Diary

心の姑

元来、住まうことに関して私は非常にだらしない人間だ。
だが、(エッセイにちらっと書いたことがあるけれど)私の中には見知らぬ「心の姑」が住んでいて、編集者なんかが来宅する日は大変なのである。

「玄関とリビングとトイレだけキレイにすればいいってもんじゃないでしょ、仕事場も皆さんご覧になりたいっていつもおっしゃるじゃないの。ご飯は召し上がっていただくんでしょ? せっかく東京からこんな遠くまでいらっしゃるんだから何か作ってさしあげたらどうお? そうよあなたいつも群馬群馬って威張ってるんだから、お野菜召し上がっていただきないよ。それにあなた、この台所なんとかしなさいよ、いくら校了中だってお客様にこんな台所見られて恥ずかしくないの? そうそう、こないだも泊まっていらした方いたじゃない、ちゃんとお客様用の布団カバーと枕カバーも準備しておきなさいね。お泊まりになるんだったらお風呂の掃除も……」

この「心の姑」当然架空の存在であるから、言うだけで何も手伝わない。
かくして、仕事の打ち合わせ一つするために、大掃除がはじまる。
何を書きたいかなんてことはどっかに行ってしまう。
お客様が来る前にほかの仕事を片付けて、なんてこともできなくなる。

まあ、お陰でなんとか家が片付いてるし、打ち合わせに東京行くよりずっと楽させてもらってるんですけどね。

今朝は、裏の畑が雪で真っ白だった。すぐ溶けたけど、春じゃないみたいに眩しい。
昨日榛名に行っておいてよかったー。
午後、岩波書店来宅。


TOP