Diary

現実と非現実

「いつもお家がキレイだから掃除の必要なくていいですね」
と編集者に言われたことがあるが、とんでもない。来客の日は、お客様が汚くて不快な思いをしないように、朝の5時から掃除するのだ。
普段の私は大変だらしない。庭の草ぼーぼーを見ればわかる。仕事場も汚いし、寝室なんか人に見せないから大変なことになっている。
だが見栄っ張りだから、来客時には、掃除だの、ハンパない量の雑誌や段ボールの片付けだの、お茶や食材の買い物だの、そういうことのために肝心の打ち合わせの準備が一秒たりともできなくて困っていたので、
お手伝いさんをお願いすることにした。
といっても2週間に1度程度、2〜3時間のアルバイトさんだ。
(それ以上のギャラを払えるほど、私には収入がない。会計士には相談、報告したけど)
条件は読者ではなく、作家稼業に関心がなく、淡々とやって下さる方。もちろんプライバシーも守ってくださる方。
友人の紹介でいい方が見つかったとのこと、やっと今日、お会いできる。仕事の範囲を話し合って細かいことを決めたいと思う。

ここまでが現実。以下、非現実。

あとは、外国に憧れているウスマン(『北緯14度』に出て来るセネガル人運転手)が、庭に小屋でも建てて住んでくれれば強力な用心棒にもなるし、代行さんの代わりもやってくれるし、気分悪いときは病院に送ってくれるし、草刈りもしてくれるし「作家になりたい」とかまさか言わないし、日本語わかんないまじめな奴っていうのは国内では捜しにくいし、イスラム教だから酒は絶対飲まないし、お祈りの日(金曜日)は伊勢崎か大泉のモスクに行けばいいし、いいのになあ、と思うこともあるけれど、よく考えたらセネガル人はまず寒さに弱いし、それに犬なんて蠅や蚊くらいにしか思っていないのだった。あっちの犬はかなりの確率で狂犬病持ってるからね。やっぱりウスマンは無理だなあ。

以下、再び現実。

「そんな、アフリカの人を呼ぶなんて近所で噂になって大変よ。それより結婚しなさい」
と、母(心の姑ではなく実の母)に言われましたが、母上さま、なんでもっと若いときじゃなくて今頃になってそんなこと言うんですか。
私にとっては結婚なんかするよりもセネガル人呼ぶ方が、気分的にすっごい楽なんですけど。


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