2012/6/3 日曜日
昨夜、おかきを揚げて食べたらしくて(物証あり、記憶なし)起きたら胃がもたれてた。なんで夜中にそういうバカなことするかな。原稿にもメモが気持ち悪くなるほどびっしり書きこんである。「絲的こわいもんなし」の再校ゲラを戻してから原稿打ち込む。
午後は友達と中越の温泉に行ってのんびりしてきます。
2012/6/2 土曜日
裏の畑問題は半日かからず解決。すごいよ畑の土って。土の粒の表面積はものすごく広くて莫大な数の微生物がいるっていうのを数年前に本で読んだのを思い出した。犬の散歩に行くあたりでは田植えがピーク。知り合いのおじさんも「いよいよだよ!」とはりきってました。田植えの終わった田んぼに映る榛名山が美しい。
新潮の短編集の4本目が、かなりすすんだ。昨日出てきた人物が急激に成長した。「離陸」と書き方が全然違うので、そういうバランスのこともあると思うけど、短編書くのはすごく楽しい。
2012/6/1 金曜日
朝豪雨、昼晴れて気温上昇、夕方雷雨。裏の畑の山はそりゃあいい感じになっていたのでしょう。
一瞬の出来事でした。わたくしは夢中で小説を書いておりました。トラクターが来たのにも気がつきませんでした。台所と寝室の窓が開いてました。トラクターは山になった「オーガニックの素」を崩して地面に鋤きこんでいきます。これから飼料用のトウモロコシを栽培するのです。
それにしてもにおいって秒速何キロくらいで伝わるんだすごい早いぞ。「ぐぼっ」と言ったときにはもはや手遅れ。わたくしは、今鼻にティッシュを詰め、過激派のようにタオルで覆面をしています。今から町に逃げようかと迷いましたが、牛舎を濃縮したにおいの寝室に帰ってきて苦しみなおすよりも、ここはひとつ耐えて、南の窓のみを全開にして換気しつつ慣れる道を選びました。年に一度、二日くらいのこととはいえ今年は条件が揃ってしまった。お客様どころか百年の恋だって親子の縁だって切られるわ。
小説でこのあと何を書こうとしていたか、そんなことはとっくに忘れました。
2012/5/31 木曜日
くさいぞと思ったら裏の畑にオーガニックの素すなわち牛糞の山が。お客様の日じゃなくて良かったと前向きに考える。
(追記)明日は雨だって。これは逃げないと悲惨なことになる。「さるかに合戦」で一番好きな登場人物は「牛のくそ」だが生活を共にしたいほど好きではないのだ。
2012/5/30 水曜日
ラジオ向きのやや高めのテンションで犬の散歩に出かけたら、首をギックリやってしまった。そしたらさんざんふざけて、でたらめに歩いていた犬どもが揃って「どこの躾のいいワンちゃんだよ」って歩き方をしやがった。犬に手加減される自分がくやしい。痛みとかは寝違えた程度なんで大丈夫です。
午前中小説と選曲、夕方FM。4時台opは「ユー・メイ・ドリーム」シーナ&ザ・ロケット、セレクションは「ルージング・ア・ホール・イヤー」サード・アイ・ブラインド、おすすめ本は「ゴーヤー・バンザイ」天然生活、5時台opは「恋はあせらず」〜「ザ・ハプニング」ダイアナ・ロス&ザ・シュープリームス、5時台edは「ロザリン」デヴィッド・ボウイ。6月27日に、また変な特集やります。普通のもいくつか提案したんだけど「ほかの番組でかかるアーティストよりも絲山らしい選曲を」と言われて、嬉しいけどこんなに自由でいいのか。
2012/5/29 火曜日
今年はツバメ(名前はまだない)が巣をかけなかったのかと思っていたら、雨風かからず私にもわかりにくい絶好の場所にかけてました。私なんかよりも郭公に気をつけろ、夕方不気味な声で鳴いてるから。こないだの蜂もしぶとく同じ場所に巣を作ろうとしていて、そこは出入り口の上で迷惑なので南無三と言いながら叩き落としました。
午後、造園屋さんが来て庭のプランを提案してくれました。いきなりそんなステキなプランは無理としても、生け垣は早いうちになんとかしたいし、もう少し木を植えてもいいようだし、このままじゃ野原なので少しずつお願いしていくことにしました。
2012/5/28 月曜日
5月の締切が終わってからあいてる時間は8割以上眠っていたんだけれど、池田先生効果なのか、昨日の夜8時に寝ようとしていたら急にいろいろ降りてきてワーッとなった。新潮の次の短編になる。ディテールだったりアイテムだったりどう繋がるのかどんな意味があるのかわからないものを、最初はメモ書きしていたが、メモで収まらなくなってきたのでワード原稿で8枚書いた。少しはなにか見えたような気がする。終わったら3時だった。いつもなら起きる時間だ。
来週国内で少し遠くに行くことを考えていたんだけど、理由なくやめた。旅の段取りを考えるのは大好きな作業なのに今回に限っては、なんかその時期にそこに行くのがよくない気分がしてきて(もちろん私個人がってことで、なにか起きるとかじゃないですよ)、調べものをしながら陰々滅々としてきた。幸い宿も交通手段もまだ予約していなかった。一緒に行く予定をしてくれていた女友達に相談したらあっさり「虫の知らせは大事だよ、じゃあ、場所も時期も含めて練り直そうよ」と言ってくれた。
2012/5/27 日曜日
芸大の池田政治先生とスタッフのお二人がいらっしゃって、お出しになる本のことで打ち合わせ。私は美術に関しては素人ですが、片隅に少しだけ文章を書かせていただくことになりました。作品と出会ったときのの楽しさや、すごく自由になる感じなど、書けたらと思います。
「私は降りてくるタイプなのですが先生はいかがですか」と聞いたら、先生も「降りてくるよ、頻繁じゃないけど」と、当たり前のようにおっしゃった。ああやっぱりそうなんだ、と思ってとても嬉しくなりました。
2012/5/25 金曜日
このところ1時2時に起きてたから、5時に起きると午前中が短すぎる。掃除とFMの選曲と「絲的こわいもんなし」の初校ゲラやって、合間にカレー食べたらあっという間に昼になってた。午後はイエスの聴いてないCDがたくさんあるのでそれ流しながらクロゼットの整理(衣替え)。
夜、読売新聞打ち合わせ。3ヶ月に1度の文芸季評を担当してますが1年間じゃなくて、もう1年追加でやるみたいです。ありがたいことです。
2012/5/24 木曜日
ナスとトマトのカレーを煮込みながら台所の窓から外を見たら、キジのロミオの嫁がヒナを5羽連れて歩いてた。かわいくて、嬉しい。ロミオは少し離れたところでしっかり見張りをしていた。キジが乱婚とかそういう野暮なことはこの際おいといて、ロミオやるなあ。
ゲラ三連発文學界と新潮に送って、6月売りの小説は全部手を離れた。あとは「絲的こわいもんなし」のゲラだけ。
「美人の湯」に行こうと思って走っていて気が変わった。手が届かない美人よりも、こってりした秘湯で蓄積疲労を解消する方が現実的ではないか。それで山をひとつ越えた。だが秘湯は点検のため臨時休業だった。欲をかくとだいたいこういう目に遭う。同じ町の別の温泉に行った。そこだってすばらしいお湯で気持ちのいいとこなんだけど、今日に限っては美人に未練が残った。