Diary

プレパラート

発病した頃は生真面目に病気のことが知りたくて「うつ」と書いてある本があれば見ていたものだ。しかし医者ってどうしてすぐに漱石だのゲーテだのも躁鬱だったと書くのだろう。彼らに病識があったわけじゃなし、どうしろって言うんだ。有名人の主治医にでもなりたいのか、いい加減にしやがれと思う。
あたしが鬱病のバイブルとしていたのは渡辺昌祐の書いた「うつ病は治る」だが、この本でさえ「みごとな鬱」なんて言葉が書いてある。あたしゃまだプレパラートになっちゃいないんだから「みごとな柿」とかと一緒にしないで欲しい。
病気の仲間よ、あたしらみんな標本なんだよ。


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