Diary

絲山賞の季節

昼間、日が射しているのに吹雪。相変わらずすごい風。
散歩に行くタイミングを逃してしまったので、仕事をしながら炊事をする。

人から言われて今年があと10日しかないと気付く。年末には、恒例の目標振り返りと来年の目標、それから「第二回・絲山賞」の発表をします。
「絲山賞」は誰からも注目されない孤高の賞ですが、一年間に絲山が読んで一番面白かったものを選びます。通常、文芸作品に贈られますが、まれに工業製品が選ばれることもあるそうです。副賞はなし、当選者にさえ通知していないという事務局の横着さが他の賞と一線を画しています。去年は「パンク侍・斬られて候」(町田康)と「接近」(古処誠二)が選ばれました。今年はどうなることでしょう。


感想文その3

「絲山よ この本を読め」感想文です。
第一位「海辺のカフカ」(村上春樹)新潮文庫

読書にもいろいろな種類があって、喜読、嘆読、耐読、苦読などと私は名付けているが、このHPで最も多くの方が票を投じて下さった「海辺のカフカ」は、残念ながら私にとって「苦読」作品だった。まあ、相性が悪かったということです。
常に感じたことは「『海辺のカフカ』に書かれているこいつらは人間じゃない」ということだった。テーマパークとしてはよくできていると思う。
それにしても「メタファー」ってコトバ、一体何回使ってあるんだろう。

せっかく選んで下さったのに、こんなことですみません。やっぱり無理な企画だったのかなあ、でも嘘つくのはまずいし。ちょっと反省しています。


なにかが変わった

通院後帰群。風がないので馬に乗る。あったって乗るんだけど。
私はひねくれ者だから、世間が忙しいときに余裕をかましておいて、正月とかに仕事をするのだ。どのみち2月は締切が重なって、連載エッセイも全開でかなり忙しくなるはず。今までの自分だったら、予定なんか全部前倒しにして受験生みたいにガリガリやっていただろうけれど、何かが少し変わった。
「今まで」ったって、まだ3年もたっちゃいない。


感想文その2

「絲山よ この本を読め」感想文です。
第二位 「センセイの鞄」川上弘美(文春文庫)
端正な文体で、入りやすい。読んでいて裏切られる怖さがない。じっくり味わうことができる文章。文庫本だから、旅のお伴にも最適。月並みな喩えだが、気の利いた飲み屋で、酒の銘柄もいい感じだし、器も趣味がいい、料理も気配りが効いていて、もったいないけれどぺろりと食べてしまう、そんな感じ。
しかし。
辛党の私には後味の甘さがどうにも。なんで老人は死ななければならないのか、なんで最後は自己愛みたいになっちゃうのか、前半は良かったのに後半はなんか「センセイ」が都合のいい男になってしまった気がする。「博士の愛した数式」(小川洋子)もすばらしい小説だけれど、結末は一緒だったなあ。

読書感想文を書くと、自分の性格の悪さがもろに出るんだよね。失望した方、ごめんなさい。


感想文その2

「絲山よ この本を読め」感想文です。
第二位 「センセイの鞄」川上弘美(文春文庫)
端正な文体で、入りやすい。読んでいて裏切られる怖さがない。じっくり味わうことができる文章。文庫本だから、旅のお伴にも最適。月並みな喩えだが、気の利いた飲み屋で、酒の銘柄もいい感じだし、器も趣味がいい、料理も気配りが効いていて、もったいないけれどぺろりと食べてしまう、そんな感じ。
しかし。
辛党の私には後味の甘さがどうにも。なんで老人は死ななければならないのか、なんで最後は自己愛みたいになっちゃうのか、前半は良かったのに後半はなんか「センセイ」が都合のいい男になってしまった気がする。「博士の愛した数式」(小川洋子)もすばらしい小説だけれど、結末は一緒だったなあ。

読書感想文を書くと、自分の性格の悪さがもろに出るんだよね。失望した方、ごめんなさい。


限りある運

実家へ。野菜を買ってきて欲しいと言われたので、白菜、大根、ブロッコリ、ほうれん草、柚子、ねぎ、下仁田ねぎを買って行く。全部地元の農家で取れたものばかり。これだけまとめて買うと気分がいい。
初のETCはなんてことなかった。でも便利になった、左の運転席から身を乗り出してお金を払わなくてよくなったのだから。
20日なので、都内は大渋滞だろうと思ったら意外にすいすい行けた。こんなところで限りある運をつかっていいのだろうかと思った。


いやになる

今日もすごい風。電線が鳴ってうるさい。酔いそうになる。
昼前より文春来群、打ち合わせ。

夜、飲み屋で「鬱病は薬では治らない」という手合いと話をし、いやになる。何とでも言えばいい。素人が病気を「治した」なんて信じない。私は薬を飲んでここまでよくなった。それは変わらない。


すばるじゃなくて

風がすごい。けれど雪は降っていない。榛名はちょっと雲に隠れたかと思ったらところどころ白くなっていた。まあ、こんな日は大人しく仕事をしろということでしょう。
夕べは駐車場からプレアデス星団を見た。きれいだった。すばると言ってしまうとなんか集英社みたいだからプレアデス星団。


感想文その1

「絲山よ この本を読め」の感想文です。短いっす。書評じゃないから。
第三位 「夜のピクニック」恩田陸(新潮社)
昼夜を徹して歩き続けるという、高校の「歩行祭」の中で綴られるそれぞれの思い、ふれあいを描いた作品。文章は読みやすく、すいすい読める。改行がとても多い。会話はあまり上手ではないが、言いたいことはよく伝わる。読んでいる自分の頑なさをも気づかせてくれる、優しさのある小説だった。私は感動しなかったが、多くの人が惹きつけられた理由はその包容力にあるのではないかと推測した。

今朝はなかなか仕事がはかどらずぐずぐずしている。一旦外に出てコーヒーでも飲みながら仕切り直しをした方がいいのかもしれない。明日は寒いみたいだ。ヤフーの天気予報の一日の気温が殆どマイナス。見なきゃよかったかもしれない。


3枚3時間

ロビン・ヒッチコックは対談のときに「3分の曲は3分で書ける」と言っていた。エッセイを書いているといつもその言葉を思い出す。3枚のエッセイは3時間かかる。

それでもなんとか日経のエッセイの初回(1月4日)を書いたので、久しぶりに馬に乗った。この寒いのに馬に乗るなんて、と思うが乗ってしまえば楽しい。それに馬の上から見る景色はすばらしい。


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