Diary

あげません。

今でもまだ「本はタダ」と思っている赤の他人から「ちょーだい」と言われることが一年に何度か、ある。どういう人かと言えば、十何年も前に一度か二度上司に連れられて行っただけのスナックのママだったりする。泥酔した昔の上司の電話に「あたしー、覚えてるー?」とか出られても、知るかよと思う。もちろん「書店さんにあると思いますよ」と断って電話を切った。

もちろんお世話になった方にはプレゼントしますし、著者割引というのもあるんですよ(私は流通通したいので使わないけど)。著者割引は、記憶が確かならば書店でバイトしていたときの社販と一緒。

それ以上に、サイン会を三回もやって、来てくれた方がほんとうに感じのいい人ばかりだと、余計に「あんな人に送ったら、読者に失礼だ」って思う。図書館で貸し出しの順番を待ってくれる人もいるし、古書を見つけて喜んでくれる人もいる。そのありがたさを、帳消しにしてしまうことだと思うのだ。幼稚な考えかもしれないが。

「ちょっと新聞とかに出たからっていい気になって」と言われることは百も承知だけれど、仕方ない。だって交流ないんだもん。

でも、なかには「蛇口をタダでくれ」なんて人もいるので(辞めた会社の製品をどーやって仕入れるんだよ!)、それよりはマシか。


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