Diary

牛テール着水

犬の水は工事用の無骨なバケツに入れている。今朝、庭に放したとき牛くんが「歓びの跳躍」でシッポから着水した。通りがかりの近所の人も笑ってた。

今日も『末裔』の再校ゲラやってました。


イノシシ出没注意

日照時間のせいもあると思うが一日が短すぎる。大根と鶏肉をワインとトマトで煮た。(絲的炊事記に書いた「ローマ風」ってやつ)。ストーブでコトコトやりながら『末裔』のゲラをやった。仕事は大してすすまないのに、あっという間に一日が過ぎた。

先週くらいから県都前橋の中心街でイノシシが出没。高崎でも家からそう遠くないところで出た。散歩で出くわしたらおっかないが、何かあれば町内放送が教えてくれるだろうと思うと心強い。あとは火事や不審者情報を携帯メールに送ってくれる「高崎安心ほっとメール」がある。夏は露出魔、冬はイノシシ。


限定激レア2刷り

今朝は1.4℃まで冷え込んだ。それでも茶色は外に毛布を引っ張りだして寝ていた。

立川通院日。今のところ体調はとてもいい。

増刷という言葉は好きだが、部数を見てがっくり。(こんな変なロットは新潮社以外はやらないと思う)。よく「初版これだけ刷れればいい方ですよ」なんて言われるけれど、神様も魂も全部つぎ込んだ仕事に対して、「いい方」なんて中途半端に相対的な表現で見下されるのも情けない。岡本太郎読んで元気出そう。


ゲラゲラ月間

昨日は『末裔』の再校ゲラ、今日は『絲的炊事記(豚キムチにジンクスはあるのか)』の文庫初校ゲラが来た。しばらく直しの仕事が中心になる。

午後、友人がとても立派な大根や蕪を届けてくれた。もう一人の仲間を誘って忘年会の予定を決めた。

気になっていた「群馬県民手帳」を買った。コンビニのおばちゃんが「今年はなんでか売れてるのよ、去年は結構残ったのに」と言ってました。統計資料がついてたり、ここ十年のお天気が入っていたり、群馬県なのに東京の地下鉄路線図がついていたりします(便利だけど)。こういう手帳ってどこの県にもあるんでしょうか。なにかで栃木県の人と間違えられたときに警察手帳みたいに見せたらいいのかしら。(今の警察はIDカード見せるんだけどね)


66年11月22日9時55分生まれ44歳

ゾロ目ばっか。

ストレッチ犬体操しながら散歩すると体がほぐれて気持ちいい。カニ歩きしたり腕を回したり立ち止まって屈伸をしたり。(人がいないからできる)。

昨日ニューマンの絵を見て、それから記録映像や引用された言葉を見て、今の私には文学の言葉より画家の言葉の方が意味がよくわかるし響くと感じた。体を動かしたり、野菜を食べたりするように、必要なものだと思った。

午前中掃除とクルマの書類、その他出版社と細かいやりとり多数、午後は講談社書籍担当者来宅、『末裔』単行本の打ち合わせ。


バーネット・ニューマン展

川村美術館でバーネット・ニューマン展を見た。でかくてかわいくて明快で、その前にいるだけで楽しい。ポンピドーで大好きになった“Not here, There”も来ていた。懐かしかった。

一緒に行った人と、いろんな話ができたのもよかった。それに、佐倉の遠さをあまり感じなかった。


朝から寸胴鍋でけんちんを作る。なにしろ家が寒いので汁物が嬉しい。実家のけんちん汁と言えば醤油仕立てだったけれど、群馬のけんちんは味噌仕立て。最初は豚の入っていない豚汁だと思ったが、今ではこれが当たり前。

三日前くらいに新潮新作で突拍子もないことを思いついた。どうなんだろうと悩み続けたが、やっぱりそうらしいと思えるようになったので、今日やっと原稿に書き始めた。

夜、「末裔」の参考文献リスト。本と引用のメモは段ボールに全部入れてあるんだけど、まとめるのを忘れていた。


「犬の超然」

私の父から発注のあった「犬の超然」が書けたと牛が言いました。

「犬の超然        絲山 牛

さむい朝です。お姉ちゃんは穴をほっています。ハトがとび立ちました。わたしは、うす笑いを浮かべて立っています」

 

私「牛くん、これじゃちょっと、なんというか君がバカみたいに読めるよ」

牛「超然って意味がわかりませんでした」

私「私はもうその言葉は飽きたから、世田谷に行ったときにおじいちゃんに聞いてごらん」

父にはメールを送りました。


浅間にうっすら雪が積もっていた。寒いわけだよ。

少し疲れていたので、今日は昼寝しました。


牛の超然

実家に電話したとき、父に言われた。「牛くんが書いた『犬の超然』が読みたい。茶色じゃないぞ。牛だぞ」。牛犬にそう伝えたら、激しくシッポを振りながら鼻をぺろりと舐めて、まんざらでもない様子。確かに、私はいつも作者と主人公は別物と言っているのだから、牛が自分とは逆の「超然」を語ったって問題ない。だけど、茶色に小説を書いてなんて言おうもんなら、「犬をバカにしてるんですか」と瞬時に却下されると思う。

今日は、絲山賞候補の絞り込み(そんな大層なものじゃありませんが)をやって、役所、銀行、FM。おすすめ本は勝崎裕彦著「ことわざで学ぶ仏教」、セレクションはラモーンズ「ブリッツクリーグ・ボップ」、エンディングはチェアメン・オブ・ザ・ボード「パッチーズ」。

日曜も連休も正月も関係ない仕事ではありますが、それにしても誕生日にゲラを持って講談社来群。クリスマスは新潮社と取材旅行。もしかして、そーゆー日は絶対に予定が入ってないってばれてますか。そうですか。


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