2005/12/30 金曜日
久しぶりに山が曇る。それほど暖かい。風もない。大洗濯日和到来である。私は家事の中では洗濯が一番好きだ。一切合切洗うと、なんか、しあわせを感じるのだ。でも洗車は嫌い。どうせお正月は雪だから今から洗うこともなかろう。
昨日の酒豪決定戦は仲良く二人で焼酎を一升空け、勝負つかず。でも彼女は今日仕事なのに、昼まで寝ていた私の負けだと思う。せいぜいこれから働きます。
2005/12/29 木曜日
第二回絲山賞、発表です。
「うつつ うつら」赤染晶子(文學界10月号)
今年は去年よりはたくさん本を読んだのですが、堂々の単独受賞です。何より、完成度の高い作品世界を買いました。空気感という言葉がありますが、つまりノイズや、密度、ちょっとしたゆらぎまで読者に感じさせることにおいて、今の赤染さんを越える人はなかなかいないと思います。
この作品でもデビュー作同様、人間の滑稽さ、哀しみ、痛み、愛おしさが濃い目の味つけで描かれていますが、この人の場合は、ここまで世界を愛してしまっていいのだと思います。時間と枚数の関係も十分、取れていると思います。
多分赤染さんという人は相当ヘンな人だと思います。でも、まだ少し、自分がヘンであることにてらいがあるような気がします。もっともっと図々しく、当たり前にヘンであって欲しい。そして書くものなんてずっと同じでかまわない。私は読み続けます。
惜しむらくは、単行本が未発売です。来年には出るでしょう。(文春さんよろしくお願いします!)でもまさか帯には「第二回絲山賞受賞作」とは出ないと思いますのでどうぞ気をつけて探して下さい。この人にはこんな賞よりももっとちゃんとした賞を取って一息ついて欲しいなと思っています。
年末小掃除。台所と仕事テーブル。
午後よりオール読物、インタビュー。
夜、友人と忘年会。群馬一の酒豪女性はどちらになるか、楽しみでもあり怖くもある。
2005/12/28 水曜日
仕事は全開モード、馬は乗り納め。
いつもの定食屋に行くともう冬休み。早いなあ。喫茶店でいつものように仕事をしてから、時計を買う。手巻きのハミルトン・カーキ。昨日、出張のとき時計がなくて本当に不便だったので。
そういや昔、心理テストで腕時計観は異性観を現わすなんてのがあったけど(私以外の人は「すぐ飽きる」とか「オンオフで使い分ける」とか、結構当たってた)、「ないと不便」ていうのはあんまりだなあ。身近な人に聞いてみて下さい。
2005/12/27 火曜日
群馬の寒さがノーマルになっている私にとって東京のぬるさはアブノーマルだ。マフラーいらない、手袋いらない、コートもいらない、大荷物。
青土社にて星野智幸氏と対談。その後、翻訳エージェントの事務所に書類提出に寄る。
神保町から東京駅なんて当然、徒歩だ、ところが日が暮れるとそこにミレナリオの群衆が立ちふさがる。もちろん車道を歩きます、堂々と。ステーションホテルのバーでちょっと飲んで人間らしさを取り戻して新幹線で帰る。
2005/12/26 月曜日
いつまでも余裕こいてないで世間と一緒にあわただしい雰囲気になってみよう、と思って銀行だの郵便局だの公共料金だのとちまちま動き回るが、どこへ行っても正月の東京のようにすいていて快適。からっ風で自転車がすすまないのは困りものだが、でも、このすかすかしたところが群馬の魅力だ。
絲的メイソウを送り付けて、今年の締切はこれで終わりかな。小説は相変わらず4作抱えていて、年末年始もうにうにやるしかない。文學界、僅かに進展。
2005/12/25 日曜日
昼間は夢のように暖かかったが、やはり夜は冷える。
20年ぶりの寒さって、そんな昔、いつだよと思ったら浪人生でした。やだね年取ったね。あのときは、受験の日にドカ雪が降って、帰りはバスに乗らず、パトカーに雪玉ぶつけたり、友達とはしゃいで帰ってきた覚えがある。帰りが遅くなったら親にものすごく怒られた。翌日も受験だったから。
今年は口癖のように地球温暖化とか叫ぶバカがいないね。
2005/12/24 土曜日
馬たちがかじったせいもあってか、時計バンドがちぎれてしまった。PCとか携帯で時刻は見られるけれど、アナログな私は11:45と表示されていても、そろそろ昼か、とは思えないのだ。明日探しに行こうかなあ。
昨日は痛飲。遅く起きてエッセイを一本日経に送る。午後、元オリンピック選手が乗馬クラブに来てくれて特別レッスン。昼間でも寒い。これから飯食って小説。クリスマスなにそれ。
2005/12/23 金曜日
洗濯をした途端風が強くなる。散歩は徒歩にしよう。
年末小掃除。床と水回りとロフト。何せ家財道具が少ないから掃除が楽だ。
文學界の小説がいい感じで動きはじめている。登場人物がどんな声だかわかってきた。会話が成立しはじめた。このままぐわーとすすむといいんだけどなあ。
夜は東京から友人が来て、忘年会もどきをやる。
2005/12/22 木曜日
昼間、日が射しているのに吹雪。相変わらずすごい風。
散歩に行くタイミングを逃してしまったので、仕事をしながら炊事をする。
人から言われて今年があと10日しかないと気付く。年末には、恒例の目標振り返りと来年の目標、それから「第二回・絲山賞」の発表をします。
「絲山賞」は誰からも注目されない孤高の賞ですが、一年間に絲山が読んで一番面白かったものを選びます。通常、文芸作品に贈られますが、まれに工業製品が選ばれることもあるそうです。副賞はなし、当選者にさえ通知していないという事務局の横着さが他の賞と一線を画しています。去年は「パンク侍・斬られて候」(町田康)と「接近」(古処誠二)が選ばれました。今年はどうなることでしょう。