Diary

狂言 忠犬蔵

茶太郎冠者「次郎冠者、殿が新刊の『ぶすう』が少なくて無念じゃと嘆いておられるのを聞いたか」

牛次郎冠者「『ぶすう』というのは主人がいないときに盗み食いをする、あの甘い毒であろうか」

茶太郎冠者「犬の身ではよくわからぬが、低く評価されて悔しいと言うておられたぞ」

牛次郎冠者「殿は切腹するであろうか」

茶太郎冠者「殿が切腹したら家臣の我々は仇討ちをせねばなるまい」

牛次郎冠者「はて。仇討ちとは何ぞ」

茶太郎冠者「音羽にある敵の城に乗り込んで狼藉の限りを尽くし、ついでに3Fのカフェテリアでランチなんかも食らうことではないか」

牛次郎冠者「音羽といえば江戸。江戸ならば仇討ちの帰りに爺様、婆様にも会って可愛がってもらえることであろう」

茶太郎冠者「また江戸で遊びたいものだ。殿が早く切腹してくれぬかのう」


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