Diary

九州六日目

取材旅行というのは、自分と編集者が物見遊山をするのではなくて、背後霊のように登場人物をずっと背負っているから気が抜けない。奴らがいろいろ言うたびに車をとめてメモをとる。飯の時でも部屋に帰ってからでも相手をするが、この一週間、一つの小説だけに集中していいという環境をありがたく感じたりする。
それにしても道が悪い。宿泊地にて、同期と8年ぶりの再会。会うなり「おまえ、今日何キロ走ったんだよ」というのは、この間柄この状況この場所で何より正しい挨拶だと思った。ちなみに今日は188キロ山道。


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