Diary

KINKS&ANSWER

「『病気じゃない』と人に言われたらどう答えたもんですかね」医者に聞いてみた。
「躁とか鬱そのものが異常なのではなくて、程度の問題ですね。ふつうの人と違って状況や努力などでは変えることが出来ないから薬を飲んでいるわけです」簡潔にして明快、プロの答えだ。


いけない音楽

2個目の虫歯に着手する。俺様の口の中は虫歯のメッカというかチェルノブイリというかとにかくどうしようもない状態なのでこの際まとめて治療を続けることにする。歯医者では軽いクラシックがかかっているが、もしこれが浪曲や初期のクリムゾンだったらいやだな。いっそパンクならいさぎよく削られてやろうと思うだろうか。効かない麻酔に耐えながらスーパーで演歌がかかっていたら嫌だなとか役所でブルースがかかっているのも困るなとか職安でクレイジーキャッツはどうだろうかとか必死で考える。下らない男だがでもまだ痛えよ。
実家に帰ればおふくろがが「どこにいるのか定規、誰か定規を知らないか」と歌っている。「上海帰りのリル」である。俺が笑うと「私達の年代はみんなそうやって物を探すのよ」と言う。ほんまかいな。


トンネルに向かう汽車

夕べオトコが部屋に来て「おまえは病気じゃない」と言い出した。壁に貼ってある薬(薬歴の写真参照)を「あんなことをして病気だと思い込んでいる、だれしも病気だ」と言った。自分の部屋に何を貼ろうが知ったこっちゃないだろう。私はブチ切れて壁の薬を全部剥がして黙って投げ散らした。ここ最近は確かに調子がいい、だけど調子が悪いときでも外見からはわからない、「短いつきあいだしなんの知識もないくせにわかったようなことを言わないで欲しい」と私は言った。言いながら再発したらコイツとも終わりだなと思った。絶対とは言わないが躁鬱はかなりの確率でほぼ一生再発を繰り返す。調子のいい時だけの相手か。そんなことを言っても仕方ないから黙っているとふてくされるオンナが一番嫌いだとオトコは言った。私はトンネルの入り口にむかって走っている汽車なのだ。一つ抜けてもまた別のトンネルがある、そういう路線にいるのだから仕方がないだろう。トンネルの手前の駅で降りてもらうよ。
たまには痴話話。女同士の電話みたいな話。


なりわい

冷えピタを貼って早く寝たので風邪は退散したらしい。掃除、洗濯をしてすっきりする。うん、ほんとすっきりした。
母は口癖のように「あなたまたお勤めに出たらそのときは…」という。父は昔マスコミに入れたがっていた、お義理に毎日新聞の願書を貰いに行ってこっそり捨てた。院に行こうかなと相談したら就職はどうするんだとどえらい叱られた。姉に到っては私が物を書くと言っただけでいやな顔をした、それは彼女の夢だったからだ。兄とはまじめに話したことがないからわからない。
だが、私に再就職する気は毛頭ない。バイトはするけれど、企業はもういい。友達は「パトロンを見つけて結婚したら」と言う。そんなうまい話があればその時考える。いろんな人から「お仕事は? どうやって生計をたてているの?」と聞かれる。私は気が小さいから面と向かっては言えないが大きなお世話である。あんたに金の無心はしないよ。
糸山さんから手紙と写真が来た、ちょうど私の出した礼状と行き違いだ。(いつも私には馬の切手を選んで貼ってくださる)「大いに書き、且、飲んでください」先日会ったときも最初の挨拶が「書いてますか?」だった。糸山さん姉弟はたとえ売れなくても物書きは物書きだと接してくれる。亡くなったおじさんが司法試験を落ち続けた人だったということもあるのだろうか。私は親兄弟以上に近しく感じることがある。
すべてに対する答えは私が書き続けることだけだ。


ポルノと詩

やっぱりちょっと風邪っぽい。部屋でおとなしくしていると、隣人の彼女の声が聞こえるので、ああ土曜日かと思う。スケジュール帳も持たず、銀行とかで今何年ですかと聞いてるあたしにも一応年末はあって、殆ど毎日書きこんでいるit’s only talkを12月締め切りで送ることにした。せっかく読んだらまた更新しやがってと思われる方がもしいるとしたら、もう少しの辛抱、読もうかどうしようか迷ってる方がいるとしたら12月に入って完結してから読んだ方がいいかもしんない。あたしはあんまりぎりぎりまで粘らない。締め切りの月になるとすぐに送ってさばさばしたい方だ。それからもう一つ没原稿を手直しして小さい出版社に送ろうと思う。R18小説の中間発表も年末だ、下手に中間通過するとポルノ小説に未練が残るだろうか、どうだろう。あたしにとってはポルノも詩も変わらないんだが。
実生活の年末はやはりここで迎えたい。本門寺の鐘はいい音がするから除夜の鐘を聞きにいきたい。鬼が笑うけれど1月になれば蒲田に来て1年である。


わがままな生活

下山事件の話でなんとなく気になったので松川事件の本を借りてくる。セロクエル飲み忘れでまた気分が悪化して何も書けなかった。私の場合煙草はどんな気分が悪くても一箱半は吸うので、コーヒーが飲めるかどうかというのが気持ち悪さの指針になる。あとは梅が無性に食べたくなると大体風邪をひいている。体温計は持っていない、計ったところで熱下がるわけじゃないもん。寝床で本読んで変てこなクリーム煮を作って、ああなんてわがままな生活してんだろうと思う。


ばかたれくそたれ

昨日新聞記者から父に電話があって、しばらく話をしていたが結局取材に来ることになった。そこまではいい。住所、最寄り駅と路線、駅からのバス、バス停から家までの経路、全部父に説明させているのである。「ゼンリンの地図見ろやばかたれが」と、太ペンでメモに書いてその記者の机に置いてやりたくなる。大体失礼だろ、と思うのは私がやなばばあになった証拠でもある。口頭で道を聞いたためにさんざっぱら迷ってやってきた記者だが、話の例に出てきた下山事件も知らなかったので親は少し驚いていた。以前も新聞記者の悪口を書いたことがあるけれどこいつはばかたれなだけで挨拶とかはきちんとしていたし、見た目はむさくるしいが靴は奇麗だった。
体重が2キロ戻った。理由ははっきりしている。量こそ少ないが一日2食にしたのと、焼酎を沢山飲むのと、運動不足になったのが重なった。こないだ夜のウォーキングをしているときに家から30分かかる久ケ原のあたりで急激な腹痛に襲われ、あわやリアルくそたれになるところだった。冷えたせいだと思うけれどそれからというもの、夜は無闇に歩いていない。今日は世田谷のプールで心置きなく泳いだ。1キロ泳いで半分くらい背泳にしたのでちょっと疲れた。
ばかたれとくそたれ、ばかたれの方に軍配があがりそうである。


買い占め

最近飲みながら書くので下らない文章も増えていつも使っているノートが残り少なくなってきた。フランス製の250円だが、大きさや厚さといい、長く使っても汚くならないところといい、今までで一番使い良い、今のは二代目である。欠点はといえば渋谷にしかないこと、滅多なことで渋谷なんぞ行きたくないのでロフトの棚にあった5冊を買い占めてきた。それでも1200なんぼ、可愛いもんだ。
ついでなのでイムコの懐かしいライターも買う。アメリカ軍はジッポでヨーロッパ軍はイムコだった。火をつけるとじゃり、という安っぽい音がする。セリーヌもこのライターを使ったんだろうか。


なぜか気になる42才

書けない日もある。
ああ、そうだ、そろそろこのサイトも2周年だ。日付は覚えてないけど11月の中旬だった。それとそろそろ私も36になる。40の足跡をひたひたと感じるけれど別に怖くない。今なんとなく自分で気になる年齢は42歳、友達が医者になる年でもあるし、ヘンリーミラーが北回帰線を出版した年でもある、うちの兄もこないだ42で結婚した。あと6年あると思うと気持ちが全然違う、きっといいものを書く。


無題

スプリングタウンというマンションを見つけた。「温泉街」だろうか?「春の街」だろうか? 一体どういうことなのか担当者を呼んで説明させたいところだ。


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