Diary

3年

ひとくちに3年と言うが、10日で退院して3年になる。私の生活は入院を境に大きく変わった。あの5ヶ月がなかったら小説を書いてなかったかもしれない、そうだとしたら今の自分もこの先の自分もなかっただろう。再発を繰り返しながら会社と乗馬にしがみついていたかもしれない。
「3年もうもう3年たったのに」と泉谷も歌っているが、躁鬱の波は相変わらずで、自分ではうすうすリチウムは効かないんだなと思っている。ただ一生病気であることと一生薬を飲むことは違う。病気の乗りこなし方は変わってきた。病気の症状そのものに努力はなんの効き目もないが、対処の仕方というのは慣れや努力でずいぶん変わってくる。努力というのは使いにくい言葉だけれど、未遂の余韻がまだ残っていた、痩せこけた私に禿先生は「人間の努力というのは必ず報われます」と言ったものだ。その努力というのは決して、我慢することではない。よく壊れるイタ車に乗ることとそんなには変わらない。


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