Diary

茶右衛門が行く! 花咲かず婆さんの巻

私が読み書きを覚えたのは小学校にあがってからで、幼稚園までは誰がなんと言おうと覚えようとしなかった。
だからおはなしは全部、耳からだったんですね。未だに言葉が文字ではなく、音でしか浮かばないのもそのためかもしれない。
本は父、昔話は母と担当がきまっていた。

今朝、大事な柚子の木の根元を掘っている者がいた。茶右衛門である。
「おっかさん、アッシは鼻が効くんでさ。埋蔵金ならまかせてください」
ワタクシは「悪いばあさん」なので埋蔵金どころか「くさいものきたないものちゃわんのかけら」が出てくると思って埋め直した。

よその家ではどうか知らないが、私の実家では「花咲か爺さん」と言えば「くさいものきたないもの茶碗のかけら」を母が抑揚をつけて語るたびに、笑いがとまらなかった。なんであんなに可笑しかったんだろうなあ。


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