Diary

直線番長

いつもの店で「新車でどっか行った?」と聞かれ「講談社」としか答えられないのは情けない。意味もなく名古屋あたりまでぶっとばしたい。
ティーポの最後の頃は、車に乗るのが正直言って面倒だった。また水温が上がるのか、本当にファンは回っているのか、クーラーかけるとやばいのか、アイドリングはおかしくないか、レッカー代いくらよ、と考えながら乗るのが辛かった。末期のパンダも、信号待ちのたびにエンストして、次はいつエンジンがかかるのか判らない危険物体だった。追突されなかったのは奇跡だ。
今は、面倒だから車で行こ、と思える。安心だけを求めるなら余計なものがたくさんついた国産に乗ればいいが、クーペは速くて楽しくて美しい。アクセルのフィール、音、内装、フロントから見えるボンネットの隆起、ミラーに映る肩の曲線、一瞬たりともこの車を運転しているという実感を失うことがない。欠点:小さな灰皿、見切りの悪さ。強烈なアンダーステア? それが何さ。直線番長でいいじゃんか。ついにのろけました。すみません。


無題

講談社にて小説現代の第二回ゲラ戻しと、群像ゲラ直し。単行本の話も出来て一回で三回分の訪問価値がある。折しもクーペに乗りたいさかり、出版社には駐車場があるのでほいほい出掛けるのである。来週再校ゲラが上がってきたらまたほいほい出掛ける。何点か悩んだ点はあったが、校閲関係で愕然とするようなことがなくてよかった。出版社で直しをするときって、編集者が自分のデスクに戻った後、一人で静かにテーブルに向かっていて、何かに似てるなと思ったら居残り生徒の気分なのだった。


罪なFOMA

家で、細かい仕事あれこれ。
K社やS社には叱られそうだが、実はすこし前に携帯を買い替えてFOMAにしたらなんとドラクエ1が入っていて、三日間くらいそれだけで潰して寝不足に陥った。こんなことしてちゃいけないと思いながらやるのが楽しいのだ。昔、ドラクエ1~3をやったのは当時つき合っていた男の家だった。しょっちゅう泊まりに行って、やることやらずに、諦めた男が寝ている間も、起きてからもドラクエをやっていて、さすがに嫌な顔をされたものだ。あれから17,8年たつわけだけど「ここの洞窟はしょぼい」とか「この方向に確か街がある」とか覚えていたりすることが嬉しくてやり始めたら竜王を退治するまで止まらなかった。さすがに2回やろうとは思わない。


アコギじいさん

見かねた後輩が来週末、荷造りを手伝ってくれると言ってくれた。すばらしいありがたい。美味しいものでもご馳走しよう。
彼女とは10月にジョアン・ジルベルト(まだ生きてるんです!)を見に行く約束がある。あんまりやる気がないのも困るが、はりきりまくりのロックバンドみたいなジルベルじいさんを見るのもいやじゃのう。適度に枯れて適度に素敵であって欲しい。


やっとこさ入稿

群像10月号「アーリオ オーリオ」最終稿送付。今回は内容的に校閲が厳しいかもしれないので、直しのための音羽通いも考えている。群像の校了とほぼ同時に、単行本「袋小路の男」の入稿となる。すぐに書きかけている新潮全開、と行きたいが今はちょっとふぬけ状態。
引越の荷造りやってんのかって? やってません全然。


紙がない!

あと一歩のところで紙がなくなる、というのはトイレでも深刻な状況だが、小説のプリントアウトはポケットティッシュで代用するわけにいかない。予備を買ってないのが悪いのだ。なんとか月曜までひっぱったのに、文具店は盆休み、書店の文具コーナーは在庫がなくて、高いけどアイボリーの紙で代用。単行本のゲラみたいでかっこいい。引越したら何より先に文具店とFAXのインクリボンを売っている店を探さなくては。
夜、「スモールトーク」のまとめ方についてNAVI打ち合せ。


浴衣とハッピ

眩暈がしてきたので4日ぶりに飯というものを食った。
花火大会なのか、ちょっと外に出ると浴衣がぞろぞろ歩いているが、私は実に浴衣の似合わない女である。では何が似合うのかと言うと、過去の話になるがハッピ。メーカーにはつきものの展示会でのハッピ・オン・スーツ。左手に伝票右手に電卓耳の後ろにボールペン、目からはギラギラ現品値引き光線。悲しいかな、これが似合う。「あんた毎日この格好だったら毎日買いたくなるよ」と、どのお客様も激賞。今こんな格好したら原稿料安くされちゃう。


はじめての品川ナンバー

同じ4時間睡眠でも、眠剤を飲むと眠りが深いのか、起き抜けがしっかりしている。朝4時から仕事。群像「アーリオ オーリオ」h稿まで来てやっと少し抜け出してきたような気がする。そういやまだ飯食ってない。
クーペフィアット納車。品川ナンバーなんて、東京の人みたいでしゃらくせえぞ。でもやっぱり嬉しくてぞくぞくするので、仕事して仮眠とって深夜に見せびらかしに行くのだ。


FAX上手

私の仕事だと、日程などの連絡はメール、参考記事やエッセイ、短文のゲラがFAX、長文ゲラは宅急便ということが多い。電話は確認か相当大事な相談のときだ。最近、新しく仕事をさせていただくところでFAX上手に出会うことが多い。内容が多くても上から下まで一度読んだら全部頭に入ってしまう、重要な点がわかりやすくなっている、的確で過不足がない。会ったことがない人でも「仕事できるんだろうなあ」と判るし、その期待が裏切られることは殆どない。メールだと文章に流されて、仕事のやり方みたいなものは案外伝わりにくいような気がする。
一昨日実家で食ったきり飯というものの存在をすっかり忘れていた。今日中には何か食べないとまずいだろう。午前中エッセイとインタビューの校正、午後小説。


そろそろやばい

群像に載せる「アーリオ オーリオ」の締切が迫ってきている。こう見えて人知れず働いてるんだが、書けば書くほど削る部分も増えてきて、なかなか完成しない。一枚なんぼの原稿料的には勿体ないと思われようが、短いと都合が悪かろうが、つまらん会話や無意味な説明は徹底的に削る。今日は渋谷にて講談社打ち合せ、まだまだ動く。通常、私の原稿の仕上がりは異常と言われるほど早いが、今回は缶詰め覚悟。


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