Diary

ヘッドランプ班長

今夜、集会所で班長会議がある。議題は新年度の取り組み、班長の業務など。しかし、プリントの一番下に「懇親会」とある。もちろんイヤじゃないんですよ、地元の人と知り合いになりたいし。

でもね、集会所だと歩いて帰ってこなくちゃならないでしょ。真っ暗ですよ。街灯なんてありません。停電とか全く関係ありません。クルマだってハイビームじゃなきゃ走れない。ヘッドランプ必要だな。いっそ「班長」って書いた御用提灯みたいのが欲しい。


書くのやめた

片品村の件、私も県内の事情はある程度知っておりますし、土地勘もあります。その上で以前からボランティアの事務局と連絡を取り合って「精神的なサポートの時期に入りつつある」ということで、現場の状況を知るために訪問し、かつ必要なものをお届けしたつもりだったのですが、

どうやら全く違う場所での情報からの思い込みからか、他の場所の写真のイメージからか、「体育館に必要もない本を送りつけた迷惑なボランティア」であるかのように思われた方も一定数いらっしゃったらしく、苦言を頂戴してしまいました。(片品村はスキー場等の宿泊施設を使用した避難です)

今後とも、事務局を通して相談しながら必要に応じて動くと思いますし必要ないことはしないでしょう。なにより群馬県内でしていることは、県民の一人としてささやかであっても協力したいという気持ちも変わりません。

私の行動については、なにかあれば片品村の「むらんてぃあ通信」に掲載されるでしょうし、関係のない方に誤解されたり、情報をさらに混乱させてしまうことは大変不本意ですので、ここでこれ以上具体的なことを報告するのはやめます。

おすすめの本など教えてくださった方々には申し訳ありません。参考にさせていただきます。ありがとうございました。


今日からFMぐんま「ビタミンカフェ」は隔週水曜4時〜6時の2時間出演となりました。2時間あればいろんなことが出来るので私も市川まどかアナも張り切っています。オープニングはジェネレーションX「レディ・ステディ・ゴー」、セレクションはまりちゃんズ「尾崎家の祖母」、エンディングはデビット・ヨハンセン&ヘンリー・スミス「リッチランド・ウーマン」、おすすめ本は角山栄著「茶の世界史」。

ここんとこiMacのメーラーとディスクドライブの調子がよろしくないために、iBookも抱え込んで次回以降の音源作りしながら今日の放送の準備。町内の神社当番のこともお願いして連絡しなくてはならないのだった。よせばいいのに大学院の予習まで同時進行でしたもんだからアタマのなかぐじゃぐじゃ。

窓の外で茶色が日なたに立って何が嬉しいんだかニコニコしてたので、寝ていた牛も起こして遊んだ。犬ってのはどんなタイミングでかまっても喜ぶからいい。そしてかまっていないときは、寝てるかじゃれあってるか。


書店員さんへのお願い

今回は書店員の方限定でのお願いです。この日記を読んでおられる方がいらっしゃいましたら、お知恵を貸してください。

昨日の日記に書きましたように、大人向けの書籍の差し入れも計画しております。避難して来られた方々の気晴らしや、つらく長く感じられる「待ち」状態の時間に本が役にたてればと考えています。片品には多くの方がいらっしゃいますので、本が好きな方もいると思うのです。

そんなわけで本を探しています。面白い新書、ページをめくるのが楽しくなるような写真の本、避難先で楽しめるかもしれない趣味の本、一度読んでおこうかなと思われそうなベストセラーなど。もちろん私自身あれこれ考えてはおりますが、おすすめしたい本の情報をメールにて送っていただければ幸いです。様子とニーズを見ながら少しずつ運びたいと思います。

少しでもかまいませんので、いい本を教えてください。どうぞよろしくお願いします。


片品に行ってきました

念のために、片品村は人口5000人で、1000人の福島県からの被災者を非常に早い段階で受け容れた、群馬県内の村です。

今日は何もわからないのでドライブがてら、児童書をたくさん持って様子を見に行きました。宿の訪問の後、小学校の説明会に参加して絵本、児童書の配布をしました。「大泥棒ホッツェンプロッツ」は、人気がありましたし、「銀河鉄道の夜」を抱きしめるようにした子にありがとうと言われたとき、心が震えました。ですがなぜか私は、バナナの叩き売りのおっさんみたいになってました。

地元の方々から、ラジオ聴いてますと言われてとても嬉しかったです。役場の方々は片品がラストシーンになった「ばかもの」を皆さんご存知で、物書き冥利につきることなのですが「ばかものの絲山さんだよ」「ああ、ばかものの絲山さんねー」と言われてました。

本なんてものが被災者の方に、今どれだけ必要かどうか、わかりませんが、次回は大人向けの読みやすい本を持ってお邪魔したいと思います。そのほか、できることをお手伝いしていきたいと思っています。


そんな理由でケッコンするやつぁいねーよ!

生まれて初めて結婚したいと思いました。いや、班長引き継ぎで、こらぁヒトリモノじゃおーごとだなって思っただけですが。班長は一年、教授も一年、しかしながら結婚は一年限定契約ってわけにいかないから無理だ。どうせ欲しかったのは笑顔で手伝ってくれるしっかり者の奥さん。でもそんな人がいたら、私が毎日叱られてうまかねーから一人でがんばります。今年度は病気できねー。

午前中、群像新人賞の選評を仕上げて送付。FMの5月の選曲をやりつつ、水曜日のおすすめ本の選定。新書の名著が2冊あったが一冊は残念ながら絶版になっていた。このあとエッセイの続きやって午後は小説まで行けるかな。

素敵な傘地蔵がお二方。「健康にただちに害はない」のに市場経由では入手できない旬のかき菜、そしてピースライト。嬉しい。


いいだべえ

飯田橋の東口の高架の壁に、「いいだべえ 平成二年四月」と書いてある。「飯田塀」ということなのだろうと推測はついても、群馬の人間には、「ものすごく惜しいけれど間違っている群馬弁」にしか見えない。正しくは「いいだんべえ」。

見慣れた風景のはずなのに、なぜだか埼玉北部、本庄早稲田〜熊谷のあたりの景色が三河に似ているなあと思った。広い平地に高圧線の鉄塔がたくさんあるからだろう。そんなふつうの鉄塔ではなく、見たこともないすごいやつが昔の刈谷にはあった。たまたま同僚の女性をクルマで家まで送ったときに見たのだが、ぶったまげた。正確には、依佐美(よさみ)送信所の鉄塔で高さ250mのものが8基も並んでいた。今はもう取り壊されてないのだと、後になってその同僚が寂しそうに教えてくれた。

北埼玉が三河であれば群馬は奥三河か。イメージとしてそんなに遠くない気もするが、群馬の人に「大きな奥三河」と言っても奥三河の人に「小さな群馬」と言ってもピンとこないだろうし、喜ばれないと思う。


配布物を町内のポストに入れる班の仕事がありました。犬の散歩がてら行きました。よそ様の敷地にキタナイ犬どもを入れたくないので、私道の真ん中で、

「止まれ」
犬:止まります。
「座れ」
犬:しぶしぶ座ります。
「待て」
犬:待ちます。

で、私がポストまで行ってプリント入れて振り向くと、のこのこやって来ていて足元で笑ってます。先生が黒板に向かってるときは何してもいいと思ってる児童と一緒です。メシ前ならどんだけでも待つのに。
「馬鹿野郎」
道の向こう側で洗車しながら見ていたオジサン、爆笑してました。 今後、特訓してやらねば。

今日は群像新人賞選考会に行ってきます。真面目にやります。
あと帰りの新幹線の乗り越しに注意します。


メールへのお礼

その後も29日の日記に関してメールをたくさんいただきました。一人一人にお返事できないので、感謝の気持ちと考えたことを書かせていただきます。

メールを読んでいて、共感して下さった方も、私も「言葉を奪われるような気持ち」がしたのかもしれないと思いました。それが違和感、危機感といった言葉に凝縮されているように感じられました。

私も29日の時点では、不謹慎と批判されることに臆病になっている状態での書き出しになりました。けれどメールを読ませていただいて、「言葉は、ほんとうに自由でなければいけない」ということを改めて意識しました。改めて、なんてモノカキのくせしてだらしないですが。

自由は、決して不謹慎とイコールではないんですね。そして混乱のなかでの無力に罪悪感を持つ必要もないです。但し、言葉を奪われる(マスコミの真似しか言えなくなる)ことは自分がなにかに利用されても文句が言えなくなることだと思いました。

それぞれ、違う立場で生きているのが社会というものなのですから、自分の言葉で話す方が健全です。なにもかも同じ基準で自粛を押し通すということには疑問を感じます。

いろいろなことを考えさせて下さって、本当にありがとうございます。拙い文章になりましたが心からのお礼まで。


未体験ゾーン

4月から、班長と教員という初めての業務が始まる。班長はなにがなんだかわからないので前任の班長さんに教わるばかりだが、ほかの作家も町内会とかやってるんですかね。私の地域で一番大変と言われるのは、一軒一軒町内会費を集めて回ることなんだけど、もしも村上龍さんとか西村賢太さんとかが(決して一緒のくくりではありませんが)町内会費集めに来たら、どうしたらいいんだろ。憧れの筒井康隆さんや辻原登さんが市の広報なんてポストに配ってたら、私は大名行列を待つがごとく一時間前から家の前で土下座していなければならない。ああ、ふつーのオバチャンでよかった。

法政は月曜日。なぜ月曜かって日曜の晩は高崎の飲み屋は9割方閉まっているから。自分が学生のときには毎晩飲んだくれていたが、父はいつも前日に予習をしていたので、どうも私もしなくちゃいけないようなのだ。あと月曜日はゴミの日ではないというのも重要なことだった。そして都内にムダな金なんか落とすことは決してせず、一目散に群馬に帰ってきたいので早い時間の講義を希望した。学生さんこんな理由で憂鬱な月曜日を作っちゃってすみません。


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