振って小躍りするチャーさんとハスキー刑事。

ボス「チャーさん、犯人の特徴はつかめたか」

チャーさん「ホシは若い男で、この近辺に住んでいると思われます。乱暴で怒りっぽい性格だそうです」

ハスキー刑事「まるでチャーさんですな」

チャーさん「黙れこの牛柄模様が」

ボス「仲間内でもめるな。待て、無線だ……犯人は高崎市内を南方へ移動中、行くぞ!」

ハスキー刑事「草の根分けてでも探し出します!」

おなじみのテーマを脳内に鳴らして夕方の散歩。チャーさんとハスキー刑事は犯人の遺留品(マーキング跡)をしきりに嗅いでおりますが、一体どんな事件だったのか人間の私にはさっぱりわかりません。


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