Diary

ミラーのこと

朝は、散歩しながら広報配って、ゴミ出して洗濯して、草刈りして、犬のタープを張った。

シャワー浴びてごはん食べて8時半、そのあとは一日、ヘンリー・ミラーの書簡集や短編を読み返していた。ミラーがセリーヌに言及するところを見つけたくて引っ張りだしたんだけど(いっぱい書いてる)、ほかにもすばらしい部分がたくさんあってずっと読み続けた。

ミラーを読み始めたのは多分中学3年のときで、それでもル・クレジオやビュトールよりは後。ダレルは小学6年から、ソレルスはミラーと同じくらいだったと思う。フランスに初めて行った前後でなんとなくそうだと思ってます。もちろんガキだったから感想なんて何もなくてとにかく音楽みたいに眩しくて、すごいことが書いてあるのにそれがわからないってことも面白くて、ただガツガツ読んでいただけ。セリーヌもマルケスも大学に入ってからなので、やっぱりミラーの方が馴染み深い。

もしガキの頃にミラーもモラヴィアも読んでなかったら、そもそも小説家になんてならなかったかもしれないけど、なったとしてもセックスなんて絶対に書けなかったと思う。猥褻とか下品とかは全然怖くないしそこが大事じゃないってことだけはなんとなく知っていた。


犬の散歩から犬の散歩まで寝てました。国会中継のラジオつけても、自分の番組の同録聞いても5分ももたずに寝てました。あとドライカレー作って食べました。

榛名神社行きたいなあ。温泉も行きたいなあ。書きたいことは少しあるので、それをやりながらしばらく力抜いて生活したいっす。


たまには家で短編小説でも書きたいなあ、と思ったらそっちが本業でした。今月から小説に重点を移していきます。

今日はFM。いつものコーナーのほかに、5時台には先日、電話収録した宮城県塩竈市の方のインタビューを放送します。単なる被災の経験というだけでなく、考え方や対処の仕方などは、我々にとってもとても参考になるお話でした。

4時台オープニングは「フリー・ユア・マインド」ラブ・タンバリンズ、セレクションは「うそ」中条きよし、おすすめ本は「啄木歌集」久保田正文編(岩波文庫)、5時台オープニングは「セイム・オールド・ソング・アンド・ダンス」エアロスミス、5時台エンディングは「スティール・ギター・ヘヴン」ライ・クーダー。


放射線講習会

深夜に起きて、週刊文春(レシピ取材)のゲラ直し、FMの準備など。

今日は、片品村/越本地区にて専門家の先生による放射線講習会を開催。南相馬市からの避難者の方の要望を受けて実現しました。快くお受けくださった先生と県医師会、そして会場の提供や告知などさまざまにご協力くださった宿泊施設の皆様に感謝しております。


今週も変な授業

今日の法政の講義は大学図書館に集合、文庫の棚でまず私がnという任意の本を決め、続いて学生が(n+30番目の本)(n+30+30番目の本)(n+30+30+30番目の本)……と、全員抜き取って冒頭と文末をコピーして資料とした。

悲しいかな数式は忘れた。母集団がこれでいーのかとか、そもそも何冊選ぶって前提違うよとか、計算した上で(30)なのに最初から決めるなよとか、nってアンタの直感だろうとか、そういった点では全くのいんちきなんだけど、やり方としては「多段抽出法」の真似ごとです。文学部には関係ないし、意味のあるやり方かどうかは甚だ怪しいんだけど、結果としてはそれなりの実感を伴って「個人の目的や好みと関係ない小説の資料」が全員の手元に揃った。

教室に戻ってから資料を参考にして「小説における文体、人称とは何か」ということについて、私も含めて全員で自由な意見を出し合った。資料の意外性もあったし、率直な意見や疑問がどんどん出て来るようになってきたと思う。成果を狙ってない会話のなかにアイディアや発見が含まれていて、私も最初の「記者会見方式インタビュー」よりはるかに踏み込んだ話ができた。13人という少人数だから、いろいろ変わったことができて面白い。

 

帰って来たら犬どもはすっかり乾いて機嫌良く、シッポはぐるぐる回すわ、口は耳まで裂けそうだわ、べろは横に出ちゃうわ、庭中走って追いかけっこはするわで、ちょっとほっとした。


雨の音と雨がやんだ音

天窓があるので雨の音も激しいけれど、雨がやんだかどうかも音でわかる。昼ならキジの「やんだ宣言」に始まっていろんな鳥がここぞとばかりに鳴き始める。少し前に郭公が不気味に鳴いていたと思ったら、ツバメが巣を放棄してしまったが、今はムクドリが無茶なアタックをあらゆる窓枠にかけていて、特に雨の前はそれが激しい。最初は不審者かと思って怖かった。

夜の虫も雨がやめば鳴く。カエルが鳴くのは降り始めの前で、一斉に鳴き終わるのが不思議。夜中に雨がやむと犬どもが小屋から出てきて「ぶるぶるっ」とやってる音がする。今日の夕方は、台風で茶色だけが落ち着かなかった。かまってもエサくれても「もう台風は温低になったよ」と言っても情けない顔をしていたが、そのうちに諦めて静かになった。牛犬は様子を見に行ってもいつも犬小屋でどっかりと寝ている。そしてどこも濡れていなくてニコニコしている。同じ親から生まれたのに臆病になるポイントがいつも逆なので、犬一般というものがわからなくなる。

私は今日までだらだらして、体力補給しました。

明日私が上越新幹線で法政に向かっている時間に、新潟では先日収録した「今日も新潟弁でナイスデイ」が流れるのかと思うとちょっと変な感じがする。新潟の皆様、群馬って遠いと感じると思いますが、それは群馬のせいではありません。関越トンネルから向こうのそちらが広いんです。


耳慣れない音をよく聴こうとするとき、犬どもはビクターの犬みたいに首をかしげる。いつもと違う種類のカエルが側溝で鳴いたりすると二匹揃って「はて?」という顔をして首をかしげる。犬だからカエルで遊ぶのは仕方ないが、あんまり手荒くするとグリム童話みたいに呪いをかけられた王子が出て来るかもしれないからいい加減にしとけよ。

今日は、講義で使うプリント作って、FMの選曲と準備やって、あとはくたばってました。来週の体力をなんとか作らないと。


一日寝てました。夕方起きて冷やし中華作って食べました。外はカエルの大合唱。


雨の後の雑草伸び方って、なんかに使えないのかねあのエネルギー。庭の草もぼーぼー、私の髪も伸びちゃってびしょったない(だらしない)。

まだ、何もクルマに積んだりしないうちから、犬どもは「アヤシイ」「大いにアヤシイ」という目で見ている。今日は犬連れで片品でいつもお邪魔している宿のバーベキュー行ってきます。その前に寄るとこもあるので今週の移動距離、軽く1000キロ越えます。


朝から犬を洗った。

ライ・クーダー、今まであまり聴いてなかったんだけれどすばらしいね。新緑の片品をぶんぶん走りながら聴いて気持ちいい。今日は来週の用件で往復、明日は明日で別の用事。避難者の方と直接やりとりして、まじめに事務局的な動きをしているだけ、美談は何もありません。


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