2004/6/4 金曜日
よかったティーポが直る。故障の原因はクーラーのコンプレッサの焼き付きだった。いつも見てくれている町工場のおやじは私が貧乏なのを知っているから「クーラーなしで乗るなら安くあげるけど、どうします?」と聞いてくれる、黙って高額の請求書をあげたりはしない。過去数年間、クーラーなしで乗っていたこともあるけれど、今はなんとかそこを一つ、クーラーが欲しい、だってまだ6月だもん。それにしても致命傷じゃなくて良かった。平成元年度登録のジジイ車だけれど、まだ乗れる。目指せ12万キロなのだ。
2004/6/3 木曜日
奥付6月14日で、イッツ・オンリー・トークが重版されます。品薄でご迷惑おかけしていまして本当に申し訳ありませんでした。帯も変わるそうなので、書店で見かけたらチェックしてみて下さい。
いろいろな人に、毎日日記を書くのは負担じゃないかと聞かれるけれど、これはスポーツ選手が毎日ランニングをするのと一緒だと思っている。小説がすすまない日も、打ち合せだけの日も、毎日なにかは書かなくちゃと思っている。日記にはあまり時間をかけないので、文章の悪い癖が後から見るとよくわかる。こんなことでも、少しでも芸の足しになればと思っている。
夜、新潮打ち合せ。新作のテーマについて話し合う。簡単ではないが、話すことでとりあえず一歩前進。
2004/6/2 水曜日
「尾崎放哉随筆集」を読んでいる。随筆は初めて読むが、文章の響き、リズムが素晴らしい。言葉が光っている。しかし自由律俳句というやつは、うーん。有名な、
咳をしても一人
墓のうらに廻る
はすごいと思う、他にも名句はたくさんある。しかし
豆を煮つめる自分の一日だった
田舎の小さな新聞をすぐに読んでしまった
となると、素人の私には何と言っていいかわからない。いいのか本当に。
ならば自分もやってみればいいのだ。
トイレを我慢してゲラを直す
肩紐のないブラジャーがずれた
でかい女が二人狭い部屋にいる
駄目だ、品性が現れてしまう。いやはや確かに大違いだ。
こんなことしてる場合か。出掛けよう文學界と打ち合せ。いかん、無意識に書いたらなぜか五七調(←これもかよ)という下らんオチになってしまった。
2004/6/1 火曜日
4~5月は群像月間だったが、6月からは新潮月間である。新作と、単行本のゲラをやる。あとは講談社の単行本に向けた短編書き下ろし。あれこれ同時進行で八方美人と思われるかもしれない、美人と呼ばれることなんか他にないんだからそれでもいいや。
角川担当者(野性、書籍)と週末からの取材の件で打ちあわせ。今まで(試乗含めて)取材で雨が降ったことがないのだが、今回はさすがに梅雨時だから降るだろうなあ、もしも晴れたら日頃の行いが良かったということにしよう。今日は経路、宿泊地など詳細を打ちあわせをする。小説の骨格はうっすらとあるが、出来上がり時期は未定。
2004/5/31 月曜日
駐車場に車がないのに払う駐車代そして自動車税。(tipo直るんだろうか)駐車場契約の時、口座番号を大屋さんに聞いたら「そんなの水臭いじゃない」と言われてしまったので直接払いに行っている、が、よもやま話についつい花が咲いてしまって長くなる。私は結構そういうのが好きな方。
友達が3台目の車を見せてくれた。極上のフェラーリ、型式は伏せときます。クーペフィアットでいいから欲しくなってきた、無理だけど。
2004/5/30 日曜日
早朝覚醒を利用して一仕事。その後急激にトーンダウンしつつも、居候と川端賞授賞式の服を買いに銀座へ。ラインのキレイなワンピースを買った。大幅予算オーバー。去年の秋まで15号だったのが今や11号である。どうせそのうちまた太る、不経済極まりない体質だ。このワンピースを着られるのも一回きりかもしれない。普通のお出かけでも着られるよ、と居候は言うが意味もなくお洒落をすることはとても恥ずかしい。暑さのせいもあり、激しい疲れを感じて帰る。
2004/5/29 土曜日
夕べは後輩と、外で餃子など食べるだけ食べて、家で飲んだ。結構飲んだなあと思って見ると、ワインと焼酎の空瓶合計4本。焼酎は飲みかけだったけれど、さらにもう一本開いてる。呆れた。
夕べは楽しかったのに、二日酔いが覚めるとまた鬱々としてきて、同じことばかり考える、堂々めぐり。
2004/5/28 金曜日
むかつくこともあるのだが、いかんせんテンションが低い、むかつききれない。週明けくらいまで休んだ方がいいんだろうな、と思いつつもエッセイ依頼が次々来る。
夕方、後輩と飲む。
2004/5/27 木曜日
疲れもあって腐り気味。外で仕事。
「とある作家にオンリートークの主人公を無職と書かれて憤慨した」という日記を一度アップしたが、やめた。言ってもしょーがないや。なんか何書いても否定的な今日。
2004/5/26 水曜日
6時に起きて病院。夕方から講談社で「小田切孝の言い分」の再校ゲラ直し。
という日記のはずだったのが、夕方、講談社に向かう途中、首都高汐留料金所で、それまで水温も何も問題のなかったtipoが二度のエンスト、白煙とともに止まる。何か焦げている臭いがする。JAFを呼んで港区の工場まで牽引。昔はこんなことでドキドキしたり「ミラーに映るtipoのハザードが我が子の涙に見える」なんて思ったりしてたんだが、今となっては「ああ、来たか」という感じで、淡々と手配、連絡を済ませてあとはちらっと金のことを考える。最近何もなかったからなあ。まあ、直るでしょ。実際のところ直らないとかなり困る。
1時間半遅れで講談社にたどり着き、3時間直し、それから次作打ちあわせ、夕食などして帰ったのは2時。来月号の群像の表紙はすごいことになっています。