Diary

今年の振り返りなど

2015年、自分にとっては変化のある年でした。
公私ともに、たくさんのすてきな人と会うことができました。
そして「一つ手放せば、そして手放したものに執着しなければ、必ず次が入って来る」ということを実感した一年でもありました。
 
FM ぐんまの新年会で初めてお話し、番組終了の打ちあげで仲良くなったボサノバカサノバのお二人と「イトボカ」というバンドをやるなんて去年は思いもよらなかったことです。二回のライブと先日のラジオ高崎「午後のゴゼンサマ イトボカX’masスペシャル」で初めてラジオで共演することができました。ボサカサファンの方にも本当に優しくしていただいて感謝しています。
 
8月末にTwitterを始め、現在2,758名もの方にフォローいただいています。全国の読者、書店さんと直接のやりとりをすることで、ためになること、あたたかい気持ちになることが数え切れないほどありました。そして、今まで自分がネガティブにとらえていた本の売れなさを、前向きな情報発信に変えていくきっかけをいただきました。バブルの頃に営業マンだったことを思い出しましたし、もっと書店さんに行きたい、もっと読者と直接お話する機会がほしい、と思うようになりました。
本が好きな方々から刺激を受けて、もっと読書の時間を作りたいと思うようにもなりました。
 
10月からはラジオ高崎で「絲山秋子のゴゼンサマ」が始まり、地方のコミュニティ局でありながら全国からもメールをいただけるようになりました。新幹線の始発に合わせた、早朝の番組にもかかわらず、群馬のリスナーと全国のリスナーが一緒にいるという楽しさを毎週感じています。サウンドステッカー選手権もびっくりするほどたくさんの方に参加いただけました。来年もまたみんなで作って行く企画を出していきたいと思います。
 
12月になってから、「ぐんまよいじゃねぇ」というユニットと出会い、たちまち意気投合しました。ぐんまをPRする動画を作ってYouTubeで発信している前橋の三人組です。地域メディアでも自治体の人でもありません。既に四本の動画が公開されていますが、来年も一緒になにかやろう、と盛り上がっています。
金銭的なしがらみのない楽しさを公開していく、面白い時代だと思います。
今日、急に決まった書店さんとの「公開書簡フェア」企画も、もちろん原稿料は発生しません。本の好きな者同士、各地のことや季節の話題とともに楽しみで文通して、それを店頭にいらっしゃったお客様に見ていただきたいという企画です。
 
本業は『不愉快な本の続編』(新潮文庫)、『絲山秋子の街道を行ぐ』(上毛新聞社)、『薄情』(新潮社)を刊行し、1月には『小松とうさちゃん』(河出書房新社)が刊行されます。3冊連続で新刊を出したことで、かなりキャパオーバーになってしまったことは事実です。来年はなんとしても休暇をしっかりとります。月に一度は連休もほしいです。取材ではない旅行もしたいです。
 
1月から、河出「文藝」で『夢も見ずに眠った』という夫婦が旅する連作短編を始めます。第一話は「はれのくに」で岡山舞台です。
2月からは新潮で名古屋舞台の新連載を書きます。また、不定期掲載の掌編も続けていきます。
またエッセイの連載も企画中です。
 
でしゃばりかな、とも思いましたが、自分から動くことで初めて会う方にとても親切にしていただいた年でした。ありがとうございました。
どうぞよいお年をお迎えください。


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