2011/1/14 金曜日
狂言 忠犬蔵
茶太郎冠者「次郎冠者、殿が新刊の『ぶすう』が少なくて無念じゃと嘆いておられるのを聞いたか」
牛次郎冠者「『ぶすう』というのは主人がいないときに盗み食いをする、あの甘い毒であろうか」
茶太郎冠者「犬の身ではよくわからぬが、低く評価されて悔しいと言うておられたぞ」
牛次郎冠者「殿は切腹するであろうか」
茶太郎冠者「殿が切腹したら家臣の我々は仇討ちをせねばなるまい」
牛次郎冠者「はて。仇討ちとは何ぞ」
茶太郎冠者「音羽にある敵の城に乗り込んで狼藉の限りを尽くし、ついでに3Fのカフェテリアでランチなんかも食らうことではないか」
牛次郎冠者「音羽といえば江戸。江戸ならば仇討ちの帰りに爺様、婆様にも会って可愛がってもらえることであろう」
茶太郎冠者「また江戸で遊びたいものだ。殿が早く切腹してくれぬかのう」